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舞台公演の中止を受けて、本音を語りますbyキンコン西野

このnoteは2020年4月4日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:渡辺 久恵 さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日はですね、
「舞台公演の中止を受けて、本音を語ります」
というテーマでお話したいと思います。

本当は…

連日、新型コロナウイルスのニュースばかりになっておりますが、今、周りの人たちを見ると、大きく2種類に分かれているなあと思います。

一つが、コロナが過ぎ去るのをじっと耐える人。

二つ目が、コロナの二の矢、三の矢が飛んでくることを想定して、自身の生き方を再設計している人。

このラジオでも言っておりますが、もちろん後者のほうが生き残り戦略としては正しくて、こういったアクションを「進化」って言うんだろうな、っていうことを思っております。

今回のことを踏まえた上で、今後どうやってたち振る舞ったらいいのかとか、そういったことを考えるのは非常に重要です。

そんな中、今日は、皆さんにお伝えしたいことがあります。

すでにニュースでお聞きになっている方もいらっしゃると思いますが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、舞台『たけしの挑戦状 ビヨンド』が公演中止となりました。

チケットをご購入くださって、時間を作ってくださった方も本当にたくさんいたので、今の僕の率直な気持ちを、飾らず自分の口でお伝えしたいと思います。

中止が決定したのは、2、3日前のことでした。ちょっと前のことだったんですよ。

僕が舵を取ってやっている舞台ではなく、僕は役者として呼ばれている立場なので、上の方が各種調整されたみたいで、まずは、ご報告が遅れてしまったことをお詫び申し上げます。

そして何より、舞台を楽しみにしてくださっていた方に深くお詫び申し上げます。ごめんなさい。

で、中止の報を聞いた時の、僕の率直な感想なんですけれども、

今回ばっかりは、残念という気持ちよりも、ホッとしたっていう気持ちの方がちょっと勝っちゃってて。

やっぱり、僕は僕のイベントに来てくださる方々や、僕のことを応援してくださる方々の中から、被害者は生みたくないし、その人が次に加害者になってしまうなんて、もう絶対に嫌なんですね。

それが回避できたことは、僕にとっては、エンタメを届けることよりもはるかに嬉しいことで、同時にその決断をしてくださった主催者さんに深く感謝しています。

やっぱりエンタメは、安全や健康の上にあるべきで、ここで立ち止まるっていうのは、現時点で、最も賢明な判断だと思います。

で、チケットの払い戻しにつきましては、公式サイトの方でご確認ください。

くれぐれも公式サイトの方で。

なんか小劇場とかに連絡するとご迷惑がかかってしまうので、公式サイトに全部書いてありますので、そちらをご確認下さい。お手数をおかけいたします。

今回、公演までたどり着きませんでしたが、僕個人的には、本当に大きな大きな収穫がありました。

まずは、共演者さん及びスタッフさんのファンになれたこと。

これは本当に大きくて、月並みですが、やっぱ好きな人がたくさんいる世界っていいですね。

今回、ご一緒させていただいた『ヨーロッパ企画』さんがですね、今度『ドロステのはてで僕ら』っていう映画を発表されるんですね。

ぼくは少しフライングで鑑賞させてもらったんですけども、これがもう本当にもうめちゃくちゃ面白いんです。

これ、今回ご一緒させていただかなかったら、もしかしたらこの作品にたどり着いてなかったかもしれないじゃないですか。

もっと言うと、その次のヨーロッパ企画さんの作品もその次の次の作品もね。

そう考えると、今回の出会いは、僕の毎日の楽しみを増やしてくれたわけで、これは大きな大きな収穫だったなぁと思っております。

次に、こんなことは当たり前中の当たり前なはずですが、

やっぱり、稽古で自分の未熟さを知れたのも良かったですね。

今回、プロの役者さんの中で僕1人だけ、なんか職業不明の声だけはデカいアラフォーが混じっていたんですけれども、

やっぱりね、プロの役者さんってすごいんですよ。

アホみたいな感想で申し訳ないですけど。

でもプロの役者さんってすごいんですよ。決められたセリフを言うんです。

いや劇なんですからまあ当たり前っちゃ当たり前なんですけど、なんだろう、

僕みたいな半端者は、自分の得意技に持ち込もうとしちゃうんですけど、自分の得意な言い回しだとか、ワードだとかを、放り込んじゃいがちなんですけども、役者さんって、作演出家の土俵で堂々と戦うんですね。

なんかそれがもう、めちゃくちゃ色っぽくて、潔くて、面白くて。

稽古中、ずっと恋してました。

僕は文化祭が好きで、チームっていうものが好きで。

稽古期間は、そういった、自分の「好き」の原液のようなものを、ずっと飲ませていただいたなぁっていう思い出がありますね。

で、これを皆さまにお届けできない事だけが、心残りではあるんですけれども、火は消えてなくて。

中止が決まったその日に、脚本・演出の上田誠さんをはじめ、出演者全員で LINE グループを組みまして、もうすでに「次、何する?」っていう話で盛り上がっております。

いまさら言うまでもないですが、世界中が今、窮地に立たされています。

エンタメ業界、特に、ライブシーンも同じですね。

どうすれば生き残れるのかとか、どうすればエンタメを届け続けることができるのかっていう、皆その答えを探していて、まだ見つかっていないんですね。

ただやっぱり表現者っていうのは、お客さんがつらいことや悲しい目にあった時の「駆け込み寺」であるべきで、挑戦することを選んだ人の「エール」であるべきで、「コイツは何を一生懸命やってんだ」って笑っちゃうような息抜きであるべきだと思っていて。

月並みですが、エンタメっていうのは、こんな時こそ必要なのかなぁと思っております。

舞台『たけしの挑戦状 ビヨンド』は、公演こそ叶いませんでしたが、

そもそもですね、伝説のクソゲーを舞台化しようって言い出すようなトチ狂った人たちですよ。

どうもこのまま大人しく引き下がるとは思えなくて、たぶん何か仕掛けてくると思うんですね。

で、もう一度何か仕掛けてきたら僕は、協力させていただきますしね。

なんか「西野くん手伝って」って来られたら、もう「ハイハイ」って僕は全力でお手伝いさせていただこうと思っております。

一応、舞台中止の報告なので、なんだか湿っぽい感じになっちゃってるんですけども、

くれぐれも言っておくと、僕自身の活動が縮小しているかというと、そんなことはなくて、むしろ今もう加速しています。

今は、「家で楽しめるエンタメは何なんだ」っていうところにスポットを当てて、そのエンタメ作りに結構大忙しですね。

朝から晩までそれをやっています。

昨日もオンラインサロンの方に、エンタメに関する新しい仕掛けをを提案してみました。

これからも、エンターテイメントに命を捧げていくので、引き続き応援をよろしくお願いします。

あと、皆様、「手洗いうがい」を忘れないで、どうかご無事で。

というわけで、
「舞台公演の中止を受けて、本音を語ります」
というテーマでお話させていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。んでもって、ビジネス書に掲載するレベルのコラムを毎朝投稿しています。興味がある方はコチラ↓


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