『映画 えんとつ町のプペル』公開! byキンコン西野

このnoteは2020年12月25日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:はなぐちのぞみ さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

スクリーンショット 2020-12-31 12.27.55

本日、『映画 えんとつ町のプペル』の公開日でございます。

いや、きましたね。ついに。

まずは今日まで応援してくださった方に御礼を申し上げたいと思います。

僕もバカじゃないので、まぁバカですけども、この国でキングコング西野を応援するリスクって、結構あったと思うんです。

それこそ僕はいつも自分の話しかしていませんが、たとえば2012年だか13年だかにクラウドファンディングした時って、日本中がクラウドファンディングを知らないから、「詐欺」だ「宗教だ」と僕を叩いたわけですが、その裏では、西野に支援してくださった方も家族や友達まわりから「詐欺に引っかかってる」だの「宗教にハマってる」だの言われたと思うんです。

昨日、ツイッターでコメントいただいて、思わず返信してしまいましたが、「当時、『西野を応援している』と言おうものなら、友達まわりから袋叩きに遭うから怖くて言えなかった。僕も同罪だ」とコメントがあって、今、思うとすごい時代ですよね。

僕、犯罪者でも何でもないんですよ。ただ、挑戦しただけです。
ただ、夢を追いかけただけです。
ですが、日本はそれを許さなかった。

「芸人のクセに絵本を描きやがって」「芸人やったら、ひな段に出ろや」「クラファン? 信者ビジネスですか?」といった調子です。

そんな奴を応援するのは、そりゃリスクが高いですよね。
自分も殴られるのは怖いし、声あげられなくて、当然だと思います。

なので、どうか気にしないで欲しいです。

 
僕は、こっそりライブに足を運んでくれたり、こっそり「いいね」を押してくれたり、もしかするとご本人からすると「たったそんなこと」を思われるかもしれませんが、そんな「たったそんなこと」に本当に救われたんです。


どこにも忖度せず、自分が面白いと思う球を投げまくって、日本中からバッシングされまくったのですが、時々、受け止めてくださる方がいて、そういう方のおかげで折れずにやって来れました。


昨日、僕、映画公開を前日に控えて、何をやっても仕事が手につかなくて、『えんとつ町のプペル』で検索しまくってたんです。

そうすると、蜷川実花さんが、幻冬社の箕輪さんが、YouTube講演家の鴨頭さんが、ご自身のコミュニティーの中で「私、○日の○時の回を観に行くから、誰か一緒にプペルを観に行こう!」と声をかけてくださっていたんです。

 
ツイッターで「えんとつ町のプペル」で検索をかけたら、本当にたくさんの方が公開を楽しみにしてくださっています。

今から15年前に、0.03ミリのボールペン一本を握って、一人で始めた挑戦で、たくさんたくさん殴られたのですが、気がつけば本当にたくさんの仲間がいて、今、僕がここに立っていられるのは、本当に皆さんのおかげだなぁと昨日、あらためて思いました。

こんな、どうしようもない人間を支えてくださって本当にありがとうございます。

僕、お酒が入っていたら、今なら、いつでも泣けます(笑)

で、映画公開の今日、どんな言葉を綴ろうか考えたんですけど、やっぱり僕の想いは作品の中に込めているので、実は、以前も読んだことがあるのですが『映画 えんとつ町のプペル』に出てくるブルーノという男の台詞を読みたいと思います。

劇中に出てくるブルーノの自作の紙芝居の口上です。

ぜひ、映画館で、立川志の輔師匠の声で聴いていただきたいのですが、これが僕の正直な気持ちです。

えんとつ町は煙突だらけ。
そこかしこから煙が上がり、頭の上はモックモク。
黒い煙でモックモク。
朝から晩までモックモク。

えんとつ町に住む人は、黒い煙に閉じこめられて、青い空を知りやしない。
輝く星を知りやしない。

見上げることを捨てた町で、
一人の男が上を見た。

町を覆った黒い煙に、男が思いを馳せたのは、
酒場で出会ったお喋りモグラが、聞かせてくれた夢物語。

       
煙の向こうの世界の話。

光り輝く世界の話。

「ありやしない」と思ったが、
「まったく無い」とも言い切れない。
なぜなら、誰も行っていない。

答えは誰も持っていない。


それから男は日毎夜毎、
煙の向こうの世界の話を、
何度も何度も叫んだが、
馬鹿だ、馬鹿だ、と囃されて、
ホラ吹き者だ、と斬り捨てられた。

男が一体何をした?
男が誰を傷つけた?

そこに理由はありゃしない。


見上げることを捨てた町では、
「目立たぬように」の大合唱。
見上げることを捨てた町では、
夢を語れば笑われて、
行動すれば叩かれる。

黒い煙は町を飲み込み、一縷の光も許さない。
黒い煙は人を飲み込み、あらゆる勇気を認めない。

それでも男は声を上げ、
震える膝をひた隠し、
船に乗りこみ、海に出た。
暗くて恐い海に出た。
誰もいない海に出た。
誰もいない海に出た。

煙の向こうの世界の話。
光り輝く世界の話。

「ありやしない」と思ったが、
「まったく無い」とも言い切れない

なぜなら、誰も行っていない。
答えは誰も持っていない。

       
己の眼(まなこ)で見る前に、答えを出してなるものか。
煙に飲まれてなるものか。

気がつきゃ船底、穴ボコだらけ。
漕ぐ手を止めると沈んでしまう、浮くのがやっとのオンボロ船。

ずいぶん前から進んじゃいない。
ここで終わってなるものか。
ここで終わってなるものか。
ここで終わってなるものか。


男は勇気を振り絞り、積荷の紐を振りほどき、
「できない理由」を海に捨て、「言い訳・御託」を海に捨て、
ほんの僅かな食料と、たしかな覚悟だけを残し、
再び、波に立ち向かう。


男が向かうは、闇夜の向こうの、その向こう。
ただの一人で、ただひたすらに船を漕ぎ、
信じ、信じて、信じ抜き、
進んで進んで進んだ船は、
黒い煙を突き破り…

       
光の海に躍り出た。

なんと見事な景色だろう。
なんと眩い光だろう。

この抑えきれぬ胸の高鳴りを、果てしなく続く世界を、

感動を、

今まさに変わらんとする時代を、

この未来の産声を、

 
 
独り占めしてなるものか。

町の皆に伝えよう。
町の皆に伝えよう。

えんとつ町は煙突だらけ。
そこかしこから煙が上がり、頭の上はモックモク。
黒い煙でモックモク。
朝から晩までモックモク。
しかし、
えんとつ町の煙の上には、
青い空があったのだ。

輝く星があったのだ。

…それでは皆様、お待たせしました。

映画『えんとつ町のプペル』は本日公開です。

劇場でお待ちしています。

 

▼西野亮廣の最新のエンタメビジネスに関する記事(1記事=2000~3000文字)が毎朝読めるのはオンラインサロン(ほぼメルマガ)はコチラ↓

▼Instagram版はコチラ↓

━━━
2020年12月25日公開!
映画『えんとつ町のプペル』

▼オンラインムビチケ(特典付き)の購入はこちら↓

【※企業様向け】映画『えんとつ町のプペル』のチケット協賛はコチラから↓
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSemTsUULLSQV_DqIoM2FUI48MTprtzLahVsAhNat9A9yuvz8Q/viewform

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?