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「外の世界」はどこだ?byキンコン西野

このnoteは2020年5月17日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:平野 浩司 さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日はですね、
「『外の世界』はどこだ?」
というテーマでお話したいと思います。

キミ、たぶん勘違いしてるよ…

今日の話をすると、結構な数の方から嫌われちゃうかもしれないですが、結構な方が勘違いされていることについてお話ししたいと思います。

以前、とある番組の企画で「オンラインサロン特集」があったんですね。

視聴者さんに分かりやすくするために、オンラインサロンの利用者とオーナー、オンラインサロンに対して懐疑的な目を向けている人が集まったのですが、やっぱり「オンラインサロンって何なの?」みたいな話になるんですね。

その中で「オンラインサロンって何なの?」っていうスタンスをとっている人の言い分として、「内にこもらずに外に出てきて、いろんな意見が混じっている場でやれよ」的な意見があったんですね。

「正々堂々、外で戦ってこそ本物だろ」みたいな、なんかその「イエスマンだけ集めてやりやがって」的な。

まあみんな大人ですからもっと丁寧な言い回しですが、そうした言い分がありました。

それで、これに関して僕は強烈な違和感を覚えて、前にもちょっと喋ったのですが、本番中イライラしていたんです。

「何を言ってんだこの人」と思いながらお話を聞いていたのですが、まず「オンラインサロンってなんなの」と言っている時点で、オンラインサロン利用している人よりも知識が少ないという矛盾があるじゃないですか。

りんごとみかんを食べた上でみかんってどうなのと言っているわけではなくて、りんごしか食べていない状態で、憶測でみかんの味を切ってるわけじゃないですか。

それで、その人が「外の世界に出て来いよ」的なスタンスでいるわけですが、りんごとみたんの両方を食べている僕からすると「外の世界に出てこなきゃいけないのはお前の方だ」ということを思うんですね。

実際、これはものすごく鼻につく意見になってしまうのですが、オンラインサロンに対して懐疑的なスタンスを取られている方の意見に対しては、すべて秒速でお答えでき、その方が喋っているすべてを理解できたのですが、僕が喋っていることは、お相手の方はほとんど理解できていなかった。

「何を言ってるの?」「もうちょっと詳しく分かりやすく教えて」って。

なので、お相手の方が知っている情報、単語を必死に探して、そこを経由しながら説明するという事態になったのですが、これって「世間知らずはどっちだ?」という問題で、結構な人がここに関して無自覚だと思うのです。

例えば、よく言われていることですが、学校に通っている子と、不登校で引きこもって部屋でインターネットに明け暮れている子とだったら、世界にアクセスしているのは後者ですね。

引きこもっている子のほうが、世界を知っていますよね。

これは何も、学校を否定しているわけではなくて、もちろん学校で得るものも、友人関係やらなんやら、たくさんあると思いますが。

靴を履いて物理的に外に出ているから、一見、外の情報を得ているようですが、実際のところ、そっちも経験した僕は分かるのですが、そこで仕入れている情報ってなんだ?

「誰それ君が喧嘩強いらしい」とか「○○ちゃんがかわいい」とかで、授業始まったら、十年二十年前の情報で教科書を読み上げる。

つまり、学校に行って仕入れることができる情報は、その地域の情報か、昔の情報しか入ってこないんですよ。

2020年に世界で何が起きているかなんて、議論されてないですよ。
入ってこないんですよ。

要するに、屋外って情報が閉ざされているんですよ。

ここがすごくみんな間違っている。

屋外を外の世界だと思っているのですが、屋外って情報閉ざされているんですよ。

「屋外=外の世界」と思っている人が結構いるなぁと思っていて。

これと似たようなことが、オンラインサロン内、オンラインサロン外で起きている。

それで、ここははっきりしておきたいのですが、僕はすべてのオンラインサロンを知っているわけじゃないんです。

僕が見たわけではないのでわからないですが、もうクソみたいなサロンもあるかも知れないし、いま一つだなというサロンや、どんだけ古い話ししてるんだみたいなサロンもあるかもしれない。

ファッションで始めた人、「私もなんかオンラインサロン稼げるらしい」みたいな感じで始めた人のオンラインサロンはもう遅いですね。

その人が持っている情報を提供したところで、そこにはもう新鮮な情報はないから。

このように酷いのもあるかもしれないので、すべてのオンラインサロンを肯定しているわけではありませんし、サロンによっては、そもそも新しい情報提供することを目的としていないサロンもあります。

なので、全部が全部いいとは僕は言えないんですね。

ただ、僕は現在オンラインサロンに5、6個入っているのですが、少なくとも僕が入っているサロンは情報の質が全然違います。

そのサロン内で語られている、議論されていることは、大体3、4年遅れでテレビで流れているという感じですね。

なので、今回のコロナはすごくわかりやすいですよね。

サロンをやっている人はもう、コロナで無理やり時代を早送りさせられたじゃないですか。

もう良い加減にしろみたいなことで世間がビンタをバーンとされて、会議はZoomでやれみたいな感じに急になりましたよね。

オンラインでやれとか、リモートで仕事しろみたいなことって、10年ぐらい前からうだうだうだ言われていたのに、ずっとそこに対して何もしなくて、今回も仕方なしにリモートワークみたいなことになった。

オンラインサロンにずっといた人からすると、もう何の問題もなく対応できたという。やっぱり遅いんですよ。

それで、僕は結構、情報をオンラインサロンでインプットしているのですが、いろんなサロンで「なるほどなぁ。今、世界はこうなってるんだ」ということを、そこで仕入れているのですが、その仕入れた情報は大体3、4年遅れで世間に、テレビとかで流れ始める。

何をもって「外の世界」と呼ぶかによって変わってくると思うのですが、少なくとも今「世間」と認識されている世界は、情報がかなり偏っていて、かなり閉ざされている。

「外の世界」を何も知らない。

結構な数の人が「外の世界」の場所を間違っているという感じですね。

場所を間違っているとは、要するに、ダーツの的のようなものをイメージしていただいて、

真ん中が自分。その外枠が家、その外枠が近所、その外枠が電車、バス、その外枠が都市。

物理的な距離ではそうなっていると思うのですが、この場合、「外の世界」の情報はどこにあるかというと、真ん中にあると。

それで、この枠の外に出て行けば行くほど、「外の世界」の情報から離れていってしまっているということですね。

「外の世界」の情報がどこにあるかというと、枠の外側にあるわけではなくて、「外の世界」の情報は「どこか」にあるんです。

この「外の世界」の情報がどこにあるかということを、まずは割り出すことが大切で、その上で議論した方が、建設的な議論ができると思います。

この場所なんですね。「外の世界」がどこにあるかという。

一番外枠に「外の世界」があるということではないということですね。

自分のサロンの宣伝になってしまいますが、それこそ、僕のサロンだと主婦の方だけでも7000人や1万人くらいいると思うのですが、ちなみに、このラジオをお聴きの主婦の方にお尋ねしたいのですが、昨日仕入れた情報は何ですか。

この1週間で仕入れた、「わ、これすげー」みたいな情報は何ですか。

僕のサロンにいる主婦の方が昨日仕入れた情報は、現地スタッフから語られたニューヨークブロードウェイの現状です。

というわけで今日は、
「『外の世界』はどこだ?」
というテーマでお話させていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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