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「勝負どころ」で勝負しろ byキンコン西野

このnoteは2020年9月12日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:子育てをもっと楽しく豊かに寝かしつけのプロを目指す育休パパ いとうつばさ さん


どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「「勝負どころ」で勝負しろ」
というテーマでお話しします。

今日はまず最初にご報告と御礼を申し上げたいのですが、毎月1冊の絵本を国内外(まぁ、今は国内メイン)に贈ることがメインコンテンツとなっている「えんとつ町のプペル『こどもギフト』」という【支援のサブスクサービス】を昨日、立ち上げたんですね。

『こどもギフト』

たとえば僕のオンラインサロンだったら、「毎朝2000〜3000文字の記事が読める」という明確なリターンがあるのですが、「えんとつ町のプペル『こどもギフト』」はそういったリターンはなく、「見知らぬ子供に絵本が一冊贈られる」という……まぁ、これもリターンではあるのですが、とはいえお金を払っているのに手元には何も残らないんです。

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日本って災害時の「義援金」の文化はあっても、「支援」の文化って、あまり根付いていないじゃないですか?

だから、こういったプロジェクトに需要があるかどうか分からなくて、ただ、需要があろうが無かろうが、僕は個人的に(会社として)引き続き子供達への支援は続けていくことは決めていて、その上で、ご賛同いただける方を募ったところ、昨日1日で350名の方が手を挙げてくださいました。

世の中、捨てたもんじゃないですね。


「こういう人っているんだなぁ」と思って、なんか、もっと頑張ろうと思えました。

本当にありがとうございます。

絵本はスタッフが責任をもって子供達に渡してきます。それも、とっても素敵な渡し方で。

そこに関しては、「えんとつ町のプペル『こどもギフト』」にご参加いただけた方への「今月の活動報告」という形でお伝えしたいと思います。

引き続き、よろしくお願いします。

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そんなこんなで、本題です。

今日は「勝負どころで勝負しろ」というお話をしたいと思います。

僕は田舎の方に行くと「売れなくなった芸人」という感じで扱われるので、世間一般的にどう見られているか知りませんが……一応、結果を出すのは結構得意な方だと思います。

話を分かりやすくする為に、ここでの「結果」というのは、「数字」のこととさせてください。


テレビだったら「視聴率」だし、
SNSだったら「フォロワー数」、
出版だったら「販売部数」、
YouTubeだったら「再生回数」や「チャンネル登録者数」、
クラウドファンディングだったら「支援総額」や「支援者数」、
ブログだったら「PV数」、
オンラインサロンだったら「会員数」や「売り上げ」……そういったものです。


何者かにならないと食っていけないので、皆、何者かになろうとして、この結果を追うじゃないですか?

「どうすれば、もっと多くの人に観てもらるのかな?」「どうすれば、もっと多くの人に読んでもらえるのかな?」と悩む人がいて、「こうすれば、もっと多くの人に観てもらえるよ」「こうすれば、もっと多くの人に読んでもらえるよ」と教えてくれる人がいる。

 
ある種、自然な流れだなぁと思う一方で、方法論に沿って結果を追い求めてしまうと、皆と同じ形になる。

「何者かになろうとしてスタートして、その為の手順を踏んだハズなのに、何者にもなれない」という矛盾が発生してしまう。

ここは本当に気をつけた方がいいと思います。

費やした時間が、惨めになるので。

勿論、結果を出さないと食っていけないので、結果を出すことは大事なのですが、それよりももっと大事なのが、「どこで結果を出すか?」ということだと思います。

たとえば、僕はオンラインサロンの売り上げが、僕らのチームの活動資金になっているんですね。

スポンサーさんからいただいたお金じゃなくて、事務所から出してもらっているお金でもなくて、自分で作ったお金なので、どこにもお伺いを立てずに、極端な予算の張り方ができる。

「ブロードウェイでミュージカルを作りたい!」と思ったら、作れるんです。

スポンサーさんや、事務所が、予算を出していたら、この企画書は通りません。
費やす予算の回収の目処が立たないからです。
 
でも、いいです、僕らは。
 
「たとえ1億円の赤字をブッこいても、夢があることをしよう」という青臭さが維持できる状態にある。


世界に仕掛けていこうと思ったら、この状態であることが重要で、そこから逆算すると、毎日投稿するサロン記事はメチャクチャ充実していなきゃいけない。
サロン会員が一定数いることで成り立っているので。

そして、毎日投稿しようと思ったら、毎日、ものすごい量のインプットをしなきゃいけない。
 
毎日ものすごい量のインプットをしようと思ったら、毎日、実験しなきゃいけないんですね。

「うまくいくこと」も「うまくいかないこと」もデータとして仕入れる必要がある。

そうすると絶対に「時間」が必要なんです。

となってくると、「レギュラー番組」に参加するのが難しくなってくる。

たとえ扱う題材は違っても、毎週同じ場所にいって、同じ人に会っていたら、少なからず情報は偏ってくるし、そもそも視聴率が取れなかったら打ち切りになってしまうテレビというゲームの中では、「視聴率がゼロになるかもしれない実験」はできない。

その生活を取りにいくと、サロンに投稿する記事が書けなくなるんですね。

つまり、「レギュラー番組」と「サロン記事の充実度」というのはトレードオフで、どちらも取りに行こうとすると、どちらも中途半端になる。何者にもなれない。


「数字」は精神安定剤みたいなものだから、「とにかく数字をとって、安心したい」という気持ちはあるだろうし、特に、発信する以上は、「数字をとっていないとアンチがつついてくる」みたいなこともあったりします(笑)

僕も、ときどき、それこそ田舎の方にいくと「テレビのレギュラー持ってないですよね? 生活は大丈夫ですか?」と、からかわれます。
 
たぶん、みんな、そういう口撃に不安を覚えて、「これじゃいけないのかも」と思って、全ての競技で結果を出しに行こうとするのですが、1日24時間を「競技の数」で均等に等分してしまうと、何者にもなれずに終わる。

筋肉をつけすぎてしまって、遅くなってしまったトランクスみたいなことです。

#ドラゴンボール世代


そして、方法論に沿って結果を出そうとすると、皆がその方法論を使っているので、皆と同じ形になる。

 
自分の中で「結果を出さなきゃいけない場所」と「結果を出さなくてもいい場所」を明確に決めた方がいいと思います。

「手を出さないものを明確に決めている」という状態が「個性」の正体なので。
 
 
僕の場合は、テレビとYouTubeは白旗を挙げています。
そのかわり、オンラインサロンやクラウドファンディングでは、この国で一番結果を出します。

言い換えると、「広告費」は捨てて、「ダイレクト課金」で結果を出します。

というわけで、
「「勝負どころ」で勝負しろ」
というテーマでお話しさせていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。

※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
んでもって、ビジネス書に掲載するレベルのコラムを毎朝投稿しています。
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