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僕らは「24歳で勉強を辞めてしまう国」に住んでいる。byキンコン西野

このnoteは2020年2月23日voicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:高橋 綾 さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今朝は
僕らは24歳で勉強を辞めてしまう国に住んでいる。
というテーマでお話したいと思います。

日本が抱えている時限爆弾

非常に重要なお話です。
僕らは、この日本の現状を把握した方がいいと思うんですね。

今日本ってどうなるのか、そしてこの先どうなっていくのか、について改めてお話ししたいんですけれども、

結論から申し上げますと、残酷なまでに知識の差が反映される時代になったっていうことですね。

反映されるって言うのは収入に反映される時代になったっていうことですね。

言い換えると、手を動かすことにかまけて、脳みそを動かすことをサボった人間から順に首を切られる世界っていうこと。

これが残酷なのか平等なのか、ちょっと難しいところですが、そういう時代に入ったと。

でね、日本人って勤勉だし、日本は教育大国のように思われているフシがあるんですが、実際教育に力が入ってるっていうのは10代までで、だいたい24、25ぐらいで、日本人っていうのは学ぶことを放棄しちゃうんですね。

確か、何年か前に、日本の生涯学習率は、先進国で最下位みたいなニュースが出たと思います。

とにかく大人が勉強しない国なんです。

僕はオンラインサロンをやっていて毎日2000~3000文字の記事を投稿するんですけど、毎日3000文字の記事を投稿しようと思ったら、3000文字の記事が投稿できる分の勉強をしなきゃいけないんですね。

朝から晩まで本読んで学ぶこともあれば、お話聞きに行くこともあれば、現場で学ぶこともあればなんですが、とかくインプットを続けている。

それをずっとオンラインサロンの方に毎日投稿しているんですね。

エンタメの作り方の記事を投稿することもあれば、その価値の作り方を投稿することもあれば、西野お得意の広告戦略に関する回など内容は様々です。

今は映画版『えんとつ町のプペル』をどうメガヒットさせるかみたいな戦略が熱かったりします。

あとは、企業と組んで商品開発及びコマーシャル作りなどをやっております。

これを毎日やってるんですよ。

で、自分が学んだことを噛み砕いてリアルタイムでサロンメンバーの皆さんに共有してコメント欄でやり取りするんですね。

サロンメンバーの中には例えば、司法書士さんとか農家の方といった、僕の専門外の方もたくさんいらっしゃって、

そこで彼らから知れる情報だとか考え方、今は農業の世界ってこうなってます、みたいなことを教えていただくんですが、発見の連続。

毎朝学ぶことが楽しくて仕方がない。

だけれども、世間はそうではないんですね。

好奇心とか知的欲求を満たすことに時間を使うことよりも、俳優の東出くんの不倫に物申すことに時間を使いたい人がいて

その瞬間に、知識格差が広がって、じわじわじわじわと貧富の格差が広がっていると。

わかりやすい例を挙げると、

畑に肥料を撒くんならドローンで散布すればいいのに、今はないですけど、中には、「肥料は手で撒かないとダメだ!」「ドローンてなんだ!怪しい!」「よく知らないけどそういうのは良くない!」って情報をシャットアウトしちゃう人がいて、当然、そこで知識格差が収穫高に反映される。

勉強をサボった人が貧しくなっちゃうっていう、当たり前っちゃ当たり前の流れですよね。

ただね、日本人がここにきて急にサボり始めたわけじゃないんですよ。

昔も今も同じように、大人になったら日本人は勉強捨ててたんですよ。

じゃあ、昔は知識の不足分をどこで穴埋めしてたかっていうと、一つは体力と根性ですね。

あまり考えなくても、肉体的に頑張ればどうにかなった。

それはテクノロジーが今ほど発展してなかったから。体力勝負で結構いけたっていうところですね。ドローンとかなかったんで。

頑張って肥料撒いた奴がお金持ちになれるみたいな。

体力で朝から晩まで働いた奴がお金持ちになれるみたいな、体力と根性でどうにかなった部分が結構あった。

そしてもう一つ、そもそも肉体的に頑張ればどうにかなるっていう礎を築いてくれたのは誰かというと、会社と国ですね。

会社とか国が勉強しない人たちを終身雇用でせっせと守り続けてくれたから勉強しない人たちも食っていけた。

それこそ東出くんの不倫に物申すことに時間を割い使いたい人とかを国や会社がこれまでずっと食わしてくれていたんですが、さすがに限界が来て「ここからは自己責任でお願いします」と言われているのが今ですね。

なので今は、努力が真っ当に評価される時代なんで、知識人、知的能力が高い人は今ガッツポーズしてると思いますよ。「それはそうだろう」って言ってる。

残酷どころか、「これが本来あるべき姿だろう」とすら思っていると思います。

世界のスタンダードが間違いなくこっちなんで。

頑張る人も頑張らない人も同じ境遇を与えられる公平な世界から、頑張れば頑張るだけ境遇が良くなる平等な世界になってきているんで。

頑張れる人にとっては願ったり叶ったりだと思います。

このままだと貧乏になるっていう問題意識が必要

あとは消費税。

ここはもう金持ちであろうとそうでない方であろうと一律なんで、増税すればするほど当然格差が広がる。

消費税が上がれば上がるほど、お金持ってない人の方が辛いんで首が締まるんです。

なので、知識を入れていかなきゃいけないんですけれども、そんな矢先、AI がやってきて、知識の価値ってどんなもの?ってなっているのが今ですね。

先日少しお話しさせていただいた、「キャラ経済」の話がそうですね。

サロンで公開した「キャラ経済」に関する記事を公式ブログの方に、特別に無料公開しているので、「キャラ経済」とはなんぞやっていう方は、見てください。

ただ、「キャラ経済」というのを本当に理解しようと思ったら、順番で言うとなぜ「キャラ経済」に向かうのか?っていうことを把握できるだけの知識が必要なんですね。

こうでこうだから世の中キャラの方に向かうよねっていう、その前段が必要なんで。

知識がないと、「なんでおもしろいキャラが得すんの?」みたいな程度でしか捉えられないと思うので。

ちゃんと理解しようと思ったら、その前の知識が必要ですよね。

貨幣経済から評価経済、そしてフォロワー数、信用経済、そしてキャラ経済になっていくよねっていう。

この流れを全部把握しておかなきゃ多分理解できないと思うので、やっぱ知識いるんですよ。

で、その知識を得るためには、大前提としてね、どうやらこのままだと自分はめちゃくちゃ貧乏になるっていう問題意識が必要ですね。

今は結論から申し上げますと、24歳で勉強やめてしまう国に住んで、僕らはこのままやってると、10年先輩、20年先輩の生き方をトレースしてまねして生きてしまうと、本当に貧しくなっちゃう。

もう制度が変わったから、ルールが変わったからとしか言いようがないんですけど、先輩方はそれで逃げ切れるが、今このラジオをお聞きの方は逃げ切れない。

絶対に勉強しなきゃいけないよっていうお話です。

僕は願ったり叶ったりだなぁと思っているんですが、一方で、頑張らない人というか、色々な状況があって、頑張れない人がいるんで、そういう人たちは全力でフォローしていきたいなと思っておる次第でございます。

それでは素敵な一日をお過ごしください。キングコング西野亮廣でした。

じゃあまたねー。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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