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キンコン西野がYouTubeに力を入れない理由

このnoteは2019年12月2日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:竹内 千寿恵さん

おはようございます。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日はですね、
「キンコン西野がYouTubeに力を入れない理由」
というテーマでお話したいと思います。

昔からやってるけど…

嵐さんの参入もあって、今年は芸能人のYouTube参加元年な感じですね。

僕も言われるんですよね。
「西野さんYouTubeやらないんですか?」って。

これに関して言わせていただくと、
実は6年前くらいからやっているんですね。

「YouTubeおもしろいな」
と前々から思っていて。

6年前に「毎週キングコング」(当時は『毎日キングコング』)
っていうチャンネルを立ち上げて。
チャンネル登録者数は30万人くらいかな。

だらだらと6年くらいやってるんですね。
やってはいるけど、これをどうにかしようという気持ちは一切ない。

「YouTubeでのしあがってやれ!」
って気持ちは1ミリもなくてですね。

はじめた理由、続けている理由はただひとつ。

梶原くんとコミュニケーション取り続けたいから。

それだけなんですね。
なので、『毎週キングコング』のことをご存知方もいらっしゃると思いますが、
サムネイルもこだわっていないし、編集もしていない。

チャンネル開設当初から、
梶原くんとふたりで喋っているところを
ただ垂れ流しているだけ、という。

ひどいチャンネルといえばひどいチャンネルですよね。
まるでやる気が感じられない。

でも、僕的には
梶原くんとコミュニケーションが取れてる時点でゴールで。
それをどうにかしたいって気持ち、モチベーションがわかない。

それで、『毎週キングコング』とは別で、
3日前に新しく『西野亮廣エンタメ研究所』というアカウントが立ち上がったんです。

このチャンネルは、voicyに投稿した音声をあげているだけなんですけど、
チャンネル登録してもらえると助かります。

これ、「偽アカウントでしょ」
みたいなこと言われるんですけど、
『株式会社NISHINO』の公式アカウントみたいな位置づけです。

このチャンネルはvoicyのアプリを立ち上げるのが面倒な人
に向けての発信でしかなくて。

言ってしまえばさ、
ほかのメディアのコピペをアップしただけの動画、音声が
YouTube上でバズるわけがないのはわかってるんですよ。
このチャンネルがどうにかなるわけがないことは。

じゃあ、なんでやっているかと言うと、
みっつあって。

ひとつめは、
コストがゼロである。

僕が朝起きて、ベッドの上か作業机の上で録音したvoicyの音声を
スタッフさんがYouTubeにあげてるだけなので。

YouTubeチャンネルを運営するコストは、
基本的に、僕のコストはゼロである。ってことですね。

ふたつめは、
僕はときどき個展をしていて、
その裏側、ドキュメンタリーをYouTubeにアップしてるんですね。

アップするときは『毎週キングコング』のチャンネルでアップしていたんですが、
「キングコングの活動じゃないよな?」と前々から思っていて、
住み分けるために作りました。

今年でいうと、
クリスマスにフィリピンに行って、
フィリピンの子供たちに絵本を配ったりするんですけど、
そういった活動の様子をアップするためのチャンネルです。

だから『voicy』っていうチャンネルではなくて、
『西野亮廣エンタメ研究所』っていうオンラインサロンの活動をあげるチャンネル
にしている、ということですね。

みっつめは、
テストですね。

voicyにアップしている音声をYouTubeにアップしたときに
どれくらいの反応があるのか、どれくらいの反応がないのか。
なにをしたらいいのか、なにをしたらダメなのか。
をみている最中です。

なんのテストなのかは、
先々で発表します。

voicyの音声をアップしただけのチャンネルがゴールではなくて、
この先に、ちょっとひとつ自分なりの実験を用意しております。

もう負けたくない

さて、それでは本題ですね。

僕は性格上、本腰入れてやりだしたら
ほんとにいちばんになるまでやっちゃう。

それが、
オンラインサロンだろうが、
絵本だろうが、
クラウドファンディングだろが。

とにかく本気でいちばんになるまで努力しちゃう。

自分はけっこう努力が好きなので、
成長していく感じ、数字が伸びていくのが楽しい
っていうのもあるし、

あと、シンプルに人よりも寝ている時間が短いので、
むちゃくちゃやっちゃう。はまりだしたら止まらない。

そのひとつがオンラインサロンだったりするんですが。

もちろんYouTubeもやりだしたら止まらない。
むちゃくちゃ研究して、むちゃくちゃ時間さいてやっちゃう。

実は、自分の時間を切り売りして、出役としてやった
20代前半の芸能界の経験。

19歳でデビューして、20歳で『はねるのとびら』がスタートして、
そこから「誰よりもやってやれ」と思って、
先輩の舞台を舞台袖からずっと見て、
テレビで人のツッコミだとかまわしをとにかく研究して、
「どうすれば売れるんだ」とか「露出できるんだ」
ってあれこれ研究して実践して、
とにかく20代前半は走ったんですね。

