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潜在ニーズの探し方【キンコン西野】

このnoteは2024年8月12日のvoicyの音源、『CHIMNEY TOWN 公式BLOG』の内容をもとに作成したものです。


 
 

学校で習わない「仕事の作り方」

 
今日のお話は少し長くなるので前半部分(説明部分)をVoicyの通常回で、後半部分(具体的な施策)をVoicyのプレミアム放送およびオンラインサロンの記事でお話しさせてください。
 
「プレミアム放送とか、オンラインサロンとか興味ないんだけど」という方もいらっしゃると思いますが、前半だけでもキチンと聞き応えのある内容にするので、ご安心ください。
 
去年、出させていただいた『夢と金』という本の冒頭で「お金が尽きると夢が尽きる」と書かせていただいたのですが、僕らのチームは今日も明日も明後日もエンタメを続ける為に、「夢」を追い続ける為に、「お金」の問題とも真剣に向き合っています。
 
なので、映画やミュージカルを作っている裏で、手堅い事業をしたり、時には新しい事業を立ち上げたりしています。
 
その流れで、先日もCHIMNEY TOWNの後輩スタッフに「Apple Vision Proを使った事業を考えといて」という宿題を出したのですが…そういえば「仕事の作り方」って学校で習わないので、「どこから作ればいいか分からない」という人がほとんど。
 
この状態で「事業を考えておいて」と言われても、流石に後輩も困ると思うし、これに関しては皆さんも知っておいた方がいいと思うので、「仕事の作り方」について簡単にご説明させていただきます。
 
 

「潜在ニーズ」や「インサイト」は探すのが極めて難しい

 
仕事には、いくつかの「型」があります。
 
一番ベタなのが『課題解決型(ソリューション営業)』で、これは、お腹を空いている人に「おむすび」を販売したり、痩せたい人に「ダイエット食品」を販売したり、「ジム」をオススメしたり…「お客さんが抱えている課題を解決する仕事(商品)」のことです。
 
これに関しては、お客さんの困りごとをリサーチするところから始めるわけですが、課題解決型ビジネスの問題は、もうほとんどの課題は解決されている(解決策を提案している競合だらけ)といったところです。
 
「髪の毛が薄くて悩んでいる人を助ける商品を作ろう!」と声を上げたところで、そんな商品はもうすでに世の中にゴマンとあるんですね。
 
その中には「業界の巨人」もいる。
 
なので、「課題解決型ビジネスを真正面から攻めるのはなかなか厳しい」というのが現状です。
 
「課題がある程度解決されちゃってんじゃん」
「課題の解決策が山ほど出ちゃってんじゃん」
 
となっているわけですが、嘆いたところで仕方ありません。
 
こうなると次に考えるべきは、「お客さんが抱えている課題」の更に奥にある「潜在ニーズ」や「インサイト」です。
 
「潜在ニーズ」「インサイト」というのは、「お客さん自身が気づいていない、お客さんが抱えている課題」のことです。
 
たとえば、『マクドナルド』や『ペヤング』って、表向きは「腹が減った。うまいものを食べたい!」というお客さんの課題を解決しているような雰囲気を出していますが、もちろんそれもあると思うのですが、それとは別で「カロリーとか気にせず、ジャンクなものをっ!」「今日ばっかりは背徳感を思う存分味わいたい!」という潜在ニーズに訴求しています。
 
「言われてみれば、たしかに!」なんですが、「潜在ニーズ」や「インサイト」というのは探すのが極めて難しいんです。
 
お客さん自身が気づいていない場合がほとんどだし、気づいていたとしても、それを他人に説明することに恥ずかしさや戸惑いがあるからです。
 
なので、アンケート調査などで炙り出すことができない。
 
 

「潜在ニーズ」は「なんで、そんなことすんねん」の近くに落ちている

 
「潜在ニーズ」や「インサイト」は本気で探しにいかなきゃいけないのですが、僕の中で「潜在ニーズの探し方」というものがありまして、是非、皆さんも探していただきたいのですが、「潜在ニーズ」って、「なんで、そんなことすんねん」の近くに落ちていることが結構あるんです。
 
たとえば、『焼肉奉行』ってムカつきません?
 
コッチのペースで肉を食べたいのに、アイツらときたら、頼んでもいないのに、次から次へと肉を焼いて、「はい。これ、食べ頃やから!」と言って、こちらの皿に焼いた肉をポンポン置いていくじゃないですか?
 
肉の「食べ頃」と、こちらの「食べたい頃」がドンズバで合うことなんて、ほぼ無いわけで、自分のペースで肉を食べれないから、本当にストレスじゃないですか?
 
鍋奉行しかり、居酒屋で勝手に料理をよそうヤツしかり。
 
「なんで、そんなことすんねん」と思うけど、アイツら全然やめないでしょ?
 
あれがまさに「潜在ニーズ」で、アイツらは「役割」が欲しいです。
 
「必要とされている私」「人の役に立っている自分」にエクスタシーを感じているんです。
 
実際のところは役に立っていないどころか、シンプルな迷惑行為なんですが、人に迷惑をかけてまで、自分の役割が欲しいです。
 
差し入れをお断りしているのに、差し入れをしてくるファンとか、
被災地に千羽鶴を送る人とか、
公園でハトに餌をあげているオジサンも同じです。
 
彼らは表向きはそれっぽい理由をつけて自分の行動を説明しているのですが、実際のところは他人の為でも、ハトの為でも何でもなくて、「自分の役割」が欲しいんです。
 
そういう風に彼らを見てみると「なんで、そんなことすんねん」の理由がストンと腑に落ちる。
 
このことから、「どうやら人は役割を欲している」という潜在ニーズが見えてくる。
 
ハトの餌は無料じゃありませんから、「お金を払ってまで、役割を欲している」という潜在ニーズが見えてくる。
 
ここで、「ならば、役割を与える商品を作ってみてはどうかしら?」と考えるわけですね。
 
これ、誰も言及していないですが、ディズニーのグッズで「ダッフィー」がブッチギリで人気な理由は、「ダッフィーが飼い主に対して役割を与えているから」という仮説を僕は立てています。
 
というのも、ダッフィーを持っている人って、自分の赤ちゃんの面倒を見るように、ダッフィーを扱っているんです。
 
インテリアとして、棚の上に置いたりしていないんです。
 
話を戻します。
 
「潜在ニーズ」「インサイト」は、「なんで、そんなことすんねん」の近くに落ちていることが多いので、人に対して、そんな感じでイラっとした時は、「この人は、何の課題を解決する為に、こんな行動に至ったのだろう?」と考えてみてください。
 
 

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