「日本はお金がないから」の誤解【キンコン西野】
このnoteは2021年6月21日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
本題に入る前にお知らせを2つさせてください。
一つ目は、イオンシネマさんと御一緒させていただいていて、好評を博しております『映画 えんとつ町のプペル』のドライブインシアターの《追加上映》が決定しました。
今回追加になった会場は以下の通りです↓
6/24(木)イオン板橋(東京)
6/25(金)イオンモール大高(愛知)
6/25(金)越谷イオンレイクタウン
6/25(金)イオン板橋
6/26(土)イオン市川妙典
6/26(土)イオンノア
【鑑賞料金】
お車1台につき¥3,300(税込)
※ポップコーン2個、ペットボトル2本付き
【チケットはコチラから】
すでにチケットが完売している場合があるので、まずはイオンシネマさんの「ドライブインシアター」のホームページでご確認ください。
車の中でお楽しみいただける映画なので、子供が騒ごうが何しようが、誰にも迷惑がかかりません。
これまで「子供がまだ小さいから」という理由で映画を諦めていたお父さん&お母さんに届くと嬉しいです。
よろしくお願いします。
そして、お知らせがもう一つあります。
月に2度、僕の友達を僕の自宅に招いて、呑みながら語り明かす『スナック西野』という月額590円のYouTubeのメンバーシップをやっております。
ただ呑んでるだけっちゃあ、呑んでるだけなのですが、お越しになられるのが各業界のトップランナーの方々で、そういう人達は、呑みの席の話が一番面白いんです。
なぜなら、まだ世に出していないプロジェクトだったり、世に出しているプロジェクトの裏話だったりするので、早いし、本質的なんですね。
前回のゲストは堀江貴文さんでしたが、ご覧になられましたでしょうか?
10分の無料版は「お久しぶりで〜す」といった感じで、ゆるく始まったのですが、本編が始まってからは、「ITの寵児たる堀江貴文が何故、和牛に力を入れているか?」みたいな話をメインにグイグイ進んでいきます。
これが、メチャクチャ面白かったし、本編の後半にもなると、二人とも酔っ払っているので、是非、ご覧ください。
参加される方は、僕の公式YouTubeチャンネル『西野亮廣エンタメ研究所』の画面下にある「メンバーになる」をクリックしてみてください。
「スナック西野」は隔週土曜日放送です。
(※コチラ↓)
そんなこんなで、本題です。
「日本人が、ちょっと勘違いしていること」というテーマでお話しさせていただきたいと思います。
昨日、ご報告させていただきましたが、世界最大のアニメーション映画祭『アヌシー国際アニメーション映画祭』のグランプリは逃したものの、世界戦は引き続きやらせていただいているんですね。
とくに「アヌシー国際アニメーション映画祭にノミネートされた」というのは、やっぱり大きくて、それが引き金となって、いろんなお話をいただいております。
コチラは、またご報告させていただきますね。
そんな感じで、右も左も分からないまま、手探りで世界戦に出場しているわけですが、(これはサロンでもよく言っていますが)やればやるほど、「世界を狙っているプレイヤー」を目の当たりにするんです。
で、そこが、「純粋な才能勝負」の世界だと思ったら、それは大間違いで、まず、「場所」と「その場所に参加する人」という二つのものがあったとしたら、「場所」には、「ここで活躍してもらえると嬉しい人」が明確にいるんですね。
当たり前ですけども、「場所」からすると、より多くの利益をもたらしてくれる人に活躍してもらった方が嬉しいわけです。
中国という「場所」からしてみれば、そりゃ、海外の作品よりも、中国の作品がヒットしてくれた方が嬉しいわけで、なので、中国なんかは、年間に流す海外の作品の本数が決まっていたりします。
これは、何も不自然なことじゃないですよね。
吉本興業がお金と人を出して作る番組のMCに「松竹の芸人」が選ばれることはありえないわけで、「そりゃそうだよな」という話なんです。
なので、基本的には、海外に出ると「日本人に勝たせる理由」なんてものはないんですね。
外に出る時は、まずは最低限、そこを踏まえておかなきゃいけないのと、一方で、国内の話ですが、実は、日本のエンタメプラットフォームは、結構「おもてなし」という状況で、その気になれば国外のエンタメが活躍し放題という状況にあったりします。
それでも映画なんかは、ランキングを見ていただけたら分かると思うのですが、日本人は日本映画を選ぶ傾向にあるので、「自由競争」にしていても、結構、日本映画が頑張れているのですが、まぁ、皆様、ご存知の通り、Netflixのドラマなんかは、もうグイグイ入ってきちゃってますよね。
昔でいうと「ウィーキングデッド」とか、少し前だと「愛の不時着」とか「梨泰院(いてうぉん)クラス」とか、個人的には「マイケルジョーダン・ラストダンス」がブッちぎりのMVPなのですが、そういったコンテンツが、日本のテレビ画面を徐々に占拠しはじめている。
ここには国内コンテンツを贔屓するような規制が何一つ入っていなくて、完全に自由競争が起きています。
それでも何とか持ちこたえている方だと思うのですが、これも、いつまで続くかは分からない。
でね、こういった話をした時に必ず「制作費」の話になるんです。
世界向けに作られたコンテンツと、日本向けに作られたコンテンツだと、当然、お客さんの数が違ってきますから、製作費に大きな違いが出てくるんですね。
2020年の年間の制作費でいえば、確かな数字は分からないので、ちょっと調べていただきたいのですが、大体、日本の民放の年間の予算が800億円〜1000億円で、NHKだけがブッちぎりで高くて1600億円ぐらい。
じゃあ、Netflixの年間の予算はどれぐらいかというと、約2兆円です。
2兆です。ニチョウ。
フリーザーが戦闘力を公表した時ぐらいのインパクトありませんでした?
すごいですよね。
そもそも、かけられている予算がこんなにも違うんです。
当然、それらはクオリティーに反映されます。
なので、僕ら日本人は「予算が全然違うもん……」という言葉を使っちゃうのですが、これ、半分正解で、半分間違いなんです。
ちょっとゾッとする話ですよ。。
「予算が違うもん」に含まれているのって、「日本はかけられる予算が少ないから、クオリティーも低くなる」といったところだと思うんですけども、アメリカでアニメーションを作っている友人に言わせると、「日本の作り方は高い」と言うんです。
日本よりもお金を使っている人達が、「日本のお金の使い方は贅沢だ」と。
それって何かというと、やっぱり、毎日のように情報や技術を交換しているから、「ここって、こうやった方がよくね』というアップデートが繰り返されていて、効率化がどんどん進んでいるんですね。
これは本当によく分かります。
たとえば、イベント一つ作るにしても、知識のない人ほど、お金の使い方が粗いんです。
良い喩えが出てこないですが、素人って「ここに緑色の壁を作りたいのであれば、わざわざそんなものを作らなくても、この角度から緑の照明を当てればいい」という選択肢を持っていないので、製作費をかけて、わざわざ緑の壁を作ったりするんです。
これと似たようなことが起きていて、国境をまたいで勉強会をしていないから、日本って、めちゃくちゃお金のかかる作り方をしちゃっている。
その上で、予算が少ないんです。
ここって、「日本は予算がないから」というのと、若干違うところじゃないですか?
情報を閉ざしちゃうと、こういうことが起きるので、ここは知っておいた方がいいのかなぁと思います。
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