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新型コロナウイルスよりも恐ろしいもの by キンコン西野

このnoteは2020年3月13日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供: ヨノホンマチのえんどうこうすけさんを尊敬するいくらさん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「新型コロナウイルスよりも恐ろしいもの」
というテーマでお話したいと思います。

身を守ってくれるのは選択肢の数だ


時事ネタはなるべく避けるようにしているのですが、最近VoicyやYouTubeでお金の話題が多いのには理由があります。それは、新型コロナウィルスのお話と関わってきます。

基本的な僕のスケジュールをざっくりご説明すると、朝起きて1時間ほどジョギングをし、Voicy・YouTubeの音源をとり、ブログを書いて、オンラインサロン記事を2000~3000文字書き、ネットショップで受け付けている絵本にサインを書いて、梱包して配送します。

そこから今は、稽古場にいって、正午から18時ぐらいまで舞台の稽古です。その後、現在取り組んでいるプロジェクトの打ち合わせや製作などをして、なんだかんだで身体が空くのは夜中の12時前ぐらいになります。

いつもならここからの時間を新作の創作時間に充てたり、読書の時間に充てたりするのですが、今はちょっと違います。

LINEを開くと、仲間の芸人や友達から「どうしようどうしよう」という
連絡がもう山ほど届いているのです。

特に僕の友人の多くは表現者で、彼らは人を集めることで商売をしているので、今日の新型コロナウイルスには結構参ってしまっています。お店を出されてる方も同様です。

彼らが困っているのはシンプルにお金の問題です。

当たり前ですが、収入源が断たれてしまうと挑戦が続けられなくなります。夢を追い続けることが不可能になってしまいます。

もちろんそんな彼らのことを見捨てるわけにはいかないので、「こういう時はこうした方がいいよ」、「これはこうすればここで利益を作れるよ」と
いう話に、毎晩3~4時間ぐらいの時間を割いてやっています。

ただ、「見落としてるけどこれは売り物になるよ」といった類の話というのは、もう何年も前から言っていることなのです。

「こういう時はこうした方がいいと思うよ」ということを『革命のファンファーレ』『新世界』『新・魔法のコンパス』などのビジネス書に書いたり、オンラインサロンでも話しています。
また、10日に一度はブログに貼り付けたりもします。

「今売っているものが売り物にならなくなった場合、僕たちは何を売っていくことになるんだろう」といった議論を、もう何年間もずっと続けてきています。

ご多分に漏れず、僕らもお客さんを集める商売をしているチームですが、「今これで売り上げが作れないんだったら、仕方がない。こっちで売上を作ろう」と瞬時に切り替えて、僕たちは新型コロナウィルスの影響をさほど受けていません。

今回、すごく顕著に出たのが、クラウドファンディングが身近にある人と
クラウドファンディングを否定し続けた人で、明暗がくっきり分かれたことです。

これは今回のコロナショックが可視化した一つの結果だと思います。
僕らの身を守ってくれるのは選択肢の数です。知らない文化を脊髄反射的に否定し続け、選択肢を捨て続けてきた人が、今かなり苦しい局面に立たされている印象を受けます。

この歴史は、必ず繰り返されるはずです。

新型コロナウイルスが落ち着いても、まもなく不景気が訪れるので、その時にまた「お客さんがいない」「物が売れない」「どうしよう」っていうのが
やってきます。来るか来ないかではなく、確実に来るのです。

なので、「今のうちにきちんと学んで、きちんと備えておきましょう」とずっと言っていますが、それでも学ばない人は学ばないようです。

「クラウドファンディングなんて詐欺に違いない!知らないけど」
「オンラインサロンなんて悪徳宗教に違いない!知らないけど」
といったように、頑として耳を塞いでしまう。

これは新型コロナウイルスよりも、はるかに恐ろしい病です。

生きのびるために「臆病さ」は必要ですが、身を潜めてる間にやらなくてはいけないのは「用意」です。

臆病で身を潜めたはいいものの、身を潜めている間の食料も用意していないし、打って出る時の戦略も用意していないとなると、ただ飢えて死ぬだけになってしまいます。

せめて情報は仕入れておかなくてはならないでしょう。くれぐれも自分からシャットアウトするような真似だけは絶対にしないほうがいいです。

ただ、「聞かねえ奴はもう知らない、自業自得だ」ということは、僕はやっぱり言いたくないのです。

そうやって誰かを切り捨てるようなことを、僕は絶対にしたくありません。自分達だけ先に進もうとするのはすごく簡単ですが、それはやはりしたくない。

なぜなら、僕の父ちゃんや母ちゃんのように、そこで切り捨てられる人たちの顔が想像できてしまうからです。

そういう人たちを切り捨てるようなことはしたくないので、何万回誤解されてもいいので、「こういうやり方があるよ」という同じ説明を繰り返していこうと思います。

西野亮廣エンタメ研究所の次のステージ

一昨日から、僕のオンラインサロン西野亮廣エンタメ研究所は、次のステージに進んで少し複雑性が増しました。

今日のサロンに書こうと思ってるんですが、これまで僕がやっていたことは、「スポンサーとかどうだっていい。事務所もどうだっていい。テレビ局もどうだっていい。出版社もどうだっていい…とにかくお客さんを捕まえるんだ!」ということでした。

クラウドといわれる――クラウドファンディングでいう、クラウド――
つまり、「大衆」を味方につけてしまえば、自由気ままにアプローチができるのではないかということをずっとやってきたのですが、それが成長期から成熟期に入り、次の段階に入ったのです。

ここから複雑性が増して、もうひとつ難しくなります。

僕自身、まだ見えてない部分もあります。ただ、ここでまとまった内容は、数年後に確実に世の中に出てきます。

僕が絶対に出します。

それを受けて、最初は「?」と思うことがあるかもしれません。「何それ?」となるかもしれませんし、知らない言葉が入ってくることもあるかもしれませんが、その時はどうかすぐには否定せずに、耳を傾けていただけると嬉しいです。

もちろん、耳を傾けていただいた上で「それは違う」と否定していただく分には全然構いません。まずはきちんと咀嚼して、飲み込むか吐き出すかを決めていただけると嬉しいなと思っています。

僕には、誰かを出し抜くといった気持ちはありません。綺麗事に聞こえるかもしれませんが、みんなで前に進みたいと思っていて、そのために願い、行動していきます。これからもよろしくお願いいたします。

少し長くとなりましたが、要するにいつも言ってるようなことです。
「否定する前に一回だけ話を聞いてね」ということ。それが一番明るい未来を持ってきてくれると思います。

というわけで、
「新型コロナウイルスよりも恐ろしいもの」
というテーマでお話させていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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