SNSの「いいね」に人生を狂わされた人達byキンコン西野
このnoteは2020年7月16日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供: よしだまさひろ さん
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
今日は、
「SNSの「いいね」に人生を狂わされた人達」
というテーマでお話しします。
SNSを「ハケ口」にするな
僕は週に数件ほど、サロンメンバーさんの事業のコンサルをさせてもらっています。
コンサルって面白いのが、自分の人生だけを生きていれば抱えるハズもない問題を抱えることになる。
たとえば、先日は、焼き鳥屋さんを経営されている方から、「店の二階に宿泊施設を併設したい」という相談を受けたのですが、キングコング西野を普通にやっていたら、「宿泊施設を併設した焼き鳥屋の運営方法」について頭を抱えることってないじゃないですか(笑)
それって、役者さんが作品ごとに他人の人生を生きるような体験で、その世界のルールを知り、攻略法を探る過程で、知見が広がるので、僕にとってプラスなんです。
で、毎回、その攻防が面白いので、先方さんに許可をいただいた上で、「一旦、コンサル風景を撮影してみよう」となりまして、昨日、編集されたものが届いたのですが、それがメチャクチャ面白かったので、どこかのタイミングで「ニシノコンサル」をYouTubeで配信しますね。
これ、まぁ、僕的にはメチャクチャ助かっていて……YouTube用に撮影している訳ではなくて、普段の活動を横から撮っていただいて、編集していただいて、配信していただいているする……という流れなので、僕の稼働時間が増えているわけじゃないんです。
明らかに「ご馳走様案件」なので、もしかするとシリーズ化するかもです。
「西野亮廣エンタメ研究所」のYouTubeチャンネルをチェックしておいてください。
そんな感じで、日々、生意気にコンサルさせていただいているのですが、先日、とあるサロンメンバーさんから「オンライン名刺のプラットフォームを作りたい」という相談を受けました。
貰った名刺をウェブ上で管理するサービスではなくて、オンライン上に、あらためて作った名刺を、皆と交換し合うプラットフォームです。
そこで、「自分が何者であるか?」ということを知ってもらう、と。
「…というサービスを考えてるんですけど」と相談されたんですけども、秒速で「やめた方がいいと思います」とお返ししました。
理由は、「それが、SNSだから」と(笑)
今の時代、その人とナリをどこで判断するかというと、その多くはSNSでの立ち振る舞いです。
そこには、思考や言葉遣いまで掲載されているので、SNSというのは、かなり解像度の高い「名刺」「履歴書」になっている。
昨日、お友達の「けんすう」さんが言っていたのですが、情報の時代というのは、実在するリアルの身体とか人格とかはどうでもよくて、情報空間のでのキャラが重要になってくる。
要するに、現代は「SNSの人格が、その人の人格としてカウントされている」という話です。
今、多くの方は「ハケ口」の用にSNSを使われていますが、そこって「ハケ口」でも何でもなくて、面接会場なんです。それが「表」なんです。
これによって、勝つ人はより勝つし、負ける人はより負ける環境になっていると思っています。
「すっぱいブドウ理論」というのがあるんですけど……イソップ童話の「キツネとブドウ」の話ですね。
キツネが、高い所に成っているブドウをジャンプして取ろうとするんだけど、何度やっても全然届かなくて、最後は「どうせ、こんなブドウは酸っぱくてマズイに決まってる」という捨て台詞を吐いてその場を去る…という。
これは、願いを叶える力がなかった自分を正当化する為の防御活動です。
ブドウに手が届かなかったキツネからすると、あのブドウが美味しかったら、具合が悪いんです。
だから、ブドウを腐す。
ちなみに英語で「酸っぱいブドウ」は「Sour Grapes」とですが、日本語だと「負け惜しみ」という意味になります。
皆さんの周りでも、心当たりありますよね?
普段、「お金が全てじゃない」と言っていながら、特別給付金に飛びついた人、結構いると思うんですよ。
僕は、「負け惜しみ」って人間っぽくてイイなと思う反面、やっかいなのは、SNS上の人格は「いいね」を求めるじゃないですか?
そうなってくると、より多くの「いいね」を取る為に、「腐す大喜利」になってくる。
上手に腐せば腐すほど「いいね」がたくさん貰えるわけです。
が、ここをキチンと線引きしておいた方がイイのが、「そこで『いいね』をくれる人はお前に仕事をくれないし、そこで『いいね』を貰えば貰うほど、お前に仕事をくれるハズだった人が離れる」ということ。
要するに負ける回数が増えるので、負のループに入ってしまう。
それでも「批評家」として食っていくことを目指すのであれば特に問題はないと思うのですが、社会人を目指すのであれば、ここは、早いうちに抜け出しておいた方がイイなぁと思います。
人間ですから、多少の「酸っぱいブドウ」は誰にでもあると思うんですよ。
手に入れることができなかったものを腐すような、そんな言動。
ただ、もともとは「20」ぐらい愚痴が、「イイね」に乗せられて、「80」ぐらいまで引き上げられて、それが、その人の人格としてカウントされてしまう……というのが「現代の落とし穴」すぎる。
一度、ご自身のタイムラインを読み返してみてください。
そいつと仕事をしたいですか?
というわけで、
「SNSの「いいね」に人生を狂わされた人達」
というテーマでお話しさせていただきました。
それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。
※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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