【情報は僕らが思っている以上に分断されている】byキンコン西野

このnoteは2021年2月10日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:いつも頑張る理由をくれる海道ロバートを全力で応援するしがない女 あなたの頑張りが 歌声が いつかたくさんの人に届きますように かほ さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。


本題に入る前にお知らせをさせてください。

「毎度お馴染み」になりますが、僕は「キンコン西野と一緒に『映画 えんとつ町のプペル』を観る」という企画を懲りずにやっておりまして、本日もやります。

本日(2月10日)は、TOHOシネマズ六本木ヒルズで17時55分の回に参加します。
リクライニングシートの争奪戦に負けたので、普通席で普通に観ます。

感染症対策で、握手をしたり、サインをしたり、写真を撮ったり、お手紙を受け取ったり、お喋りしたりすることはできませんが、すれ違ったり、目があったりしたら、全力で会釈させていただきますので、本日の夕方、お時間ある方は是非、TOHOシネマズ六本木ヒルズにお越しください。

(※コチラ↓)

そしてお知らせの二つ目です。

NONSTYLE石田君と同期水入らずで喋るオンラインイベント『ノンスタ石田×キンコン西野 呑みながら語るエンタメの未来』が2月12日に開催されます。

アーカイブの方が2月14日まで残りますので、リアルタイムで参加できなくても、お楽しみいただけます。

こちらのイベントは、2月2日〜本日(2月10日)までの『映画 えんとつ町のプペル』のチケットの半券が参加券となりますので、この期間に映画をご覧になられた方はチケットの半券を捨てずに持っておいてください。

参加方法など、詳しくは『映画 えんとつ町のプペル』の公式ホームページでご確認ください。

(※こちら↓)


そんなこんなで本題です。

今日は、「僕らが思っている以上に情報は分断されている」という話をしたいと思います。

タイトルで結論を言っちゃっているのですが、本当に、僕らが思っている以上に『情報』というものは分断されているので、ここを見誤っちゃダメだなぁと思っています。

たとえば、『映画 えんとつ町のプペル』。

リサーチチームが映画公開1週間前ぐらいにおこなった認知度調査によると「知っている」と答えた方は(たしか)20%ぐらいだったんです。

「興味がある人」じゃないですよ。
「知っている人」です。

つまり、映画公開の段階で80%近い人が、知らなかったんです。

そこそこ愕然としたのですが、言われてみると、まぁ、たしかに、「僕が読んだことのない小説の映画が来週公開される」となった時に、僕がそのことを知っているか?といえば、知らないんですね。
たしかに、普通に生活していたら、他所の作品の情報は入ってこない。

で、「作品」がその感じになるのは、なんとなく分かるのですが……たとえば、「Clubhouse」あるじゃないですか?

今、皆、やってますよね?
やってなくても、情報としては入ってくるじゃないですか?

ところが、LINE株式会社が保有する約538万人の国内最大級のリサーチプラットフォームで調査をしたところ、2月6日の時点で「Clubhouseを知っている」と答えた方は【48%】。その前の週の1月30日だと【17%】だったんです。

連日、テレビでも紹介され倒していたので、「ものの1週間で急激に認知度が伸びた」という見方もできますが、1月30日の段階で、83%の方が「知らなかった」んです。

ちなみに、「使っている」と答えた方は1%〜2%だそうです。

おそらく、この数字を聞いた皆さんの疑問は、「どう生きれば、clubhouseの存在・情報をかわしてこれるんだろう?」だと思うのですが、これがリアルなんですね。

これ、恐ろしいのが、そもそも「LINEが自社のプラットフォームでリサーチしたデータ」です。つまり、「LINEユーザー」を対象にして、この結果なんです。LINEユーザー以外を入れると、もっと認知度は下がります。

おそらく、この記事を読まれている皆さんのまわりの「Clubhouse」の認知度は、1月末の段階では、ほぼ100%だったと思うのですが、皆さんは「メチャクチャ少数派だった」という話です。

極端な話、「Clubhouseを知っているなんて異常」なんです。
「なんで、そんなものを知っているの?」「どこで知ったの?」というのが世間です。

何を仕掛けるにしても、ここの感覚というのは持っておかなくちゃいけないなぁと思います。

やっぱり、スマホに入っている情報って「自分に最適化されている」から、メチャクチャ分断されているんですね。

「クラウドファンディングは詐欺だ」と思って発信している人のスマホには、「クラウドファンディングは詐欺だ!」と思っている人が集まっているから、それがその人の中では「世論」になっちゃっている。

逆もまた然りです。

「情報が思っている以上に分断されている」ということを痛感したのは、何年か前の香川の講演会なんですけども…

いろんな方が僕の講演会を開催してくださるのですが、僕はよく「大きい会場でやらないでください」とお願いするんです。

大きい会場にした瞬間に「集客すること」がメインになってしまって、主催者さんに負担をかけてしまうから。

で、こんなことセコイことは言いたくないのですが、集客できなかったら、誰が叩かれるかって、主催者さんじゃなくて、僕が叩かれるんです。

「西野が人気ない」と言われるし、「西野が主催者さんに負担をかけている」と言われるんです(苦笑)。

なので、くれぐれも「大きな会場は選ばないでください」とお願いしているのですが……やっぱり、自分が主催者になると、勇者モードに入っちゃって、「一発花火をあげてやるぞ〜!」と思っちゃうみたいで、挑戦しちゃうみたいなんです。

僕は、自分で責任がとりきれない挑戦を「挑戦」とは呼ばないのですが、それを「挑戦」と捉えちゃう人は実際にいます。

で、香川の講演会もその感じで、主催者さんが1000人キャパの会場を押さえちゃったんですね。

正直、「あ〜あ」と思いました。
でも、主催者さんは「やります!」と言うんです。

そして、講演会の日程が近づいてきて、ツイッターで検索しても、誰も香川の講演会のことなんて呟いていないんです。

ぶっちゃけ、「地獄絵図」を想像しましたよ。「だから言ったじゃん」とも思いました。

そんな調子のまま講演会当日を迎えて、重い気持ちで会場入りすると…………客席は満席で、すんごい熱狂なんです。

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思わず「どうやってお客さんを集めたんですか?」と聞いちゃったんですが、そこで返ってきた答えは……

「ポスターです」

地元のいくつかのお店にポスターを貼ってもらったんですって。

衝撃でした。

白状しますが、僕はポスターの広告力を侮っていました。
自分自身、ポスターから情報を仕入れないので。

ですが、「ポスターから情報を仕入れる人」もいて、香川の講演会会場が証明しましたが、その人達は決して少なくないんです。

これって、僕の負けじゃないですか。
(※主催者さんごめんなさい!!)

その当時の僕が香川で何か大きなイベントをしようとした時に、たぶん、ネットでバズらせにいっていたと思うのですが……そんなことよりも、近所のお店をまわって「ポスターを貼ってください」とお願いした方が広告効果がある。

ここを見誤っちゃダメだなぁと痛感した出来事でした。

情報は僕らが思っている以上に分断されていて、僕らの常識は全然常識じゃないので、モノづくりをされている方は勿論、サービス提供者さんは全員このことを把握しておいた方がいいと思います。

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