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【なるほど】他人の力を使って夢を叶える方法 by キンコン西野

このnoteは2019年11月26日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:岡本 純一さん

おはようございます。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

思いつかせる

さて、今朝はですね、
「他人の力を使って夢を叶える方法」
というテーマでお話したいんですけど、

僕はけっこうこの小ワザを多用していて、
きのうのオンラインサロンの記事とかは、
「それ使ってきたな〜」って感じのことを書いたので、
ぜひのぞいていただいたいんですけど、

誰しもですね、
夢を抱いたら叶えたいと思うんですね。

有名な言葉があって
「早く行きたいならひとりで行け。遠くに行きたければみんなで行け」。
アフリカかどっかの移動生活している方の言葉だと思うんですけど。

けっこう名言。いい言葉ですよね。
僕なんかはこれを座右の銘にしているくらい大事にしているんですけど。

叶えたい夢っていうのは、基本的に遠くにあると思うんですよ。
なので、この言葉に習うならば、みんなで行ったほうがいいと。

そりゃそうなんですよね。
たとえば、僕が新作絵本を作って、それをやりながらオンラインサロンメンバーの入退会の作業をするんだったら、そこはやっぱり役割分担をして、新作絵本を僕がつくって、別のスタッフさんがオンラインサロンメンバーの入退会の作業をする。

そうすれば、僕は新作絵本を今よりも早いペースで出していける。
そうするとチーム的には大きくなりますよね。

やっぱり、役割分担というか、分業ですね、
非常に重要だと。
みんなで行くってことが非常に重要。
言い換えるとですね、
いかに他人の力を借りるか
って話になってくると思うんですね。

どうすれば自分の夢に他の人が力を貸してくれるようになるのか?

10年前くらいに、
イラストレーターの中村佑介さんから聞いた話なんですけど、
「他人に思いつかせる」
ということが非常に重要で。

これ、何かと言うとですね、
自分で企画するのではなく、他人に企画させる
ということなんです。

中村佑介さんの例をあげると、
デビュー間もなくから彼の夢は
CDのジャケットを描くイラストレーターになりたい
って夢があったんですって。

彼自身が音楽やられているし、音楽が好きだし。
CDのジャケットの依頼が舞い込んでくるようなイラストレーターさんになりたいなって想いがすごくあったんですって。

結果、いまもう、
アジカンさんのCDジャケットといえば中村佑介、みたいな感じになってますよね。

じゃあ、そこにたどり着くまでにどうやったか?
って話なんですけど、

考えてみりゃそりゃそうだよな
って話なんですけど、

まずやったのは、
自分が描くイラストをすべて正方形にしたんですって。
ほぼほぼCDの形にした、と。
で、その絵をずーっと出し続けた。

これ何かって言うとですね、
CDを制作する人たちがいて、その人たちが会議をするじゃないですか。
「CDのジャケットどうする?」って。

いろいろ選択肢がある中、
パッと目に入ってきた中村佑介さんのイラストが正方形である、と。

ここでつながるわけですね。

「CDのジャケット、彼に依頼したらいいんじゃないの?」って。

CDを作りたい人が抱えている問題と、
中村佑介さんがはかりまくって出している正方形のイラストが、
バッチリつながるわけですね。

つまり、「思いつかせる」
中村佑介さんが思いつかせた。
「中村佑介でいこうよ」って答えに誘導した。

「CDジャケットにしたらいいんじゃないの?」
って考える人ってCD制作に近い場所にいる人だと思うんですね。往往にして。

そうするとさ、CD制作にコネもツテもない自分が企画するより、
その人が企画したほうが再現度が高いわけじゃん。

これを僕はいろんなところで横展開というか、引用していて。

『えんとつ町のプペル』もゴールは映画なんですよ。
「映画をつくるぞ」ってところから逆算して絵本をつくったんですね。

そうすると、
「この絵本、映画にしようよ」
って思いつかせることが非常に重要なんです。

なので、絵本のカット割りだとか、映画っぽくしてるんですよ。
しかも、「どうやらこの絵本ってぜんぶ描いていくと、もうちょっと長いストーリーになりそうだな」
ってふくみを持たして
「『えんとつ町のプペル』って映画にしたほうがいいんじゃないの?」
って思いつかせるようにデザインしたんですね。

そうするとやっぱり、
映画化の話がすぐに舞い込んできた。

そこを意識すると、
絵本の作り方ひとつとっても作り方変わってくるんです。

たとえば、『はらぺこあおむし』を映画にしよって思わないじゃないですか。
やっぱり映画にしたいと思う要素がないってこと。
あれはあれで、絵本で完結していて、すばらしい絵本ではあるんだけどね。
けど、映画にしたいと思う要素はない。

『えんとつ町のプペル』には、映画にしたいと思わせる要素をいれてある。
だから、映画化の話がくる。
まとめると、
思いつかせることで他人の力を借りる。

今日のテーマである
「他人の力を使って夢を叶える方法」
というのはですね、

結論、
「思いつかせるようにデザインする」
っていうことですね。

その業界に携わっている人が
「中村佑介のイラスト、ジャケットにしたらいいんじゃないの?」
って言わせる流れをつくったりだとか、

「キンコン西野の絵本、映画にしようよ」
って流れをつくったりだとか、

それを、運みたいなものでやるのではなくて、
クリエイターがハナから設計しておく。

ここが重要だと思います。

というわけで、今朝はですね、
「他人の力を使って夢を叶える方法」
というお話でした。

わたくしは明日、富良野に行って参ります。
雪降ってんのかな?
非常に楽しみです。

それではまた。

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