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【ブチギレ】キンコン西野が本当に許せないこと

このnoteは2020年9月8日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:愛媛の草食系で装飾系の僧職系男子 しゅうはん さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「【ブチギレ】キンコン西野が本当に許せないこと」
というテーマでお話しします。

今日はちょっと怒ってるんですけども…僕の友達も、よく同じことで苦しめられているので、勝手に代表して言わせていただきたいと思います。

 
お客さんに対してではなくて、インタビュー取材のライターさんに対して怒っています。

 
まず、ここだけはキチンとしておきたいのですが、長年、プロの世界で活動されているライターさんは本当に素晴らしいんです。
なので、この後の話で出てくる「ライター」というのは、「一部のライターさん」という認識でいていただけると助かります。

 
僕は仕事柄、「インタビュー取材」というものを受ける機会が多かったりします。

今やっているお仕事について、あれやこれやとお話しさせていただくのですが、一応、伝えることに関しては、僕、だいぶ上手い方だと思います。

オンラインサロンなんて、その最たる例で、毎日毎日、お仕事に関する記事を書かせていただいていて、日本で一番売れています。
なので、「伝えるのが上手い」というのが自己評価ではなくて、「結果」が証明しています。

 
もちろん、インタビューを受ける際も、初めて話を聞く人でも内容が混乱しないように、話す順番を選んで、言葉を選んで、お話しさせていただいています。

 
そんな中、困っちゃうのが、インタビューで話した内容を大幅に変更してしまうライターさんです。

 
そういうライターさんに限って、読解力や文章力の前に、そもそもの「知識」が無い。


知識が無い人が「おそらく、西野の言っていることはこうであろう」という調子で創造する文章は、もう、本当にメチャクチャで、それが「西野が話したこと」として世に出るわけじゃないですか?


僕としては新鮮な刺身とお醤油をお出ししているのに、料理をお客さんのテーブルまで運ぶスタッフが、「ケチャップをかけた方が美味しいに違いない」といった感じで、ベチャ〜とケチャップをかけた上で、「こちらが西野の料理です」といって出してしまう。

 
これはもう営業妨害です。

 
過去にこういう事件が何度もあったので、僕が取材を受けさせていただく時は必ず「西野が言っている言葉をそのまま使ってください。並び替えも、編集も、付け加えも一切いりません。それが守れるのであれば取材を受けさせていただきます」と事前にお伝えし、お約束いただいた上で取材を受けさせていただいているのですが……それでも、僕が喋った内容をガンガンにイジってくるライターさんがいて、昨日が酷かったんです。

 
たとえば(送られてきた原稿を見てみると)…

「僕の絵本は分業によって背景やコラージュなど随分描き込まれていますが…」

という一文があるのですが、こんなことは現場で一言も言ってないんですよ。

 
ポイントは「コラージュなど随分描き込まれていますが」という部分です。
「コラージュ」ってあまり聞き慣れない言葉ですよね?

 
説明します。

 
僕の絵本って、かなり回りくどい作り方をしていて…、まず僕がストーリーを書いて、その後に僕が簡単な絵コンテを描くんです。

その後に、別のスタッフさんが物語の舞台となる町の地図を描きます。

というのも分業制で進めるので、全てのスタッフが、背景の建物の位置や高さを共有しておかなくちゃいけない。

「えんとつ町」の地図なんて、そこで暮らす人々の生活から逆算して、メチャクチャ細かく作られているんです。

そして、その地図を元に、「一ページ目は、ここにカメラを置いて、この角度から主人公達を狙おう」「二ページ目は、少し上空から狙おう」といった感じで、カメラ位置を決めていく。

その後、改めて絵コンテを描きます。
今度は、もう少し描きこんだタイプの絵コンテです。

その後に、時と場合によりますが、「コラージュ」という作業が入ってきたりします。

絵コンテのイメージをもっと膨らませる為に、ネット上に転がっているイラストや写真を切り貼りしていくんです。

たとえば、「ここの看板は、大阪のミナミにある、この看板」といった感じで写真が貼られていく。

その看板の写真をみて、イラストレーターさんが看板を描きます。

これって、「この看板は誰が描いたのですか?」という質問に、明確に答えきれない理由を説明する時に、必ず利用する説明のテンプレートです。
 

最後に筆入れをしたのは、そりゃイラストレーターさんですが、それって、「コラージュ」という作業がないと描けなかったし、「コラージュ」は絵コンテがないと存在しえなかったし、絵コンテは「地図」がないと描けなかったし、「地図」は、ザックリとして絵コンテがないと描くことができなかったので、看板一つとっても、みんなで作っているんです。

その作業の途中に出てくるのが「コラージュ」という作業です。

 

今の説明を踏まえた上で、ライターさんが創造された「僕の絵本は分業によって背景やコラージュなど随分描き込まれていますが」という一文を振り返っていただきたいのですが、「コラージュ」って描くものじゃないんです。

 
でも知識が無いと、こういう事故が起きる。

だから、「現場で西野が喋ったことには手を加えないでください」と事前にお伝えしているのですが、「コッチの方が分かりやすいに違いない」といった調子で、ガンガンに手を加えちゃう。

 
そして、現場で喋っていないことや、「たしかにその単語は使ったけど、そのタイミングでは使っていない単語」がふんだんに書き込まれた記事が上がってきて、「チェックお願いします」と送られてくる。

当然、文章から何からメチャクチャで、仕方がないから、僕があらためて記事をゼロから書き直すことになる。

 
「これ、なんのこと?」じゃないですか。

 
勿論、昨日の記事は契約違反ですから、お蔵入りにさせてもらったのですが、記事をお蔵入りにしても、そこに費やした時間は返ってこない。

僕の時間だけじゃなくて、その現場に立ち会ったカメラマンさんとか、他のスタッフさん全員の時間が無駄になる。

で、僕は、そういう乱暴な仕事をする出版社とは今後仕事をしないのですが、それって、誰も幸せにならないじゃないですか。

こういうことになるから、「くれぐれも手を加えないでね」と伝えているのに、手を加えちゃう。

 
たぶん、「仕事をしたい」のだと思います。

 
今時、「文字起こし」は、人間がやらなくても、ソフトができちゃうので、自分の爪痕を残す為に、西野が喋ってもいないことを書き込んでしまう。
しかし、知識も無ければ、文章力もない。

文章を生業にされている方には酷な現実ですが。

こういうのが面倒くさいから、僕は本を出すんです。

今、KADOKAWAさんで連載中の「ゴミ人間」なんて、一言一句僕が紡ぎ出した言葉なので、そこに対してのストレスが一切ない。

ただ、昨日の取材の母体がKADOKAWAさんのものだったから、もう、この連載も辞めてやろうかなぁと思っているところです。

少し湿っぽい話になってしまって申し訳ないですが、僕と同じように苦しんでいる人がたくさんいるので、この内容が世のライターさんに伝わると嬉しいです。


というわけで、
「【ブチギレ】キンコン西野が本当に許せないこと」
というテーマでお話しさせていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。

※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
んでもって、ビジネス書に掲載するレベルのコラムを毎朝投稿しています。
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