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アンチの居場所がジワジワと削られている byキンコン西野

このnoteは2020年8月21日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:世田谷の体操教室から日本を元気にする27歳の男 おおしろのぞむ さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「アンチの居場所がジワジワと削られている」
というテーマでお話しします。

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キングコング西野とアンチの戦いの歴史は古く、遡ると、僕が「ひな壇に出ない」と宣言した時に、アンチ西野と呼ばれる方々が「ひな壇に出ろよ」と批判して、「え、見たいの?」となった事故があったりします。

西野が画面から消えたら、アンチ西野からすると、絶対に都合が良いハズなのですが、「西野のやることを批判する」というアンチルールに従ってアンチ活動をしてしまうと、「ひな段に出ろよ」となってします。

なかなか奥ゆかしい事故ですよね。

表現活動されている方の中には、「アンチ」が迷惑な存在になっている人と、「アンチ」を養分にしている人が絶対的にいると思うんですね。

僕なんかは分かりやすく後者で、特に「アンチ」の存在に一番救われたのが、絵本『えんとつ町のプペル』を発売した時です。


あの時、分業性で絵本を作ったことがアンチから攻撃され、クラウドファンディングというシステムを使ったことがアンチから攻撃され、無料公開したことがアンチから攻撃されたんです。

「分業性ということは西野は何もしていない!」とか、
「クラウドファンディングで他人の金を使って作品を作るなんて最低だ!」とか、
「無料公開なんてしたら、クリエイターが食いっぱぐれるだろ!」
といったツイートが山ほど出回って、それに関連する記事や動画がたくさんアップされて、しかし、その都度、『えんとつ町のプペル』の絵がシェアされていくんですね。

で、ネガティブニュースを見た人の中の何割かが、「え? この絵本、超いいじゃん」となって、買ってくださった。

で、ここが真理だと思うのですが、結局、買ってくださった方の数しか残らないわけじゃないですか?

10人中2人が買ってくださったら、「2」という数字だけが世の中にカウントされて、買わなかった「8」という数字はカウントされない。

「『えんとつ町のプペル』を買わなかった人の数」なんて誰も数えてないんです。

そんな数字は世界に存在していない。

そう考えると、特に「絵」の場合は作品に確かな力があるのならば、ネガティブキャンペーンであろうと、広まった方がいい。


以前、面白いことがありました。
僕の過去作が急に売れたんです。
ある日、突然、アマゾンランキングの上位を占めた。

宣伝したわけじゃない。
テレビで取り上げられたわけでもない。
でも、急に、僕の過去作が売れ始めたんです。

「この原因は何何だろう?」と原因を探ったところですね、「たぶん、これだろうな」というのが出てきました。

なんと、「NAVERまとめ」で、「キンコン西野の絵は「パクリ」みたいな感じで、懇切丁寧に僕の過去作の画像を貼り付けた「まとめ記事」が上がっていたんです。

僕の昔の絵はボールペン一本で描いているのですが、「西野のパクリ元」とされている絵が、ボールペンで描かれたミヒャエルエンデの「モモ」の表紙だったり、ピーテル・ブリューゲルの作品だったり。

そこと比べて、「酷似している!」「パクリだ!」と。
それを言い出したら、もう「ボールペン画」なんて存在できなくなる(笑)


センターマイクを挟んで漫才をしている若手芸人に対して、「フットボールアワーのパクリだ!フットボールアワーもセンターマイクを挟んで喋っていたぞ!」と言っているようなもので、それは「フットボールアワーのパクリ」じゃなくて、「漫才」です。

しかし、ながら、こういう半ば強引なネガキャンも、絵を生業にしている人間からすると超ありがたくて、結局、この「NAVERまとめ」が出た直後に絵本の売り上げが伸びたんです。

アンチの活動のおかげで、「西野の絵、いいじゃん」という人に見つかった。


これだけじゃないのですが、基本的に僕は、アンチの活動のおかげで仕事が広がっているので、「アンチがいなくなる」というのは僕にとってはちょっと都合が悪かったりするのですが、一方で、多くの方からすると「アンチ」の存在って目障りだと思うんですね。


そんな中、ここにきて、「アンチの居場所がジワジワ無くなってきているなぁ」ということを実感しております。

分かりやすいのが「オンラインサロン」のようなクローズドのコミュニティーですよね。

議論するつもりがない(ただ荒らしたい人)が混じっている空間にメッセージを投げるのは不毛だということで、皆、順番にインターネットを閉じていっている。


スナック『CANDY』も店の世界観をオモクソ作り込んでいるのに、店の入り口でスマホを没収されて、SNSのアップ禁止なんです。

前までなら、Instagramにアップしてもらって、たくさんシェアして…が主流だったのですが、価値観の違う人に常に監視される居心地の悪さが限界がきてスマホ禁止にした途端、明らかに集客が伸びました。

皆、シェアされることよりも、居心地の良さを求めている。


極めつけはYouTubeのメンバーシップです。
メンバーにならないと観れない動画がある。

くわえて面白いのが、YouTubeのライブ配信です。

あそこのコメント欄って、アンチが暴れるチャンスだと思うのですが、メンバーシップの人のコメントの色が違うので、そこに目が行くし、配信者はメンバーシップの方のコメントを優先的に読む。

さらに、配信の設定画面には。「コメントできるのはメンバー限定」という設定がついているので、(使うか使わないかはさておき)アンチをシステムで排除できるようになっている。

インターネットによって繋がりすぎてしまったおかげで、届かなくてもいい人にまで情報が届くようになった。
しかし、そこに対するストレスはやっぱり大きかったみたいで、今は、その「揺り戻し」が来ている感じです。

というわけで、
「アンチの居場所がジワジワと削られている」
というテーマでお話しさせていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。

※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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