【ミュージカル『ビリー・エリオット』】「S席のチケット１枚購入で、もう１枚プレゼント」に批判殺到【キンコン西野】

このnoteは2024年9月6日のvoicyの音源、『CHIMNEY TOWN 公式BLOG』の内容をもとに作成したものです。

　
　

そもそも、なぜチケットが売れていなかったのか？

　
８月２日から本公演がスタートしたミュージカル『ビリー・エリオット』が「S席のチケットを１枚購入したお客様に、チケットをもう１枚プレゼント」というキャンペーンを今月２日に打ち出しまして、現在、演劇界隈が燃えに燃えおります。
　
一応、ホームページには「ミュージカル『ビリーエリオット』２５０回上演記念キャンペーン！」となっているのですが、まさか、その言葉を信じているお客さんは一人もいなくて、シンプルにお客さんが入ってないんです。
　
なので、今回のキャンペーンは「苦肉の策」なわけですが、ただ、早くから（先行で）チケットをとっていたお客さんからすると、「客席が埋まっていないから」といって後出しジャンケン的に「S席を買ったら、もう１枚チケットがついてきますよー」と言われたら、やっぱり「それは無いんじゃないの〜？」となっちゃう。
　
運営側の事情も分かるし、お客さんの気持ちも分かるから、ものすごく胸が痛いのですが、でも、こういうことは今後なるべくない方がいいと思うので、この問題とキチンと向き合いたいと思います。
　
「S席のチケット１枚購入で、もう１枚プレゼント」という火力が高めのキャンペーンに踏み切らざるをえなかったのは、やっぱり「そもそもチケットが売れていなかったから」に尽きると思うのですが、『ビリー・エリオット』が日本で上演されるのは今回で３回目で、初演じゃないので、やる前からある程度のニーズを掴めていたハズなんです。
　
つまり、今回は「予想していたニーズを大幅に下回った」ということなわけですが、何故、３回目で急にチケットが売れなくなっちゃったのでしょう？
　
そこには複数の原因が絡まっていると思うので、「これだ！」と言い切ることはできないのですが、考えられる原因の一つに、「箱売りが効かなくなっている」というのがあるのかぁと思っています。
　
　

「箱推し」には相当の覚悟と勉強が必要

　
ミュージカル『ビリー・エリオット』が日本で公演される他の作品と少し違うのは、主役にスター（有名人）を据えていないところにあります。
　
ミュージカル『ビリー・エリオット』の主役は１年だか、１年半にわたる稽古&オーディションから選ばれた子供達で、つまり、これまでミュージカル『ビリー・エリオット』は「スターの○○さんを観に行こう！」という一人推しではなくて、「今年はどんな子供達が出るか知らないけど、今年もミュージカル『ビリー・エリオット』を観に行こう」という箱推しのお客さんがほとんどだったんです。
　
これは僕らが目指すところでもあります。
　
ただ、今回は、その「箱推し」のお客さんを取り込むことができなかった。
　
色々と調べてみたのですが、２０１７年の東京公演が７月２５日〜１０月１日だったのに対して、今年の東京公演は８月２日〜１０月２６日なので、「これまでに比べて公演期間が伸びたから、お客さんが分散した」は若干考えられそうです。
　
ただ、それよりも大きいのは「チケット料金」で、２０１７年のS席１３，５００円だったのに対して、今年はS席１５，０００円（土日祝は１５，５００円）とチケット代が２，０００円ほど上がっています。
　
今は他の作品もこれぐらいの価格だから、ミュージカル『ビリー・エリオット』も値上げしたのだと思いますが、もしかすると、このあたりが「箱推し」の限界だったのかもしれません。
　
「スターの○○さんを見る為なら！」という動機なら、頑張って１５，０００円を払えるけども、「今回の主役はどんな子やろか？」では１５，０００円は払えない‥みたいな。
　
言うまでもなく日本人の賃金は増えておりませんので、２，０００円値上げすれば、当然、参加できなくなってしまう人は出てきてしまう。
　
「ここの問題にどうアプローチしていくか？」がプロデューサーの腕の見せ所で、「VIP戦略やギフト戦略や、そこ他のアレやコレやと仕掛けていかないと、箱推しのお客さん離れは加速しちゃいますよ」というのが今回の『ビリー・エリオット』からのメッセージだったような気がします。
　
「箱推し」でいくなら、相当の覚悟と勉強が必要で、だけど、どうせ挑戦するなら難しい方を選びたいので、ここは何とかします。
　
まずはブロードウェイから引っ張ってきた作品よりもお客さんを呼ぶことを一つの目標にします。
　
作品の内容は勿論のこと、ちゃんと数字面でも結果を出しに行きます。
　
そして数字での結果の出し方をできるだけたくさんの人に共有していこうと思います。
　
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めちゃくちゃ生々しい内容となっておりますので、お楽しみに！
　
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