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「出版物の総額表示義務化」を分かりやすく説明してみた byキンコン西野

このnoteは2020年9月17日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:みんなの太陽でありたい いしかわみなみ さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「「出版物の総額表示義務化」を分かりやすく説明してみた」
というテーマでお話しします。

今日は珍しく時事ネタになります。

そもそも僕が時事ネタを喋らない理由は…たとえば今さら「ベッキーのゲス不倫」を検索する人いないじゃないですか? 

そんな感じで、時事ネタって「瞬発力はあるけど、アーカイブ性が弱いなぁ」と思うところがありまして……そういったものに時間を使うのが個人的に苦手というのが根本にあります。


もちろん、「時事ネタでお客さんを集めて、アーカイブを見てもらう」みたいな手法も理解できるのですが、そういった目先の数字勝負は結構前に飽きちゃっていて……そんなことよりも、自分のモノサシに従って、必要なものと不必要なものを分けて、信用を重ねて、費やした時間が全てストックされていくような働き方に興味を持っています。

そんな中、今日、お話しするのは「出版物の総額表示義務化」という、なんだか堅苦しい話題です。


これって、時事でありながら、まぁ、あとで振り返った時に「あの時、ああだったんだな」という価値のあるものだと判断したので、このテーマを選ばせていただきました。


さて。

「出版物の総額表示義務化」って、これは何かというとですね……本のカバーに値段が書いているじゃないですか?

今は「本体○○円+税」という感じで、税金が別で表記されているのですが、これに対して、「来年の3月から税込の価格で表記するようにルール変更するよ〜。税込の価格で表記されていない本は本屋さんに並べちゃダメだよ〜」というお達しが、国の偉いさん達からあったわけですね。


ただ、「総額表記しなきゃダメだよ〜」は、(たしか)2013年から言われていたことなのですが、「消費税転嫁対策処置法」という特別ルールによって、2021年3月まで引き伸ばしてもらっていたんです。

 
で、今回、「よくよく考えたら、2013年って、もうすぐじゃんっ!」となって、出版関係者の皆様が声をあげられて、昨日はツイッターのトレンドとかにも入りました。


ちなみに、総額表示義務化は何も出版物に限った話じゃなくて、他にも総額表示義務化が求められている商品はあるのですが、何故、出版関係者がオラついていらっしゃるかというと…


本屋さんって、本を買い取って売っているわけではないので、「税込の価格で表記されていない本は本屋さんに並べちゃダメだよ〜」となると、今、店頭に並んでいる本を一旦、出版社に返さなきゃいけないんですね。
そこに、めちゃくちゃコストがかかっちゃう。

「ただでさえコロナで大変な目にあってるのに、これ以上、やめてくれよ」って話ですよね。

出版社は出版社で、新たにカバーを刷り直さなきゃいけないし、消費税が上がったら、またその都度、カバーを刷り直さなきゃいけない。
もう、メチャクチャお金がかかってしまうんです。

出版社もコロナで大変な目に遭っているわけで、「おいおいおい」みたいな感じです。小さな出版社だと死活問題です。


とにかく出版関係者にしてみれば、基本的には、いいことが一つもないルール変更なんです。


僕もやっぱり友達に出版関係者が多いので胸が痛いです。
もちろん、友達の分ぐらいは、なんとかしますが。

気になるのは「なんで、わざわざこんな面倒なルール変更をするのよ?」という部分です。

表向きに言われているのは、「消費者の混乱を防ぐため」ですね。
やっぱり、全ての値段が出ていた方が分かりやすい……らしいです。

裏の理由として陰謀論的に言われているのは「消費税を隠すことによって、消費税を払っている感覚を忘れさせる」とか何とか。

まぁ、たしかに、そう受け取ることもできますよね。

 
今回の僕の目的は「こういうルール変更があるみたいですよ」とお知らせすることではあるのですが、一応、僕の見解も入れておいた方がいいと思います。
 
 
僕としては、やっぱり出版関係者のことを考えるとあまり嬉しくはないです。

ただ、そんな中、無理矢理にでもいいところを探してみたところ…見つかりました。
 
消費税増税の度にカバーを変えなきゃいけないわけですから、消費税を増税する際に、出版関係者からの増税反対の声が大きくなって、増税しにくくなるので、そこに関してはプラスなのかなぁ、と。

あえて陰謀論を引用すると、「消費税を上げやすくする為に、消費税を隠した結果、消費税を上げにくくなっちゃった」という策士策に溺れるみたいなことがもしかしたら、起きているのかもしれないなぁと思っています。


ただ、

ルールが変わる時というのは「ビジネスチャンス」でもあるわけで、たとえば「キンコン西野の絵本は、消費税が変わる度に、絵本のカバーデザインが変わる」というなれば、「消費税が変わる前に買っておこう」という流れも作れる。
そうなると、書店さんにとっても出版社さんにとってもプラスですよね。


基本的には今回のルール変更は「う〜ん」というところではありますが、まぁ、もしルール変更したらしたで、なんかそんな感じで抜け道を考えようかなぁと思っております。

 
そして、そんなことよりも今回のニュースで、僕は全国の書店さんを具体的に応援したくなっちゃったので、近々、オンラインサロンの方で投稿します。

お楽しみに!

今日は【「出版物の総額表示義務化」を分かりやすく説明してみた】について、お話しさせていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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