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「宣伝」は必ず痛みがともなう【キンコン西野】

このnoteは2023年6月5日のvoicyの音源、『CHIMNEY TOWN 公式BLOG』の内容をもとに作成したものです。

 
 

痛みを背負わないと商品・サービスは届けられない

 
今日は少し耳の痛い話をしたいと思います。
 
昨日、渋谷にある「CHIMNEY COFFEE」というコーヒー屋さんでアルバイトをしたんです。
 
僕は、ここのコーヒー(カフェオレベース)を毎月購入しているのですが、とにかくCHIMNEY COFFEEのコーヒーがもうベラボーに美味しくて、そのことを一人でも多くの方に知って欲しくて、昨日はお店(2号店)の前に立って、「カフェオレベースの手渡し会」なるイベントを開催してみました。
 
昨日は、本当にたくさんの方に来ていただいて感謝感謝でございます。

そんな中、昨日は「カフェオレベースの手渡し会」の後に、CHIMNEY COFFEEのスタッフさんとゆっくりお話しする時間がありまして、いろいろと聞かせていただきました。
 
その中で、特に面白かったのが彼らの「宣伝・広告」の捉え方です。
 
「CHIMNEY COFFEEの宣伝は、どんな手を打っているのですか?」と聞くと、「渋谷の1号店に来てくださったお客様に案内を出しています」や「お店の前に出している看板の位置を少し道路から見えやすい位置に移動しました」という答えが返ってきたんです。
 
「集客活動は、それだけ?」と聞くと、「それだけです」と。
 
まともに商売をやられている方からすると「ナメんな」という話だと思うのですが、彼らの話から透けて見えたのは、「(宣伝をすることで)嫌われたくない」です。
 
あるいは「(宣伝をすることで)傷つきたくない」。
  
打ち手の全てが、「すでに自分達に興味を持ってくれているお客さんへのアプローチ」でしかなくて、外に向けては1ミリも発信していない。
 
せっかく膝を突き合わせてお話しさせていただいているので、キチンと本音で喋った方がいいと思ったので、そのスタッフさんには「このお店で働くことはもう辞めた方がいいかもしれないし、そして、辞めたとしても、今のあなたはどこに行っても成功しないと思います」とお伝えしました。
 
というのも、「宣伝・集客」って必ず痛みが伴うんですね。
 
僕のVoicyにしても「本題に入る前にお知らせです」と言って、リスナーさんにとってみれば「なるべくなら、飛ばしたい時間」があります。
 
僕としても、この時間をカットできるのならカットしたいですが、だけど僕は作品やイベントのお知らせをしないと食っていけないので、リスナーの皆様にそれなりのストレスを与えながら、「面倒くせえな」と思われながら、宣言の時間を設けています。
 
テレビのCMにしたってそうですよね。
番組の視聴者には「邪魔者」として扱われてしまう。
 
だけど、この痛みを背負わないと商品・サービスが届けられないから、そこそこ煙たがられながらも、宣伝を続けているわけです。
 
自分の職場(仕事)に対して、そういった痛みを背負う覚悟が無いのであれば、とっとと辞めた方がいいし、転職先でも「そういう痛みは背負いたく無いっす」というスタンスでいたら、結局は同じこと。
 
 

「価値創造の為の痛み」から逃げるスタッフはチームに要らない

 
思い出すのは、日本に「クラウドファンディング」という選択肢を作ろうと奔走した日々のこと。
 
今から12年前ですかね?
 
当時は、もうビックリするぐらい散々で、「クラウドファンディングという方法があるよ」と言えば、とにかく詐欺師扱いされたんです。
 
「怪しい」「金の亡者だ」といった感じで。
 
今と違って当時は、自分がやっているクラウドファンディングのプロジェクトをオンラインで宣伝したところで、誰も見てくれなくて(※「クラウドファンディング」という言葉を知らないから検索しようもなかった)…その結果、どうしたかというと、路上(屋外)で宣伝したんです。
 
「今、クラウドファンディングに挑戦中で…」と道ゆく人に声をかけていたんです。
 
その時は散々な目に遭ったのですが…あれは忘れもしない「原宿駅前」です。
 
当時、僕の後輩のホームレス小谷という男がクラウドファンディングに挑戦していて、僕と、連続起業家の家入一真さんと二人で、そのクラウドファンディングのプロジェクトを応援していました。
 
プロジェクトの内容よりも先に、とにもかくにも「クラウドファンディング」という選択肢を持ってもらわないことには始まらないので、道ゆく人に声をかけて、「クラウドファンディング」の説明をしたところ、「怪しい!」「自分で稼げ!」と罵倒され、ついには、顔に唾を吐かれたんです。 
 
何かの比喩じゃなくて、本当に「ペッ!」と顔に唾を吐かれたんです。
 
あの夜、メチャクチャ悔しくて、唾を吐かれた当人であるホームレス小谷は笑ってましたけど、僕と家入さんは「悔しいな。なんでだよ。絶対に皆の選択肢になるのに、なんでだよ!」と叫んでいました。
 
自分が所属しているコミュニティー外の人達に、何かを広めようと思ったり、何かを売ろうと思ったり、あるいは、集客をしようと思ったら、こういった痛みは必ず発生するんですね。
 
ここは避けて通れない。
 
そして、この痛みから逃げた人から順に、いなくなっていく。
 
というのも、仕事の本質は「スタッフによる価値創造」であって、くれぐれも、「スタッフの介護」じゃないので。
 
手厳しいことを言うと、「価値創造の為の痛みから逃げてしまうスタッフ」って、チームには要らないんです。
 
このラジオのリスナーさんには、ビジネスマンがたくさんいると思います。
 
今日の話は全ての仕事に通ずる話で、ザックリとまとめると「宣伝というものは、痛みを伴うものであり、痛みを伴わない宣伝は宣伝とは呼ばないよ」といったところでございます。
 
 
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