20190928アイデアの出し方

アイデアの出し方 byキンコン西野

このnoteは2019年9月28日のvoicyの内容を文字起こししたものです。

こんばんは、キングコングの西野亮廣です。
芸人をやったり、絵本作家をやったり、
オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしています。

1日2回の配信って決めているわけではないですけど、たまたま2回になっちゃっています。
明日はもしかしたら1回かもしれないし、3回かもしれません。

今日はですね、『アイデアの出し方』というテーマでお話したいと思います。
この番組は、オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の提供でお送りしております。

私事なんですけども、
オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』というものを運営している
株式会社NISHINOという会社があるんですけど、
つい最近までこの会社の代表だったんですね。

1年半ぐらい前に立ち上げた会社なんですけども。

まあ順調にトントンって話が進んでですね、
大体社長ってこんな感じかなっていうのが分かったので、
先々週ぐらいに、社長を友達にあげてですね。

僕はもうこの株式会社NISHINOのクリエイティブに専念するという風に、舵を切ったんです。

理由は2つあります。

1つ目は、なんとなく答えが見えてきたなっていうものに、僕はあまり興味がない。

僕はやっぱり、知らないものだとか、音だとか、景色だとかをやっぱり知りたい。
そこに凄く興味があるもんですから、大体これぐらいかなって分かったものは、
まあ自分がやることではないなと思ったのが、社長をやめた1つ目の理由ですね。

2つ目の理由としては、もう言い訳が出来なくしてやろうと思って。

つまり、会社がうまく行っていたらですね、
「僕は作品を作らなくても会社はうまくやってるし」みたいな。

何かちょっとポジションが獲得できてしまうなと思って。
何か自分の仕事があって、それで安心してしまうなと思って。

それもどうなのかなと思った時にですね、
もう、「作品を作らない西野には何の価値もない」っていうところに
追い込んでやろうと思って、クリエイティブに専念した。

つまり、クリエイティブ、新しいものを作れなければ価値がゼロの人間に
自分からなりにいったということですね。

で、まあ今こういう立場にあってですね。
とにかく作らなきゃいけないんですよ、新作を。どんどんどんどん。
僕は新作を作って、それをスタッフさんが広げていくっていう、
まあ、なんとなくそういうチームなんですね。

なので、アイデアを絞り出さなきゃいけないんですけど。

まあこれがさ、アイデアって難しいよね。
思いつく時は思いつくし、思いつかない時は思いつかないしさ。

で、今もね、実は僕の住まいは東京なんですけど、
ちょっと集中してアイデアを出さなきゃいけないということでですね。

3日連続で東京のホテルを取って、東京のホテルでもう缶詰めになって、
今ずっとアイデアを絞り出す作業しているんですね。
今日が2日目の夜なんですけど。

本当にいいところのホテルを取ってもらって、
逆に追い込まれて、やっているんですけど。

まあ…出ないよね、出ない時は。
悔しいけどやっぱり。

昨日からずっと机に向かって、
「なんかないかな、なんかないかな」と思って、
「あっちでもないな、こっちでもないな」って言って、
考えて考えて考えて。

やっぱ出ないときって出ないんですね。

これって僕だけじゃなくて、多分この放送をお聞きの皆さんにも、
こういうことってあるんでしょうね。

お笑いじゃなくて、絵本じゃなくて、ビジネスじゃなくて、
家庭内でも、何かアイデアを絞り出さなきゃいけないけれども出ない
という時は多分あると思うんですね。

で、この時の乗り越え方というか。

まあこれはどっちかというと、
気持ちがやられてしまうと、もう出るもんも出ないので、
この時にどうやって自分の気持ちを整理するか。

つまり、アイデアの健康的な出し方なんですけれど。

まず、自分はこうしてるんですね。
だからこれが正解というわけではないですけど、
自分はこうすることによって、どうにかこうにか結果が出ない時も
精神を保ってますよっていう話なんですけど。

まずアイディアっていうものを『空から降ってくるもの』っていうイメージとして捉えないということですね。

「天からたまたまアイデアが降ってきたぞ」っていうんだけど、
「基本的にはアイデアは降ってくるものではない」っていう風に決めちゃう。

じゃあどうするものなのかっていうとですね。
例えば何か無人島をイメージしてもらって。

この島のどこかにアイデアは埋まっていると。
まずじゃあ「北の方を探してみよう、北の方を掘ってみよう」って掘りました。
掘って掘って掘って掘ったけれども、アイデアは出てこなかった。
畜生、と。

それでもう丸々1か月潰れてしまいました。
「畜生、北にはなかったぞ」と。

じゃあ2か月目は「東の方を掘ってみよう」
掘って掘って掘って掘って掘って掘って、やっぱり見つかりませんでした。
ないじゃないか。北にもなかったし、東にもなかった。

じゃあこの2か月を費やしたわけですけど、
この2か月が無駄だったかっていうと、そんなことはなくて、
もうアイデアが出てくる確率がぐっと上がったわけですよね。

ここになかったし、ここになかったし、あと残っているのは南か西かなんで。

で、南の方を掘ったとして、それで1か月かけて出てこなかったとして、
結局3ヶ月かけて出ては来なかったんですけども、
じゃこの3ヶ月が無駄だったかっていうと無駄じゃなくて。

何のための3か月だったかっていうと、
西のところにアイデアが埋まっているって知るための3か月だった。

そういう風に考えるとですね、アイディアが出てこなかったっていうその日が
残りのアイデアが出てくる確率をぐっとあげてくれているっていう風に、
自分に言い聞かせることができるので。

そういう風にしてしまうと、
全く朝から晩までアイデアが思いつかなかった日があったとしても、
まあまあ今日は無駄じゃなかった、今日はあそこにあれがなかった、アイデアがなかったって知るための1日だったんだって言えるので。

多分降ってくるっていう風に捉えるよりも、
掘るっていう風に取られた方が、
これは精神衛生上ですよ、気持ちの面で何となく強くいられるので、
そういう風に考えてみてください。

まあこんなこと言っててね。

僕が昨日スタートして、今日までになにかいい結果を出せていたら、
結構説得力もあるんですけど。

まだ出ていないですけども。
まだ出ていないんだけど、まあいずれ出るので、お互い頑張りましょう。

というわけで、今日はこの辺にしたいと思います。
それでは素敵な夜をお過ごしください。

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