ホームゲームに持ち込むのって大事だよね byキンコン西野

このnoteは2021年2月5日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:えんとつ町のプペルの星空上映会をやるのが夢のくりまゆ@兵庫県芦屋ジェネリスト さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

本題に入る前にお知らせをさせてください。

まず一つ目は……正確な日程は決まっていないので「もうすぐ」という言い方をさせていただきますが、〝もうすぐ〟僕の新作絵本『みにくいマルコ ~えんとつ町に咲いた花~』が出ます。

昨日も一日、こちらの絵本の制作にあたっていたのですが、進行状況を申し上げますと、最終調整の2つ手前ぐらいの段階です。

もともとは、2020年12月に発売する予定で、予約サイトでも随分前から予約してくださっていた方もいらっしゃったのですが、コロナで制作が大幅にズレこんでしまいまして、なんじゃかんじゃで今年の春頃に完成しそうです。

遅くなってごめんなさい。

物語は『映画 えんとつ町のプペル』から3年後の世界です。舞台はご存知「えんとつ町」でございます。

『映画 えんとつ町のプペル』のラストシーンで、えんとつ町は時代を大きく変える決断をするのですが、それよって職を失ってしまったモンスターが今回の主人公です。

興味がある方は、サイン本の予約を受け付けておりますので、『キンコン西野のサイン本屋さん』で検索して、予約してください。

ただ、まもなく完成とはいえ、納得がいくまでトコトンやりたいので、発売がチョット遅れても怒らないでね。

そのへんは、甘やかしていただけると助かります。

お知らせの二つ目です。

今、「キンコン西野と一緒に『映画 えんとつ町のプペル』を観る企画」をしているのですが、明日(6日)の15時20分からTOHOシネマズ六本木ヒルズで『映画 えんとつ町のプペル』を観ます。

感染症対策で、サインをしたり、写真を撮ったり、握手をしたり、お手紙を受け取ったり、お喋りをしたりすることはできませんが、全力で会釈させていただきます。

同じ空間で一緒にプペルが観れたら嬉しいです。
お時間ある方は是非、ご参加ください。

そして2月2日〜2月10日までの『映画 えんとつ町のプペル』のチケットの半券が参加券となるオンラインイベント『ノンスタ石田×キンコン西野 呑みながら喋るエンタメの未来』が2月12日に開催されます。
……ので、チケットの半券は捨てずにとっておいてください。

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イベントの参加方法に関しましては『映画 えんとつ町のプペル』の公式ホームページでご確認ください。

そんなこんなで本題です。

今日は「『ホームゲームに持ち込む』って大事だよね」というすごく当たり前の話をしたいと思います。

先日、東野幸治さんがYouTubeでやられている『幻ラジオ』に出させていただいて、そこでプペルのこととか、吉本のこととか、あとはお互いの肛門事情について意見交換をさせていただいたのですが、その流れで、リスナーの方の質問メールに答える一幕があったんですね。

結構、今の僕にピンポイントな内容ではあったのですが、「会社を辞めて、一発勝負に出るか否か?…迷っています」みたいな内容です。

で、さすが東野さんは「挑戦なんて、するな」というご意見でしたww
「夢なんて見るな」です。

逆プペルです。

その上で、「西野さんのご意見は?」と求められたのですが……実は、僕も半分は東野さんの意見に賛成なんです。

これを話すと、「面白味のないヤツ」と思われるかもしれませんが、やっぱり、勝負は「負けない」というのが大事なんですね。
死んじゃったら、そこで終わるので。

これは「兵法書」の1ページ目に書いてあるような基本的な話で、戦と向き合う際、最初に目指すべきはゴールは「戦わない」です。

「戦わずに話を前に進めるのは、どうすればいいか?」を考えることが大事。

……とはいえ、戦わなきゃいけない場面というのがやってくる。

その時に絶対に抑えておかないといけないのは「負け戦をしない」ということですね。

事前に条件を整えて、整えて、「これなら負けないよね」という環境を作ってから、戦いに出る。

なので、人様が面白がるような「一か八かの勝負」「見栄えのする戦い」なんて絶対にNGなんです。

たとえば会社員の方で、「昔から夢だったイラストレーターになりたい」という方から相談されたら、僕は絶対に、「一発勝負に出たい気持ちは分かるけど、どうせイラストレーターで食っていけるようになるまでバイトをしなくちゃいけなくなるので、月〜金で会社で働いて、土日にひたすら絵を描いた方がいいと思います」という無難すぎるアドバイスをするんです。

これ、時々、オンラインサロンの中でも、「『無難な決断=面白くない』とするのは辞めよう」と言っているのですが、やっぱり「負けない」というのは超大事。

そのことと、「大きな夢を持たない」というのは全く別の話で、大きな夢を持つことは大賛成です。

ならば、なおのこと、「それを実現させる為には?」という議論ですね。

吉本を辞めた僕が言っても説得力がないですか?

ちなみに「露出すること」を活動のメインにおいていたら、僕は吉本は辞めていません。

やっぱ、そこに関しては最高に良い会社なので。

僕が「このまま戦場に出ちゃうと負けちゃうなぁ」と思ったのは、担当マネージャーがコロコロ変わってしまうところで、メディアの露出量よりも、そこの条件を整理する方が優先度が高かったんです。

とかく、「負け戦をしない」「一か八かの派手な戦いはしない」というのが非常に重要です。

で、これは東野さんのラジオでも話になったのですが……たとえば僕はテレビに出る時も、このスタンスなんですね。

企画内容を知らされず、こちらの気持ちやら肛門やらを無視して進められてしまうのは『ゴッドタン』ぐらいで、あとは「爪痕を残してやる」という感じで出演することはありません。

事前に時間をとって、「これはできません。これはできます」という話し合いを結構させていただくんです。

これって業界的には「面倒くさいタレント」に分類されるんです。

だって、デジレクターさんがやりたいことのいくつかをお断りして、逆に、「それをやるのであれば、こういうのはどうですか?」と話を持ちかけるんだもん。

そりゃ、面倒くさいタレントですよww

デイレクター側に立って考えてみたら、どう考えたって「言われたことを全力でやりきります!」というタレントさんの方が有難い。


でも、それって、「テレビのホームゲームに乗り込んでいっている」という状態なので、いつか綻びが出る。

それならば、キチンと事前に条件をつめて、「そこで折り合いがつかなければ試合に出ない」という方が大事なのかなぁと思います。

抑えておかなくちゃいけないのは、「ホームゲームに挑む姿勢は、ホームゲームの相手に歓迎・称賛される」ということです。

テレビを作る側からすると、排水の陣で「爪痕を残しにきました」といってくれるタレントを「良いタレント」として、そういったタレントを増やしたい。

大切なのは、ここの攻防です。

事前交渉をしようとすると「面倒くさいヤツ」として扱われちゃうし、特に日本人は、そこを「野暮」みたいに捉えてしまいがちですが、試合は試合前から始まっていて、「いかに自分に有利な条件で試合にのぞむか?」というところを、重く見た方がいいと思います。



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