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僕らは、まもなく若手を否定するbyキンコン西野

このnoteは2020年7月15日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供: スターシードよし さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日はですね、
「僕らは、まもなく若手を否定する」
というテーマでお話したいと思います。


昨日ですね、YouTubeチャンネル『毎週キングコング』の収録がありまして、先週、梶原くんが話してくれたロレックスを買いに行く話の後編なんですけど、このシリーズがこの一年で一番笑ったんじゃないかってくらい面白くて。

死ぬほど面白いんで、ぜひ前編と合わせてご覧ください。

テレビではあまり力が出せない梶原くんですが、YouTubeではぶっちぎりに面白くて数字として結果がでてるんじゃないかなって思ってます。

実は、キングコングはYouTubeを7年くらいやっていて、2年くらい前に梶原くんが「本気でやる」って言い出して、カジサックで本格的に参戦した時に同業者の芸人とかテレビマンから「YouTubeなんて素人のもんやろ」とか「都落ち」とか言われ、ついには「YouTube自体いつまで続くものかわからん」みたいなことを言われてたんですね。

最後の言葉に関しては、梶原くんへの批判って言うより、YouTubeというメディアに対しての批判ですよね。

「YouTubeはなんか嫌い」とかだったら個人の好みで理解できるところなんですけど、テレビマンがYouTubeの寿命を心配するっていう構図がトンチンカンすぎて、僕はまったく理解できなかったんですね。

地方で電話ボックス作ってる会社がiPhoneの寿命を心配している。みたいな感じです。

これはテレビ批判でもなんでもなくて、日本のテレビ局とYouTubeを運営しているGoogleのどちらが先にバテるかって普通に考えたら日本のテレビ局じゃないですか。Googleが先に倒れるってイメージつかないですよね。

要するに、どの立場から心配してるの?って問題ですね。
危ないのはどう考えたってお前のほうだぞ。っていう。

当時、僕も同じようなことを言われていたんですね。

クラウドファンディングとかオンラインサロンを始める時に、その都度、芸人さんとかテレビマンから「アイツ大丈夫か?」って声が聞こえてくるんですね。人伝いに。

くれぐれも、VSテレビっていうボジションで喋っているわけではないことをご理解いただきたいんですけど、

大丈夫かも何も、あなたがいるテレビ業界の広告費、年々落ちてませんか?って話で。ぜんぜん安全圏じゃないのに、さも安全圏にいるようなポジション取りをしてくるんですね。

心配っていうよりも、半分以上、批判ですよね。

鼻で笑って「アイツ大丈夫〜?」みたいな感じが込められていると思うんですけど。

その批判の根拠となるものがひとつもないんですよ。
梶原くんのYouTubeの批判の根拠は一体なんなんだと。

とにかく、自分たちがやってきたことが今後も正解だと信じてしまっている。

こういうことってみなさんの周りにもあると思うんです。
上の人間がまるで危機感を持っていない。

「最近の若い者は」と言い出す自分

ここで僕らは一度冷静になって考えなくちゃいけない。

いま危機感を持っていない上の人間も、きっと2、30年前は僕らのように思っていたはずなんです。

上の人間がまるで危機感を持っていない。俺たちがなんとかせねば。
っていうことを、2.30年前は僕らと同じように思っていたはずなんですよ。

その時そこでなんとかしたから、いまのポジションにいるわけだから。

何が言いたいかと言うと、この歴史は繰り返されていて、いずれ自分たちもいまの上の人間のようになる、と考えるのが普通ですよね。

「最近の若い奴は!」と言われてきた人間が、30年後に「最近の若い奴は!」と言うようになるっていう話です。

なので、僕は自分がそういった歴史を繰り返してしまうようないまのやり方を妄信してしまう前提で人生設計、お仕事設計していて、これは絶対に結果が出せるっていう仕事は後輩にまわすようにしていて、毎年、勝てる仕事をやめていってるんです。

そうすると、新しく始める仕事には勝ちパターンがないので、試行錯誤の連続。ぜんぜん思い通りに進まなくて妄信する余裕なんてないので、これはオススメです。

僕がいま何をしてるかというと、映画作りつつ、その裏で、人形劇作ってるんですよ。

いろいろ狙いがあって、今度どこかで喋りますが、「つぎは人形劇だな」と思って。

僕、芸歴20年なんですけど、人形劇なんて作ったことがないから、サイズ感とかぜんぜん思い通りにいかないんですよ。

まさか、いま人形劇で「これが安泰だ」なんて思えないんですね。
自分の力が届いてないから。

これ、むちゃくちゃいいなと思っていて。

短期的にみれば、すぐに結果がでなくて負けなんですけど、
僕らは負けないとアップデートしようとしないので、
長期的にみれギリギリプラスになるって話ですね。

もしいま、「勝ちパターン入ってるな」って思うことがあったら、それで笑ってる場合じゃなくて、その状態はかなり赤信号に近い黄信号なので、手を引いておかないと当時の自分が最も煙たがっていた大人になってしまうので。

引き際を決めて、高確率で負ける環境に身を投じることをオススメします。

こんなことをいうとすごく鼻に付くんですけど、10割って狙えるんですよ。自分が仕事を選びさえすれば。打てる球を打ってるだけなので。

だけど、それでは退化していってるんですよ。
これが正解だって思い込むから。

次の時代で、見たことないピッチャーが見たことない変化球を投げてきた時に、その対応が自分はできなくなる。打てないんですよ。

えっと、うまく伝わってる自身がぜんぜんないんですが(笑)

打率を10割にあげちゃダメだって話です。

なんのために打席数があって、三振できる余白があるか。

打率はやっぱり3割くらいにしておいた方が、あと7割は空振りでいいから、空振りの原因を探りまくる。

それをやらないと、退化がはじまるから。

くれぐれも「僕はヒットメーカーだ」みたいな感じで当てまくってる場合じゃないぞ。

それはもう確実に退化だから、ちゃんと空振りするようなところにも手を出していった方がいいと思います。

打てる球は、打てることがわかったら振らないこと。

僕らは「最近の若い奴らは」って言われていたけど、10年、20年、30年経ったら、それを言うようになるから、それを言わないように鼻から設計しておくことは非常に重要です。

というわけで、
「僕らは、まもなく若手を否定する」
というテーマでお話させていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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