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クラウドファンディング化する世界 by キンコン西野

このnoteは2020年8月6日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:かわぐちゆうやさん


どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「クラウドファンディング化する世界」
というテーマでお話しします。

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これは去年のどこかでオンラインサロン内で語った内容なので、サロンメンバーさんからすると「知ってるよ」という話になるかもしれませんが、「復習」の意味も込めてお付き合いいただけると嬉しいです。

インターネットによって知識や技術が共有されるようになり、すべてのサービスのクオリティーが上がり、均一化された今、「機能」で差別化を図ることが極めて難しくなりました。

となってきたら、もう後は、「誰が提供しているサービスなのか?」で選ぶようになってくる。
これを僕は「『機能検索』から『人検索』になってるよね」と言ったりします。


言い換えると「誰にお金を落としたいか?」
要するに、「サービスを購入する」という行動が、「支援」に近くなってきているんですね。
現代のサービス提供者に求められているのは、この「誰」に入ることですね。


さて。
僕らがサービスを購入する側(支援する側)は、何を基準に「誰」を選んでいるのか?


いろいろあると思います。
「人柄」もあるだろうし、「以前、お世話になったから」というのもあるだろうし、「その人の夢を応援したい」というのもある。

そして、最近は、その選択理由の一つに、「その人が何にお金を使ってくれる人なのか?」が入ってきていることを肌で感じます。

たとえば昨日、立ち上げた「スナック西野」(YouTubeのメンバーシップ)は、「収益は全額、国内外の子供達への映画や絵本のプレゼントか、被災地支援に使います」と宣言しています。

そう宣言することによって、メンバーシップを購入する人は、「関節的に国内外の子供達の支援か、被災地支援をすることができる」と思うことができる。


本来は「西野と西野の友達のサシ呑みを観れる」が買う理由だったハズなのですが、こうして収益の使い道を明らかにすることで、買う理由がもう一つ増えるんですね。

場合によっては、「時間的に見れないけど、売り上げをそういうことに使ってくれるのであれば、買う」という人も出てくる。
この人に関しては、もはや、商品すら受け取っていない。

これ、「クラウドファンディング」の建て付けとまったく同じなんです。


クラウドファンディングも支援の使い道を明らかにしているじゃないですか?
「そういうことに使ってくれるのなら応援します」ということでリターンが購入されている。

サービスのクオリティーが上がり、均一化した未来の経済活動は、極めてクラウドファンディング的になるなぁと思っています。

もちろん、「売り上げの使い道を明らかにする」は、どこまでいってもサービス提供者の任意であって、くれぐれも消費者が「サービス提供者のお金の使い道」に口を挟むのは良くないとは思います。

ただ、サービス提供者は、売り上げの使い道を明らかにすることによって売り上げが加速することは間違いない。

ポイントは、必ずしも「世の中の為になることに使わないといけない」というわけではないという点です。

ウチのスタッフの田村Pがオンラインサロンをやっているのですが、サロンの売り上げを使って、3ヶ月に一度ほど贅沢してくれるんですね。で、「皆さん、あざす!」とかイチイチ報告してくれる(笑)

その報告って、本来しなくていいじゃないですか?
オンラインサロンの収益は、サロンオーナーの労働の対価なんだから、100%サロンオーナーのものなんです。

八百屋さんが野菜を売ったお金で風俗に行っても、誰からも咎められるものではない。
それが経済活動のルールですよね。


ただ、田村さんは言うんですよ(笑)

「あざす。皆さんのおかげで、贅沢させてもろてます」みたいなことを。

するとですね、(僕、田村さんのサロンのメンバーなのですが)僕らサロンメンバーからすると、ペットが美味しそうに餌を食べている感覚になって、幸せなんですね。

どこかで「ええよええよ。好きに使こて」とか思っちゃってる。

「好きに使こて」も何も、それ、田村さんのお金なんです。
テメエに「好きに使こて」なんて言う権利なんて無いんです。
が、事実、そう思ってしまって、で、「この人にお金を使って良かったなぁ」と思っちゃう。


売り上げの使い道がクールかキュートのいずれかであれば、サービス提供者は売り上げの使い道をどんどん言っていった方がいいと思います。
それこそが選ばれる理由になるので。

これからの時代の攻略法としては、実際にクラウドファンディングをしてみるのがいいと思います。

「どういうお金の使い道が応援されるのか?」「どういうプレゼンが応援されるのか?」が数字で分かりやすく出るので。メチャクチャ勉強になると思います。

逆に言うと、クラウドファンディングが上手い人にとっては、住みやすい世界になることは間違いないです。

そんなこんなで今日は「クラウドファンディング化する世界」についてお話しさせていただきました。

暑い日が続きますが、頑張っていきましょう。

というわけで、
「クラウドファンディング化する世界」
というテーマでお話しさせていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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