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キンコン西野からのクリスマスプレゼント

このnoteは2019年12月16日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:田村 有樹子 さん

おはようございます。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日はですね
キンコン西野からのクリスマスプレゼント
というテーマでお話します。

ふだんどっちかというとビジネスよりの話ばかりをしていますが、クリスマスも近いってことで、ちょっとほっこりしたお話をしようかなと思って「なにかないかな?」って考えました。

僕、いちおう絵本作家で、クリスマスにまつわる『ジップ&キャンディ: ロボットたちのクリスマス』っていう絵本を書いているんです。今日はこの絵本のあらすじを少しお話ししたいと思います。

お婆ちゃんとの思い出

ロボットたちが住む星が舞台になっていて『ジップ&キャンディ』っていうのは最新型ロボットジップくんと、旧型ロボットキャンディちゃんの恋物語なんです。

ご自慢の翼を広げてびゅんびゅん街を飛び回っているジップくんが、あるとき博士の研究所の中をのぞいたら、研究所のお手伝いロボットとして働いている旧型ロボットのキャンディちゃんをみつけるんですね。

キャンディちゃんは足がキャタピラーで、 手はアルファベットのCみたいな。ほんとうに典型的な旧型ロボットで、ガタガタ音をならしながら動いている。

その不器用さにジップくんはかわいいと思って、博士がいない隙をついて研究所の中に入ってキャンディちゃんをナンパするんですね。「ちょっと外に行こうよ」って。

でもキャンディちゃんは「博士に外出ることを禁止されてるからダメなの」って断るんですね。

ジップくんは「かわいそうじゃないか。きみは外の世界を知らないのか」って半ば強引に背中に乗せて、外に連れ出して、空の上から街を見下ろすんですね。

キャンディちゃんははじめての外の世界だから、ジップくんは得意げに教えてあげるんですよ。

「あれはデパートっていうんだぜ」
「あれはガソリンスタンドっていうんだぜ」って。

キャンディちゃんははじめての外の世界ですから「うれしい!わーすごい!」の連続なんですよ。

その反応にジップくんはさらに得意げになって、あれやこれや教えてあげる。

博士が帰ってくる前にキャンディちゃんを研究所に送り届けて、また翌日に博士がいなくなった隙にキャンディちゃんを外に連れ出す。

そんなデートを繰り返しているうちに、ある日、キャンディちゃんのものわすれがちょっと激しくなって「お手伝いってなに?」みたいなことを言い出すんです。

「お手伝いって君がふだんやってるそれじゃん」
「あ、あれお手伝いって言うんだ」
「ロボットってなに?」
「ロボットってぼくたちのことじゃん」

なぜかキャンディちゃんのものわすれが急に激しくなったんですね。

ジップくんは半ば強引に外に出しちゃったから「故障してしまったのかもしれない。これは悪いことをした」ってことで、研究所に戻って博士にそのことを正直に伝えるんですね。「キャンディちゃんのものわすれが急に激しくなっちゃったんです」って。

そうすると、博士は「なんてことしてくれたんだ!」と。

ジップくんからすると「博士が彼女をこんなところに閉じ込めてかわいそうだから、僕が外の世界を教えてあげたかっただけなんだよ」と。

でも、博士は「それが原因だ」というんですね。

なにかっていうと、ジップくんほど最新ロボットじゃないキャンディちゃんは「きみほど記憶できるデータの容量が多くないんだ」と。

容量がいっぱいになっているのにデータをいれてしまうと、昔のデータから上書きされていく。

だいすきなキャンディちゃんの過去の思い出を奪ってしまっていたってことがここで発覚するわけですね。

あれやこれやと教えてあげるうちにキャンディちゃんの過去の記憶を上重ねで録音録画してしまったから、キャンディちゃんの昔の思い出がなくなってしまった。

さあ、どうする?

っていうところからはじまる物語が『ジップ&キャンディ』です。
だいすきなお女の子の思い出を取り戻す物語ですね。

とうぜん僕はハッピーエンドしか書かないので、この物語はクリスマスイブの夜に大ハッピーエンドをむかえるんですけど。

あまり表で語っていないですが『ジップ&キャンディ』っていう絵本の元ネタは、僕と晩年認知症になっちゃったばーちゃんとの物語なんです。

晩年のばーちゃん、ものわすれが激しくなって最後に僕の名前とか、僕のこともちょっと忘れちゃってて。ひどい日には、僕と病院の先生の区別がつかない。みたいなこともあって。

ばーちゃんがしっかりしてる日に「ばーちゃん最近そんなかんじになってるよ」って話したこともありました。

最後はばーちゃんとあそびに行ったんですよね。

富士山の五合目も車で行ったし、ばーちゃんはコンパみたいなのしたことなかったから、僕とインパルスの堤下くんと、僕のかーちゃんとばーちゃんと、妻夫木聡くんの5人で東京の恵比寿でコンパしたんですよ。

ばーちゃんは、やっぱりその瞬間は女になって、もう堤下くんなんかには目もくれず、ずっと妻夫木くんと喋るんですけど。それはけっこう自分の中ではいい思い出で。

これを絵本にしたためようかなと思って『ジップ&キャンディ』って絵本を書いてみました。

僕とばーちゃんの物語『ジップ&キャンディ: ロボットたちのクリスマス』

ブログのほうに、内容と画像をぜんぶ公開しようかなと思います。
興味あったらのぞいてみてください。

というわけで今朝はちょっとほっこりした内容になりましたが、
キンコン西野からのクリスマスプレゼント
というテーマでお話させていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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