強いチームに必要な「上司」の仕事とは? by キンコン西野
このnoteは2020年8月16日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:埼玉県志木市議会議員よぎだいすけさん
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
今日は、
「強いチームに必要な『上司』の仕事とは?」
というテーマでお話したいと思います。
僕が死んだ後のエンターテイメント
昨日、『スナック西野』の初回放送がありました。
『スナック西野』とは、YouTubeのメンバーシップ、有料チャンネルですね。
実は、初回ゲストの箕輪厚介さんとの話が盛り上がりすぎてしまい、1時間での収録予定のところを、なんじゃかんじゃで、2時間回してしまったので、またどこかのタイミングで続きを配信できればいいかなーと思っております。
とりあえず、初回は箕輪厚介さんでした。
次回のゲストは蜷川実花さんです。
何がどうやって、蜷川実花という人間が生まれたのか、
そして、彼女がこれからどこに向かうのかという話を聞いてみたいと思います。
プライベートでも仲がいいので、また大分、砕けた話になると思います。
よろしくお願いします。
そんなこんなで今日は、昨日配信された『スナック西野』の中で、箕輪さんの方から質問されて、ほぼ聞き流してしまった内容について、少し掘り下げてお話ししたいと思います。
これは、うちのサロンメンバーさんは知っている内容なので、もしサロンメンバーさんがいらっしゃったら、復習だと思って聞いてください。
昨日の箕輪さんに限らず、最近よく頂くのが、「西野さんは次どこを目指してるの?」とか、「西野さんは今何に興味があるの?」といった質問ですね。
これに関しては明確に答えがありまして。
僕は、基本酔っ払いではあるのですが、結構頑張り屋さんで、そして諦めの悪い男なので、出来ないことがあったとしても、出来るようになるまでやるんですね。
なので、ある程度の事は根性で何とかなるのですが。再現できるのですが。
僕が死んじゃった後のことって、僕のコントロールが効かないじゃないですか。
持ち前の根性を発動できない。
こういった手に負えない仕事には、ちょっと興味があってですね。
当然、今のチームスタッフや、今のチームを面白がってくださっているファンの方を含めた全ての人の中で、キングコング西野が一番最後まで生き残るなんてこと、ありえないわけです。
今やっている挑戦が上手くいけばいくほど、いつか僕は、多くのスタッフや、多くのファンの方を残して、居なくなってしまうんですね。
その瞬間に、これまでみんなで作り上げてきたエンターテイメントが止まってしまうのだけは、絶対に嫌なんですね。
なので、今僕が興味を持っていることは、僕が死んだ後のことです。
僕が死んだ後もエンターテイメントが止まらないように、すでに今のうちから準備を始めています。僕はもう300年続けると言っているのですが、このエンターテイメントがずーっと続いていくエンターテイメントに必要なものは、
具体的に2つで、人とお金です。
作り続けてくれる人がいないと止まってしまうし、作り続けられるだけの予算がないと止まってしまいます。
これは別に、僕のエンターテイメントに限らず、全てのサービス業に言えることですね。
人とお金を生み出し続けなければならないのです。
予算が生まれ続ける仕組みについては、今水面下でずっと進めていて、
ここでは割愛させていただきます。
サロンの方で投稿しておりますので、興味がある方はサロンは覗いてみてください。
今日ここでは、人についてお話ししたいと思います。
今、うちの若手が、ブロードウェイミュージカルを作ったり、VRを開発したり、様々なイベントやエンタメ施設を立ち上げたり、運営したり、あとは、貧しい国の教育とか、雇用の創出をしたりしていますが、当然ですが、やっぱり、実践に出すのが一番成長が早いんですよ。
机の上で設計している時や、仲間うちで議論している時と違って、実践は、理屈が通らない場面が次々とやってくるので、対応力がつくということですね。
試合に出てしまったほうが早いと。とっと試合に出してしまって、シュートを打たせた方がいいのです。
正直、ぶっちゃけ最初は、話にならないんですよ。
そんな、入ってきたばっかりで、何週間、何ヶ月の子に、シュートを打たせたところで、クオリティなんて、話にならないんですよ。
なんだその眠たいシュートは。そんなもんで戦えると思ってんのか。
と思うこともあると思います。
僕がシュートを打てば、百発百中決められる場面でも、それでも、打たせることが必要だなと思っているのです。
やっぱり、打たせないと伸びないから。
だからやっぱり、パスを出さなければいけないんですよ。
ここからが今日の本題なのですが、若手にどんどんチャンスを与える上司って、何か良い上司みたいに扱われるじゃないですか。
なんか好きなようにやれとか言っちゃう感じ、かっこいいっすよねこれね。
ただ、自分が上司になってみて分かったのですが、「好きなようにやれ」
と言う時の上司が、どんな状態であるか?ということが、非常に重要だと思っています。
自分が出来ないくせに、後輩に好きなようにやれと言っているのと、たとえ後輩がシュートを外しても、チームが負けない程度に自分が点を取った上で、好きなようにやれというのとでは、もう全然違っていて。
僕はやっぱり、後者でありたいんですね。
後輩に任せるのもいいですが、お前もお前で、圧倒的に結果を出し続けろよと、問い続けるということですね。
圧倒的な結果を出せるやつがラストパスを出すから、そこに重みが出るわけじゃないですか。そこに責任が発生するわけじゃないですか。
なので今だと、後輩に色々と仕事を任せてはいますが、
僕は僕で、映画『えんとつ町のプペル』で圧倒的な結果を出そうと思っています。
ここで圧倒的に結果を出しさえすれば、後輩が少々シュートを外してもチームは負けないのです。
これをまとめると、4つになります。
まず1つ目が、僕が死んでも終わらないエンタメを作る。
2つ目が、後輩にどんどんシュートを打たせる。
3つ目が、後輩のシュートが外れても、それでも打たせる。
4つ目が、チームが負けないように、自分で点を稼いでおく。
といったところですね。
それで、世の中の「上司」と呼ばれる人を見渡した時に、
3の、後輩のシュートが外れてもそれでも打たせるということと、
4の、チームが負けないように点を稼いでおくということが、出来ない上司が結構多いなーという印象です。
ここをやっていない。
ありがちなのは、後輩に任せたら、新人に任せたらクオリティが落ちるから、もう自分でやるみたいな。
「あんたに任せたら時間がかかるから、もう私やっとくから」みたいなことをやってしまうと。気持ちはすごく分かるんですよね。
後輩に任せてしまうと技術もないので、クオリティも落ちる。技術もないからスピードも遅いと。だからもう自分でやった方が早いんですよ。
だから、「もう私がやっとくから」という気持ちって、言いたくなる気持ちはすごく分かるのですが、チームの延命作業と、その瞬間のクオリティとは、実はトレードオフの関係にあるのです。
延命しようと思うならば、ずーっとこのチームを続けていこうと思うならば、やっぱり、後輩が育つまでのクオリティは、どうしたって落ちてしまうのです。
延命しようと思うなら、後輩に任せなければならないのです。
後輩を育てなければならないので。
後輩が試合であまり結果が出せなかったとしても、後輩を試合に出し続けなければならないので、チームのクオリティは、どうしたって落ちてしまうんですね。
チームのクオリティが落ちても、そのチームが終わらないように、自分が他所で圧倒的に結果を出すということです。
これが「上司」の仕事かなと思っていて、僕が今興味があるのは、こんなところですね。
というわけで今日は、
「強いチームに必要な『上司』の仕事とは?」
というテーマでお話しさせていただきました。
それでは素敵な1日をお過ごしください。
キングコングの西野亮廣でした。
※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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