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自分が抱えている爆弾を把握しろbyキンコン西野

このnoteは2020年2月13日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
Voicyの提供:栗原誠治さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしています。

今日はですね
自分が抱えている爆弾を把握しろ
というテーマでお話ししたいと思います。

この問題を先伸ばしにすると、かなりヤバイ

これからの時代、技術とか情報とかで差がつけにくくなってきたので、やっぱりコミュニケーションって非常に重要です。

あんまり甘く見ないほうがいいなと思って、このテーマを選ばせていただきました。

Voicyのコメント欄に届いたコメントにお答えしていく形でお届けします。

もしキツく聞こえても叱咤激励として、ほんと激励なので、激励として捉えていただけると嬉しいです。

しのぶさんという方ですね。
しのぶさんどうもコメントありがとうございます。

イノベーションの話を昨日したんですけど、それに対するコメントだと思います。

西野さんこんにちは。イノベーションの話とはちょっと逸れますがどうしても伝えたいのでコメントします。

西野さんのVoicy を聞いて自分にも面白いこと、人の役に立つことが何か出来ないか真剣に考えだしました。

3歳と0歳の3児の母、塾の先生をやっております。書いて伝えることよりも喋る方が得意なのでVoicyのチャンネル開設を考え、応募して現在返事待ちです。

日々の生活は育児家事に追われていますが、必ず何かつかみたいです。目標は5年後形にすることです。がんばります。

西野さんイケメンじゃないけど応援します。


というコメントですね。

このコメントを読んでまず思ったのは、しのぶさんをはじめ、自分が抱えてる爆弾を把握しておくことがすごく重要だなと思いました。

しのぶさんのこの目的と課題を整理すると、

Voicyを開設しようと思っているということは、課題は聞いてくれる人を増やさなきゃいけないっていうところですね。

もっというと、開設しようとしている段階なので、聞いてくれる人がいるのかどうなのかっていう判断をVoicy運営サイドにしてもらわないといけない。

つまり、話を聞くに値するだけの話ができる人間ですよっていうことをアピールしないといけないということですね。

いずれにせよ聞いてくれる人を増やさないといけないという問題が1つありますね。

もう一つ目のしのぶさんの目的というのは必ず何かをつかみたいと。

何かはちょっとぼんやりしているんですが何かをつかみたいと。

課題としてはやっぱり応援してくれる人を増やさなきゃいけない。

いずれにせよ人が集まってくる人にならなくちゃいけないということが割り出されると。

ここからその対策を考えていきたいんですけども、この対策というのが今日のテーマである「自分が考えている爆弾を把握しろ」になります。

今回のコメントだと一番最後の「西野さんイケメンじゃないけど」っていうのは本当に1ミリもいらないじゃないですか。

「私はこういうことをやっていきたいです」とか「こういう立場にあります」っていうことを僕に伝えるのが目的なのであれば「西野さんイケメンじゃないですけど応援します」って本当に一言もいらないですよね。

くれぐれも言っておきますが、僕はイケメンと言って欲しいとは思ってないですよ。1ミリも。

イケメンじゃないですけどって言われて傷つくことも1ミリもありませんと
それなりにやることやってるんでそれで傷つくことはさすがにないということですね。

ここでは、そんなことわざわざ言って何になるの?っていう一点に絞ってお話ししたいんですけど、これはマウンティングの典型ですね。

「西野さんイケメンじゃないけど」に隠れている言葉は「私は顔ファンではなくて中身で人を評価する崇高な人間です」。

その言葉を吐いた時の心理状況を読み解くと「私は序列の上位にいたい」っていうところですね。

人間が生きていく上で序列というのは必要なんですけれども、ここを押さえておいたほうがいいですね。

序列に興味がない人と、序列に強い関心をもっている人がいる。

で、序列というものに強い関心を示している人っていうのはあの手この手で自分が優位に立とうとする。

よくあるのは「西野さんのこと前は嫌いでしたけど最近好きになりました」っていうことを西野本人にわざわざ言っちゃう人。

あとは「別に西野さんのファンじゃないですけど今日は西野さんのイベントに来てみました」と西野本人にわざわざ言っちゃう人。

これ別に「西野さんのファンです」でいいじゃないですか。

「今日楽しそうなんで西野さんのイベント来てみました」でいいじゃないですか。

でも、その前に絶対一言言うんですよね「前は嫌いでしたけど」とか「別にあなたのファンじゃないですけど」みたいなことをわざわざ言っちゃう。

どうにかして対等な立場に立とうとしているということですね。

たぶんみなさんの周りにもいらっしゃると思います。

大阪の酒場とかで平気でいる「俺を笑わせたら本物や」とかいうおっさんがそれですね。

誰もお前をに認められると思ってないし、お前の笑いの力を評価してないし、そもそもお前誰だよっていうね。

ちょっと口が悪いですね、そういうことってあるじゃないですか

西野からすると、見たことも会ったこともない人、言ってしまえばまったく相手にもしてなかった人からいきなり「前は嫌いだったんですが」とか言われても「あっそう」となるどころか、その瞬間にその人のことを嫌いになると思うんですね。

これは仕方ないですよね。そこでむかついちゃうっていう気持ちは事実なんで。

で、ここで押さえておかなくちゃいけないことは何かというと、これは生き物のタイプのズレの問題であって序列に強い関心を示す人が悪いという結論ではないですね。

ただ様々な人たちが同居する空間には序列に興味がない人もいるので、そこでコミュニケーションを取ったときに「なんでこの人はいちいち上に立ちたがるんだろう」と思われてしまう。

つまりまずは序列に強い関心を示している方は、自分が序列に強い関心を示している方の人間であるということを自覚しておくっていうのは非常に重要ですね。

ここの自覚がないと人がどんどん離れていってしまうんで。

で、そもそもどうして序列に強い関心を示してしまうかというと、どうして不快感を与えるような言葉を悪気なく発してしまうかというと、原因は次の3つですね。

嫉妬、自信のなさ、プライドの高さです。

結論、自他共に認める圧倒的な結果さえ出してしまえば自分の力を言葉で取り繕うことをしなくて済むので。

コメントをくださったしのぶさんへのアドバイスは2つです。

1つ目、圧倒的な結果を出してみてください。

2つ目、序列に強い関心を示している方の人間であることを自覚してください。

というところですね。

たぶんこの2つのどちらかをクリアしないとしのぶさんをとりまく霧みたいなものはいつまでたっても晴れないと思います。

この調子で一言多い自分に自覚がないままだと人が離れていってしまうので。

基本的にマウンティングを取るときは相手に「マウンティング取りに来てるなぁ」と思われてしまっているんで全く逆効果ですね。言葉でマウンティング取るというのは。

しのぶさんが面白いこと、人の役に立つことをしたいという目標をお持ちだったので、面白いこと、人の役に立つことで生きているプロの僕から言わせてもらうと、少なくとも今のままだと確実に無理ですとだけお伝えしておきます。

厳しく聞こえるかもしれませんが、愛情をもって言っているつもりです。参考にしていただけると嬉しいです。

くれぐれも、私ひとこと多いんだなっていうことと、その根底にあるのが不安とか自信のなさとかプライドの高さとかであるっていうこと、自分がマウンティングを取ることで安心をしようとしている人間であるという自覚を持つことです。

そうしないと、面白いことが一生できないんで。

まずはその自覚を持って周りの誰も傷つけないように活動されてみるとちょっとは前進すると思います。

というわけで
自分が抱えている爆弾を把握しろ
というテーマでお話しさせていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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