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挑戦したければ「喩え力」を身に付けろ by キンコン西野

このnoteは2020年7月21日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:なんでもわろとこがモットーのシンシロおかん さん


どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「挑戦したければ『喩え力』を身につけろ」
というテーマでお話しします。

そもそも「たとえ」とは何なのか?
一般的に使われる「たとえ」という漢字は2種類ありますよね。
「一例」の「例」という文字を使った「例え」と、「比喩」の「喩」という文字を使った「喩え」。

このうち、「例え」は、具体的なエピソードを言う際に使います。
「キングコング梶原はテレビが苦手なんです。例えば、先日のゴッドタンでも…」といった感じで。

一方、「喩え」は、あるものを他の物事になぞらせる時(置き換える時)に使います。
「行列のできる法律相談所」のレギュラーメンバーがジワジワと減っていく様を指して、フットボールアワーの後藤さんが「ゾンビ映画の減り方」と言っていましたが、あれが「喩え」ですね。

今日は、後者の「喩え」の重要性について、お話ししたいと思います。

そもそも、なぜ、「喩え」というものが必要かというと、「相手が持っている情報を経由して、想像してもらう為」です。

よく、オンラインサロンを批判する時に『搾取』という言葉が使われるじゃないですか?
メルマガを受け取ることにお金を払うのは分かるけれど、場合によっては、お金を払って働かされることもある。
実際、僕、去年やったエッフェル塔の個展は、もちろん有志ですが、サロンメンバーさんがお金を払ってスタッフをしてくれたんです。

これって、これまでの「お金=労働の対価」というルールに、大きく反していますよね?
給料が安いどころか、お金を払って働かされるなんて、もう「ブラック企業2.0」みたいな話じゃないですか(笑)

この時、「搾取」とか「洗脳されてる」みたいな批判の声があがってくる。

その時、そういうことを言ってくる人に対して、オンラインサロンの仕組みをどれだけ説明しても無理なんです。
だって、オンラインサロンに入っていないんだから、そもそも想像ができない。

じゃあ、「お金を払って働くなんて、搾取だ〜!洗脳だ〜」と叫んでいる人に、どう説明すれば伝わるのか?
これは結構簡単で、「ちなみに、バーベキューやられたことはありますか?」と聞けば勝負アリです。

その時、相手、バーベキューのビジネスモデルを想像する。
「そういえば、バーベキュー会場にお金を払っているけど、火をつけるのも自分だし、肉を焼くのも自分だ」と。
焼かれた肉を買っているわけではなくて、肉を焼く作業を買っている。
お金を払って働いているんです。

レゴやパズルやプラモデルで喩えてもいいかもしれません。
完成したレゴを買わないじゃないですか?
完成したパズルや、完成したプラモデルも買わない。
完成させることにお金を払っている。僕らは、レゴを完成させるという仕事を買っているわけですね。
お金を払って働いているんです。

相手はお金を払ってエッフェル塔の個展は作ったことないですが、お金を払ってバーベキューやレゴやパズルやプラモデルは作ったことがあるので、「お金を払って働く」の想像ができる。
「そうか。そこに満足度・納得感さえあれば、自分も労働することにお金を払っているな」と。

ちなみに、エッフェル塔の個展を完成させるの、メチャクチャ面白いです。
エッフェル塔の搬入口とか入れないし、作業合間とかは、パリが一望できるエッフェル塔の展望台のスペースを貸し切って、みんなんで弁当食べたり、「やべ〜、間に合わね〜」とか言ったり、
で、全部終わったら、自分たちが作りあげた空間(エッフェル塔の展望台スペース)で乾杯……っていう、学生の頃の文化祭のあの感じのスゴい版です。

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話を戻します。

で、ここ最近になって、タレントさんも「オンラインサロン」だとか、まぁ、いろんな言い方をしていますが、いわゆる「有料の閉じた空間」を持ち始めたじゃないですか?

昨今の誹謗中傷の問題を見ていると自然な流れだとは思うのですが、一つ確かなことは、ネットで鮮度の高い情報を拾いに行く人と、常に受け身でテレビを情報源にしている人との「情報格差」が今、とんでもないことになっている。

下手すると、クラウドファンディングが市民権を得たの「今年」なんで。

100年に一度のウイルスに襲われて、ようやく「クラファンという選択肢がある!」とか言い始めてる。
かなりヤバイんですけど、「かなり遅れてますよ」と言うと、大体ヘソを曲げられる。

で、それが良いのか悪いのかは分かりませんが、テレビは高齢者メディアで、伝統芸能の方に向かったので、情報格差はどんどん広がっていく。
でも、テレビ観ている人は敵じゃないじゃないですか?
どの商売をしていようが、テレビを観ている層にも応援してもらいたい。

その時、新しいことをしていればしているほど、サービスの説明が必要になってきて、それを端的に、相手が想像できるように説明するには、相手が今、持っている情報を経由する必要がある。
それが「喩え」ですね。

逆に言うと、「喩え力」がないと、自分がどれだけ素晴らしいサービスをしていても、それが新しいものであればあるほど、伝わらない。
新しいことをしようと思ったら、「喩え力」は絶対に必要な力です。

これはセンスとかじゃなくて、訓練なんです。
普段から繰り返し繰り返しやることが大切です。
まずは相手の話をよく聞いて、相手が持っている情報をリストアップして、その情報を使って、自分のサービスの説明をする。
なので、自分の話ばっかりする人には、絶対に身につかない能力です。


というわけで、
「挑戦したければ『喩え力』を身につけろ」
というテーマでお話しさせていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。

※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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