動画と音声の決定的な違いは「再生回数が紐づいているモノ」 byキンコン西野
このnoteは2021年3月23日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:サクライケイタ さん
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
《昨日のサロン記事の振り返り》
昨日は「集落の生存戦略としての『お祭り』」をテーマに、「お祭りというものがそもそも何の為にあって、そこから何を学び、どう活かしていくべきか?」という記事(2978文字)を書かせていただきました。
次の仕事の関係で、最近は、日本文化についてアレやコレやと調べる機会が増えたのですが、その中で「お祭り」にブチ当たって、「存在しているものにはキチンと意味があるんだなぁ」と思って今回の記事を書いたわけですが、コメント欄を見る限り、昨日は非常に関心度の高い内容だったようです。
最近は、「歴史から考える系」の記事が多めです。
本題に入る前に、お知らせです。
4月19日に開催するオンライン講演会『教えて西野先生! 親子で学ぶ! とっても大切なお金の話』の受講者数が【1700名】を突破しました。
こちらはオンラインサロンに投稿しているような現在進行形の内容ではなく、お金に詳しい方なら誰でも知っているような、お金の超超超基礎知識です。
たとえば「投資ってナニ? 投機ってナニ?」「じゃあ、僕らはどうすればいいの?」みたいな話です。
対象は小学校高学年〜お爺ちゃん&お婆ちゃんまで。
学校では習わないけど、とってもとっても大切なお金の話を、メチャクチャわかりやすくキングコング西野が語ります。
チケットは800円。
参加率されるコチラから↓
よろしくお願いします。
そんなこんなで本題です。
昨日もラジオの話をしましたが、最近、「ラジオ(音声メディア)」について、いろいろと考えるんです。
メチャクチャ意外に思われるんですけど、僕はSNSを全然積極的にやっていないんです。
「お知らせ」とリツイート以外でツイッターで利用することもほぼないし、インスタも、時々、Voicyの文字起こしをコピペするぐらい。
YouTubeもVoicyの音声を貼り付けているぐらいでして(ごめんなさい)……実は、毎日、真面目に発信しているのは「オンラインサロンの記事」と「毎朝Voicyで発信している10分間の音声」だけ。
僕の発信にオヒレハヒレが付いて2次利用、3次利用されることがあって、なんかキングコング西野ってネットの発信量が多いイメージがありますが、僕からの発信って、基本、「ラジオ」と「サロン」の二つだけなんです。
「そんなやつが、よく食えてるなぁ」と自分でも思ってます。
でね、
やっぱり、音声メディアは僕がやっている数少ない発信のうちの一つですから、一応それなりに考えわけですが…
ラジオは「ながらメディア」なので、リスナーさんは、ネクタイを締めたり、イヤホンをさしてジョギングしていたり、とかく、「視線」と「手」は、他のことに充てている方が多い。
なので、昨日もお伝えしたとおり、「ザッピング」なんて、ほぼしないんですね。
そして、「何を聴くか?」は、「サムネイル」ではなくて「人」で選ぶ。
Voicyのトップページから入って、面白そうなタイトルを探して、「よし、これを聴こう」とは、あんまりならない。
「パーソナリティー」が固定化されている。
僕も一リスナーとして、そうなってます。
再生回数は「サムネイルのデザイン」じゃなくて、「企画」でもなくて、「パーソナリティー」に紐づいているので、こと音声メディアを運営していく上で、パーソナリティーに求められている作業はシンプルです。
「人として面白くなる」あるいは「人としての面白さを前に出す」
これって、すっごく重要で、芸人の中では結構議論されるテーマなので、お笑いで喩えると…「台本で笑わせているのか?」「人で笑わせているのか?」です。
これって、似て非なるものなんですね。
なんか、「人が面白くて、かつ、台本が面白いにこしたことないじゃん」と思うじゃないですか?
「両方を押さえられたら、それが一番イイ」と思うでしょ?
でも、実際はそんなことなくて……たとえば、野性爆弾さんって、最高に面白いじゃないですか?
で、アンジャシュさんのネタって、本当によくできていて、最高に面白いじゃないですか?
じゃあ、野性爆弾さんが、アンジャッシュさんのネタをやったらどうですか?
「くーちゃん」さんの面白さが激減しそうな気がしません?
要するに、「キャラを活かすネタ」と「ネタを活かすネタ」というのがあって、「ネタを活かすネタ」は若干、キャラに引いてもらわなくちゃいけないんです。
僕が20歳の頃に『はねるのトびら』という番組が始まったのですが、当時は深夜のコント番組だったんです。
そこで、秋山竜次に出会うわけですが……『バカボンド』というコントがあったんです。
佐々木小次郎が待っているところに、バカメイクをした宮本武蔵扮する秋山竜次が遅れてやってきて、「ここに来るまで、舟を漕いでいたら、木のオールが股間に何度も当たって、なんか不思議な気持ちなった」ということを熱弁するだけの、どうしようもないネタだったのですが、メチャクチャ面白かったんですね。
僕がコント師だったら引退を考えるぐらいの衝撃でした。「なんだ、この人は」と。
じゃあ、その台本はどんなだったかというと、「ペライチ」です。
台詞もまともに書かれちゃいない。
そこに書かれているのは「武蔵が遅れてやってきて、オナニーの話をする」だけです。
ネタとしては最低ですが、しかし、それが秋山竜次の面白さを十二分に引き出した。
あそこで、ビッチリと台詞が割られていて、「この伏線を、ここで回収して…」みたいな台本が用意されていたら、きっと僕は、あそこまで秋山竜次に衝撃を受けなかったと思います。「ああ、面白いネタだなぁ」ぐらいで終わっていた。
もう一度言いますが、「キャラを活かすネタ」と「ネタを活かすネタ」というのがある。
それでいうと……「アルゴリズム的に」という言い方になっちゃいますが、YouTubeで求められているのは「ネタを活かすネタ」なんです。
ここを鬼無視しているチャンネルは、ハナから見られる気が無い「毎週キングコング」ぐらい。
あとは、「次の動画の企画、どうする?」みたいな感じで、企画会議をず〜っとしています。
やっぱりYouTubeのアルゴリズムが求めているのは「サムネイル映えする企画」なんで。
一方、音声メディアで求めらているのは「キャラを活かすネタ」です。
音声メディアの再生回数は「パーソナリティー」に紐づいているので、「企画が面白い」ではなくて、「パーソナリティーが面白い」というふうに持って行かなくちゃいけない。
再生回数が「サムネイル」に紐づいているメディアと、
再生回数が「パーソナリティー」に紐づいているメディアで、
キチンと打ち出し方を分けた方がいいと思います。
たぶんね(笑)
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