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キンコン西野が興味を持っているモノ

このnoteは2020年5月14日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供: キャッチコピー:整体師の坂本あんらくさん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「キンコン西野が興味を持っているモノ」
というテーマでお話しします。

メリットを確認してから動く人は負ける

僕は、最近よく仕事の合間にYoutubeの生配信をしています。昨日の生配信で、興味深い質問を2ついただいたので、今日はそのことについてお話しします。

一つ目は、「西野さんのサロンに入ったらどんなメリットがありますか?」という質問です。本音を言うと、サロンに入ってもらえると嬉しいという気持ちはあります。ですが、それは一旦横に置いておいて、今からお話しするのは、西野のサロン云々の話ではなく、「メリットを事前に確認するのは何なんだ」というところです。

結論、多くの場合においてメリットが確認できてから動く人は負けるんです。この理由はシンプルで、メリットが確認できるときは、どういう状況であるかということを、分解して考えた方がいいでしょう。

これをわかりやすく言うと、すでにメリットを享受した人がいるということじゃないですか。メリットが確認できるというのは、誰か勝ってる人がいて、じゃあ自分もそこにいこうということなので。
多くの場合において、先行者利益というものがあり、先に始めた人勝ちなんです。

つまり、「カジサックが、オリラジの中田君が、Youtubeに転身して成功したらしい。どうやらYoutuberは稼げるらしい」ということを確認できてから、Youtubeに参入するタレントは、エガちゃんみたいな特別なケースを除いて、基本的にカジサックとオリラジ中田君に負けるんです。

最初に始める人は、やはり批判も多いですが、批判された歴史というのは物語になるし、ファンの結束を強めてくれるし、めぐりめぐってそれはメリットになります。

「Youtubeは稼げるらしい」というメリットが確認できた後に参加したタレントには、まず『物語』というのはもらえません。物語がもらえるというのは、やっぱり先行者利益の一つなんです。

一方でネットワーク効果というものがあります。これは、参入者が増えれば増えるほど、受け取れるメリットが多くなる効果です。

有名なのは電話です。みんなが電話を使っているから、電話の価値が上がる。電話を使っている人は、世界に3人しかいない時の4人目になるか、それとも世界中の人が、電話を使っているという状態で電話というものを始めるか。
やっぱり後者のほうが、電話の使い勝手は良くなってますよね。

実は、一定人数を超えたオンラインサロンというのは、このネットワーク効果が機能し始めるのですが、サロンの話は一旦横に置いておいておきます。

基本的に多くの場合において、メリットが確認できてから動く人というのは、先行者利益を取った人に負ける。ここは念頭においておいた方が良いでしょう。

(株)NISHINOの若手が置かれている環境

2つ目です。
昨日いただいた質問で、もうひとつ興味深かったのが、「西野さんが今、興味を持っているものは何ですか?」というものです。

これには色々ありますが、やっぱり僕は友達のアクションに興味があります。「次そんなこと仕掛けてくるのかー!すげー!やべえ!」といったように。

それを思わせ続けてくれるから、友達でいられると言うのもありますね。
これは卵が先か、鶏が先かみたいな話ですが、やっぱり友達のアクションというのは常に見てます。

それに加えて、今興味があるのは後輩です。僕の後輩には芸人の後輩と、社員及びインターン生、株式会社NISHINOという会社の社員、及びインターン生がいます。

このうちの後者、社員及びインターン生の動きというのは、最近すごく気になっていて、彼らがやっている挑戦は何かというと、0→1の作業ではなく、1→100の作業してるんです。

彼らの同世代の子たちは20代で、20代は基本はまだ何も持ってないので、多くは0→1の作業です。それはそれで面白さはあります。

ただ、うちの社員及びインターン生がやっているのは、0→1の作業は西野にやらせて、自分たちは西野が作った1を100にする作業している。

つまり、西野に『えんとつ町プペル』を作らせて、自分たちはそれを使って
エッフェル塔で個展をしたり、今だと『えんとつ町プペルVR』を開発したりしています。

僕はこのVR開発に携わってるわけではないし、エッフェル塔の個展に携わったわけでもない。彼らが陣頭指揮を取って進めています。

リアルな問題で言うと、予算も引っ張ってこれるわけじゃないですか。エッフェル塔の個展の制作費は3000万円くらいです。

「それを扱う若手って何?」と思いませんか。
ちょっと興味深くないですか。

彼らは、大学生とかでそれを使ってしまっているので、個人的にニヤニヤしちゃうんです。

「お前らめちゃくちゃ恵まれた環境で挑戦させてもらってるぞ」、「そりゃ面白いことしてくれるんでしょうね」という周りからのプレッシャーが彼らにかかっている。

同世代の子たちのアクションが面白くなかったとしても、「まだ若いからね」で片付くんです。けれども、恵まれた環境をいただいた上での挑戦って、よっぽど面白いことをしないと失敗なんですよ。あの世代でこの挑戦している人はなかなかいなくて、全くもって新人類です。

そんな彼らが、プレッシャーに負けて潰れるのか、それともそれを跳ね返して爆発するのか。そこには、やっぱり興味があります。

自分は19歳の時にこの世界に入って、20歳の時に『はねるのトびら』という番組がスタートしました。この番組はフジテレビが社を上げて、「絶対にゴールデン持っていって、ここからスターを作るぞ!」と、鼻息荒くして始まった番組です。

『新しい波8』という毎週のオーディション番組が1年間もあり、そこで最終に残った5組が『はねるのトびら』のレギュラーメンバーとしてスタートしました。

ここで自分たちは、何の経験もないわけじゃないですか。
この間まで高校生だったやつが「番組仕切れ」と言われて、大物ゲストが来られた時に、それを捌かないといけません。

それは、ものすごいプレッシャーなんです。梶原君はこのプレッシャーに負けて、一回潰れてしまいました。精神的に飛んじゃって、疾走してしまったんです。

自分も、履かせてもらっている下駄、担がれている神輿に応えきれない毎日を過ごして、悔しくて眠れない毎日を過ごしました。でも今思うと、成長しないと死ぬというあの環境は、自分を成長させてくれたんです。次は僕じゃなくて彼らの番だな、ということを感じています。

羨ましいと思う方もいらっしゃるかもしれません。
それこそ、「プペルVRが完成しました!」と発信して、ファンの方がべらぼうに期待して集まって来てくれて、その時に、プぺルVRが面白くなかったとしたらどうですか。めちゃくちゃ失望に繋がるんで、結構怖いことですよ。

そのプレッシャーと対峙している彼らの明日には興味があります。

というわけで、
「キンコン西野が興味を持っているモノ」
というテーマでお話させていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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