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【国内最大サロンのオーナー】キンコン西野が語る「有料コミュニティーを大きくする方法」

このnoteは2020年5月27日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供: 町田 晶子さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、少なくとも国内だと、僕が最も説得力を持って話せるテーマかもしれません。

「有料コミュニティーを大きくする方法」についてです。

一応、方法はあるけど…できる?

最近オンラインサロンが注目され始めています。

特に、今回のコロナショックは個人で乗り切れるものではなく、方々で「〇〇を助けたい」というクラウドファンディングが立ち上がり、その時、『オンラインコミュニティー』の力が見直されました。

僕自身、サロンオーナーもしていますし、サロンメンバーとして、いくつかのサロンに入らせていただいていて、それぞれで恩恵を受けています。

ちなみに僕はよく「どこでインプットしていますか?」という質問をいただいたりするのですが、僕の場合は、だいたい、各オンラインサロンです。

最新の情報を得るにはサロンが一番早いので。

ときどき堀江貴文さんが「大学は要らない。サロンでいい」的な発言をされています。

僕は高卒で吉本興業の門を叩いた人間なので、「大学」と「サロン」を正確に比較することができないので何とも言えないのですが……ただ、まだ「オンラインサロン」というものを一度も覗いたことがない学生からすると、学校で学んでいることとのギャップに腰を抜かすかもしれません。

時々、「大学でマーケティングを学んでいます」という学生がウチに来ますが、(マーケティングに関しては断言できますが)残念ながら高いお金を払って大学で学んでいることは実戦では通用しません。

これは「学校が悪い」とか「先生が悪い」とかそういう話ではなくて、構造上の問題で、文献を参考にして授業を進める以上、どうしても時代とのタイムラグが出てしまうのです。

「大学で学んでいるマーケティングが通用しないなんて嘘だ!」と思うのであれば、一度、先生と協力してヒット商品を生み出してみてください。

精度の高いマーケティングを学ぶ時の正解は一つ。

「現役プレイヤーとして、時代を捉えている人から、直接話を聞く」です。

今が1990年代後半なら、ちゃんとヒットを生んでいる小室哲哉さんから直接話を聞くのが一番です。

僕は、いろんなサロンに入らせてもらっていますが、やっぱり、「人気の有料サロン」は面白いです。時代そのものなので。

まぁ、そういうところから、色々学ばせてもらったり、自分もサロンオーナーとして発信する側にまわったりしています。

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私も有料サロンのオーナーになりたい

この記事を読んでくださっている方の中には、「私も自分がオーナーにとなってサロンを始めたい」と考えている方がいると思います。

なんか、端から見ていると「サロンオーナー」って美味しい商売っぽいじゃないですか(笑)

これに関しては、「そんな甘くないから、やめといた方がいいよ」というのが僕の本音なのです。

恐らく他の人気サロンオーナーさんも同じ意見だと思います。

が、今日は、そこの問題は一旦置いておいて、「コミュニティーを大きくする方法」についてお話しします。

まず、整理しておかなくちゃいけないことがあります。

それは、「SNSのフォロワー数」と「有料サロンの会員数」は、まったく別の性質のものであるということです。

早い話、「SNSのフォロワー数」って(基本的には)減らないんですよ。

わざわざフォローを解除するのが面倒なので。

興味が無くなったら「投稿を読み飛ばす」という方法を僕らはとっています。

「無料のオンラインサロン」も同じです。

会員数は基本減りません。

投稿に興味がなかったら、ただ、記事を読み飛ばせばいいだけなので、わざわざ退会作業をしない。

「記事を読み飛ばす」と「わざわざ退会作業する」を2択を迫られた時に、人は「記事を読み飛ばす」を選ぶわけですね。

なので、戦略的に人数をカサ増ししたいのであれば、無料のオンラインサロンを始めるのはいいかもしれません。

あとは『無料』というワードを切り取って、表で喋る時に「ウチのサロンでは…」と言う。

まぁ、常套手段です。

ただ、今回の話は『有料』のコミュニティーを大きくする方法なので、そっちの話をします。

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『退会率』で判断しよう

有料のオンラインサロンは、退会者がいない無料のオンラインサロンと違って「10人の入会者がいたら、6~7人の退会者がいる世界」です。

発信している内容が面白くなければ、10人が入会してきて、20人が退会するということが普通にあって、当然、「1年間死ぬ気で頑張って会員数が3人」ということもザラにあります。