競争に入るわけじゃないですか。
暗い長いトンネルを、
いつかトンネル抜けたらすごい景色が待ってる
と思って、信じて走るわけです。

ライバルの人たちが寝てる間に僕は走り続ける、と。

走って、走って、走って、25歳くらいのときですかね。
長いトンネルをパッと抜けたわけですけど、
抜けたらもう少し景色は広がるもんだと思ったら、
結果、そうではなかった。

自分の中ではかなり絶望だったんですけど、
当たり前っちゃ当たり前なんですよね。

「次の段階にいくぞ」「世界にいくぞ」
と思ったときに、僕がずっと時間を割いていたのは、
すべて日本語が紐付いているエンターテイメントだった。

漫才も、バラエティのやりとりも、
すべて日本語が紐付いていて、
これをアメリカとか、中国とか、ギリシャとかに
横移動させるのはむずかしかった。

乗ってた乗り物が世界まで続いてなかった。
ってことですね。
結論、日本の限界なんです。
日本語が強く紐付いてるエンターテイメントの限界。

成長していく、競争にかっていく
っていうのはすごく気持ちがいいんですけど、

だけど、その先で、
目の前にはディズニーとか、シルクドゥソレイユとか、
もっともっと大きいエンターテイメントをやっている人がだいぶ先に走っていて、

僕は、
このまま日本語に紐付いているエンターテイメントにしがみついていると、
彼らの活動に対して嫉妬し続けることになっちゃう。

もしくは「彼らは競争相手じゃない」
と折り合いをつける。

つまり、
ディズニーは同じエンターテイメントを届けているライバルであるにも関わらず、
「ディズニーと競争するのはちがうでしょ」
っていつの間にか自分に言い聞かせてしまって、
自分の夢を縮小させて
「そもそもディズニーとはちがうことやってますから」
って折り合いをつけちゃうなぁと思って。

でも、そんなこと僕やりたかったかな?
と思ったときに、そんなにやりたくなかったっすね。

やっぱり、ちゃんと、
世界のエンターテイナーって呼ばれる人たちと渡り合って勝ちたい
っていうのがあったから。

これを25歳のときに「ちがうな」と思ってですね、
次に乗っかるなら、ちゃんと世界に繋がってる乗り物に乗らなきゃいけない
ってなったときに、25歳までやっていたエンターテイメントではなかった
ってことですね。

だから、そこから絵本に乗り換えたんですけど、
絵本はべつにね、
いまでもフランス版とか、いろんなところで翻訳されて出回ってますが、
海外もって行ったとき、個展は通用するからね。

通用するかしないかはさておき、
絵本は世界のトップに続いてはいますよね。

なので、こういうことやっていこうと決めた、と。

で、「YouTubeなんでやらないの?」
って話になってくるんですが、

また本腰いれてやってしまうと、
20代前半〜25歳までと同じ気持ちをまた味わうな、と思って。
それに、僕にはもうそんな時間はないぞ、と。

2回目はやれないと思ったので、YouTubeはどうしても
いまのところは本腰入れてやれないなって結論ですね。

やるとすれば、
出し方もハナからちゃんと海外に横展開できるように発信する。

なので、自分がカメラに向かってワーッて喋る
みたいなことは基本的にはもうやらない。

いいのが思いついたら話は別ですが。
ちゃんと横展開できるものが思いついたら別ですが。

基本的にはやらない。

それはなぜなら、
ディズニーとかシルクドゥソレイユ勝ちたい
って気持ちが強いから。

それが答えですね。

もう負けたくない。
って気持ちが強いもんですから。

いまは、ちゃんと世界で通用するアプローチをしていく
ってモードに入っておりますので、
僕はあまりYouTubeに力を入れること、時間を割くことはできません。

ほんとにわずかではありますが、
voicyにアップしている音声をYouTubeにあげる
っていうのがいまのところ限界である、と。
そういう感じでございます。

「YouTubeなんでしないの?」
って質問をよく受けるので、こんな返事をさせていただきました。

今朝はですね、
「キンコン西野がYouTubeに力を入れない理由」
というテーマでお話させていただきました。

今日からですね、私はスリランカにきております。
なんでスリランカにきているかはオンラインサロンにアップしますので、
ぜひのぞいてみてください。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。

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