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宝クジを当てても「お金持ち」にはなれない理由 byキンコン西野

このnoteは2020年9月16日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:すべてのご縁に感謝し今この瞬間を大切に生きたい モリモトヨシアキ さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「宝クジを当てても「お金持ち」にはなれない理由」
というテーマでお話しします。

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近況報告からさせてください。
世界中の子供達に毎月(※都合によっては翌月持ち越し)1冊の絵本が贈られるプロジェクト『こどもギフト』の会員が550名を突破しました。

こうして支え合うが好きすぎます。

本当にありがとうございます。
もう、メチャクソ頑張ります。好きです。


 

そんなこんなで、本題です。


僕はオンラインサロンを運営していて、月額1000円ということと、会員数が7万人ということもあって(誰にでも収益が計算されてしまうので)、「儲かってますね」みたいなことをよく言われます。

 
じゃあ、僕がものすごくリッチな生活を送っているかというと、そんなことはなくて、生活コストは20歳の頃から変わりません。

これは何度も言っているのですが、僕は贅沢の類に興味がなくて、食事とかも1〜2分で終わらせたい男です。

なにより、贅沢しようと思ったら時間がかかるじゃないですか?
あれが、ツライ。

「コース料理」を食べる時間があったら、その時間は、映画『えんとつ町のプペル』のブラッシュアップに使いたいし、被災地のお手伝いに使いたいです。
 

もともとそういった活動をずっとしていたいから働いていわけで、それが僕のやりたいことなので、お金を稼いだ瞬間に、そういった活動から離れるのは僕の中でメチャクチャ矛盾しているんです。

コース料理を食べる為にエンタメをやっているわけじゃなくて、明日もエンタメをやる為にエンタメをやってます。


なので、オンラインサロンのお金は運営費を抜いて、あとはエンタメの投資と、被災地や貧困国の支援にほぼ全額を使わせてもらっています。
 

エンタメ投資や支援によって生まれるネタがあって、それによって毎日記事が書けていたりするので、もう必要経費みたいな感じになっちゃっているのかもしれません。

 
つまり、「高い車を作って売っているので、売り上げはすごいけど、高い部品ばっかりで作っちゃってるから、利益はそんなに無いよ」という状態です。

 
なので、「お金持ちになるコツは?」みたいなことを聞かれるのですが、「べつに僕は〝皆が思うところ〟のお金持ちでもないけどなぁ」というのが僕の本音です。

この「皆が思うところの」というのがとってもとっても重要で……多くの人は「お金持ち」のことを、読んで字の如く、「お金を持っている人」だと思っているじゃないですか?

 


「銀行の口座の残高が、ものすごいことになっている人」のことだと思っている。


僕は友達に「お金持ち」と呼ばれる人が結構いるんですが、「お金持ち」って、そういうことじゃないです。

 
結論を先に言っちゃうと「お金持ち」というのは、「お金を持っている人」ではなくて、「動かせるお金が大きい人」です。


ただ、これだけ言われても、あまりピンとこないと思うので、これから深掘りします。

オンラインサロンの中身のことなので、あまり詳しくは言えないのですが、「アル」という漫画サービスを提供している株式会社アル代表の「けんすうサン」が、「アル開発室」というオンラインサロンをやられていて、僕も入らせてもらっているのですが、そこで(毎週月曜日だったっけな?)「サロンメンバーさんの質問に全て答える」という日があるんです。

【アル開発室】

サロンメンバーさんは2000人ぐらいいるので、もう、変態的な量なのですが、けんすうサンが本当に全部の質問に答えているんです。

変態なんです、あの人(笑)

そこで先日、「死ぬほど頑張って年収1000万円の人と、年収1億円の人の違いは何ですか?」という質問があって、それに対して、けんすうさんが「10万円を使って100万円を稼ぐ人か、100万円を使って1000万円を稼ぐ人か……だと思います」と答えられていて、僕も、これが答えだと思います。

 


お金を作る時って、何か「元手」となるものがあるじゃないですか。

まだ何も持っていない人の元手となるものは「時間」だし、
少しお金を持った人は設備投資をして、その「設備」を元手にお金を作る。


話を分かりやすくする為に、メチャクチャ雑なルールを設けます。
「働いていただくお金は、かけた元手の10倍になる」
というルールにしましょう。

今月は「1万円を元手に、せっせと働いたら、10万円になりました」という経験をしたとするじゃないですか?

10倍になったからラッキーですよね?

その時、お金持ちじゃない人って、翌月も1万円を元手に10万円を作っちゃうんです。

でも、お金持ちになる人は、翌月に10万円を使って、100万円を作っちゃう。

 
お金持ちじゃない人は、その翌月も1万円を元手に10万円を作っちゃいますが、お金持ちになる人は、その翌月に100万円を使って、1000万円を作っちゃう。


すると、3ヶ月後の銀行の残高は、お金持ちじゃない人は約30万円だし、お金持ちの人の残高は約1000万円です。

こうなると、お金持ちの人からすると、30万円のお金を作るのって簡単なんです。

 
翌月の投資を970万円にすればいいだけなので。
お金持ちじゃない人が3ヶ月かかって作ったお金を1秒で作れちゃう。

ちょっと乱暴な解説ではありますが、これが「お金持ち」と「お金持ちじゃない人」の違いです。

動かせるお金が大きくなればなるほど、言ってしまったら「稼ぎやすくなる」という話です。


ただ、世の中はそんなに甘くありません。
「1万円を使って10万円を作った」という経験をしたら、当然、「1万円を使って10万円を作るノウハウ」は身体に染み込むわけじゃないですか。


しかし、それはあくまで、「1万円を使って10万円を作るノウハウ」であって、「10万円を使って100万円を作るノウハウ」ではないんですね。

10万円を上手く使うには、10万円を使う勉強をしなきゃいけない。

もちろん、100万円を上手く使うには、新たに100万円を使う勉強をしなきゃいけない。

1000万円を上手く使うには、新たに1000万円を使う勉強をしなきゃいけない。

違いはここです。

「ずっと勉強をせずにお金を稼ぐ人」と「ずっと勉強し続けてお金を稼ぐ人」です。

「1万円を使って10万円を作るノウハウ」におんぶに抱っこで、その額以上のお金の使い方を勉強しなかった人に、1000万円を渡しても無駄です。下手な使い方をして、すぐに溶かしちゃうんで。

 
だから、1億円の使い方を知らない人が、宝クジで1億円を当てても意味ないんです。

小学生がフェラーリを乗るようなもので、ビビってトロトロ運転になってフェラーリの機能は何一つ使いこなせないし、勇気を振り絞ってアクセルを踏んだら、事故って廃車です。


当然、車の乗り方は、乗らないと分からないように、お金の使い方も使わないと分かりません。

だから、コツコツと貯金の額を増やすことに終始する人には、一生お金持ちにはなれない。
「貯金」は、お金の使い方の勉強を放棄する行為なので。

本当は、こういうことを学校で子供達に教えてあげるべきだと思うのですが、なかなか教えないですよね。

映画が落ち着いたら、学校でもやろうかなぁと思っているので、「西野さん、一緒に学校を作りましょうよ」というサロンメンバーサンがいたら、気軽にお声がけください。


今日は【宝クジを当てても「お金持ち」にはなれない理由】について、お話しさせていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
んでもって、ビジネス書に掲載するレベルのコラムを毎朝投稿しています。
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