時給2円の世界です。

常に面白くあり続けないと、会員は増えないんです。

で、この面白さを数値化しているものが、SNSや無料のオンラインサロンには存在しない数字「退会率」です。

「退会率」とは、コンテンツの内容、優しさ、可処分所得や可処分時間に対する配慮、それらすべての総合値です。

なので、よくよく見ていると、会員数が、ある程度のところで停滞しているサロンがあったりします。

宣伝が足りていないわけではありません。 

告知が不足しているわけではありません。

「面白さ」がそこなんです。

その人数が、今現在「そのサロンオーナーさんがハンドリングできるコミュニティーの規模」なんです。

コミュニティー運営には細かい落とし穴がメチャクチャあります。

たとえば、「皆様の不満を聞きます。なんでもいってください」と募集したら、チームのメンバーは「何か、不満があったっけなぁ〜」と考え始め、あるところから、そもそも抱えていなかった不満をゼロから創作し始め、結果、不満を抱えてしまう。

そこで、チームが空中分解するんです。

なので、メンバーの不満を聞くこと一つとっても、「皆様の不満を聞きます。なんでもいってください」的な募集のかけ方をしてはいけません。

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西野亮廣の過去の失敗

昔、サロン内で「部活」を作りました。

「ダイエット部」とか「経営者部」とか。

そういったグループを作って、グループの部長をそれぞれ任せたんですね。

数百人、数千人規模のグループが、各地でポコポコ誕生し、そのほとんどのグループで何が起こったか?

『モメごと』です。

1000人規模のフォロワーを持つことはできますが、1000人規模のコミュニティーをハンドリングできる人なんて、ほとんどいないんです。

「女子部」っていう、女子だけの部活を作ってみたんですが、朝から晩までずっと喧嘩。

なんか、泣き出したりしてるんです。

地獄の沙汰でした(笑)

あと、全員ではありませんでしたが、多くの部長が、その部活を私利私欲の為に使い始めた。

もともと、そういう人じゃなかったのに、1000人とか2000人とかのコミュニティーを持った瞬間に、自分の宣伝ばかりするようになるんです。

即席リーダーは自分の欲をコントロールできないんです。

そうすると、結果、チームからの不満が生まれる。

すぐに『部活』という制度は解体しました。

これは反省ですね。

僕の失敗です

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結論、「数字」として見ているうちは無理

最近では、「チャンネル登録者数○○人を目指すぞ〜!」といった言葉を耳にしますが、あれはYouTubeの世界(広告収入界)の戦い方なので正解だと思うのですが、コミュニテォーの人数というのは「数字」じゃないんです。

「人」の数なんです。

ここの感覚は、やってみないと分からない部分かもしれませんが、つまるところ、

500人分の生活が想像できない人は、500人のコミュニティーを持てるようにはならないし、

1万人の生活が想像できない人は、1万人のコミュニティーを持てるようにはならない。

もちろん想像するだけじゃなくて、1万人の生活を想像して、そこで問題が見つかったら、その問題の対応に当たらなきゃいけないわけですが、1万人の生活の対応なんて始めちゃうと、自分の時間なんてありません。

せいぜい、自分の時間は(皆が寝静まる)夜中の3時~5時ぐらいでしょうか。

あとの時間は、すべて、人に使う時間です。

育児ノイローゼに近い精神状態に陥るので、(万人規模のコミュニティー運営は)常人には耐えれきれないと思います。

人を「数字」としているうちは、コミュニティー運営なんてできねぇよという話でした。


※毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。んでもって、ビジネス書に掲載するレベルのコラムを毎朝投稿しています。興味がある方はコチラ↓


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