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お笑い芸人の新しい収入源を作る by キンコン西野

このnoteは2020年4月22日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:笑顔の架け橋職人サクラサヤカ さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「お笑い芸人の新しい収入源を作る」
というテーマでお話しします。

みんなを助けたい

ちょっとだけ褒めて欲しい話です。

新型コロナウイルスの感染が拡大し、しっちゃかめっちゃかになる前から僕は結構頑張っていて、日頃からよく「『エンターテインメント』は、お客さんの安心安全が担保された上に成り立つものだ」と言っています。

だからまずは、お客さんの衣食住を確保することが必要で、それを確保するのは、その時代に立ち会った影響力や行動力がある人間の務めだと思ってます。

これはちょっと頑張らないとなと感じて、連日、あれやこれやとやっているわけですが、その一環で、サロンメンバーの会社で働きたい人とサロンメンバーを雇いたいサロンメンバーの会社をマッチングする場所を作っています。

「1カ月で100人以上の仕事を作ります」と宣言しましたが、まもなくサービス開始1週間で100人を突破しそうです。
他にも、台風や地震に襲われて、避難所生活を強いられたら終わってしまうと思うので、サロン内ではそういった災害対策なども進めております。

ここは必ずなんとかします。

こんなことをしているんですけども、「じゃあ西野サロンメンバーしか助けないのか」と言うと、まさかそんなことはありません。身近なところで出来るところから順にやっていると言うのが現状です。

そして、僕には結構後輩が多いので、「吉本興業と吉本芸人もなんとかしたいな」と思ったんです。

芸人という生き物は、これまで劇場やテレビのスタジオなど、そういった『場所』に紐づいた活動をしてきました。

しかし、今回のコロナの影響で、『場所』に集合することが難しくなってしまった。つまり、収入源を剥奪されてしまったのです。

今から慌ててYoutube を始めても、始めるのは良いことだと思いますが、収益化するまでには時間がかかりますし、だからといって今はアルバイトもできません。

その日暮らしの芸人の中には、家族を養っている芸人もいて、やはり家族を守らなければいけないのですが、多くの芸人が今、なすすべなしという状態にあります。

当然、ここは無視するわけにはいかないので、芸人が家に居ながら稼げる仕組みを作ろうと思いました。
そこで、吉本興業と掛け合って、zoomを使ったオンライン飲み会『スナック吉本』と、zoomを使ったオンラインお茶会『純喫茶よしもと』というのを作ってみました。


ルールはいたってシンプルで、『スナック吉本』の場合なら芸人がママになり、限定7名ほどのお客さんを相手にzoom飲み会をするものです。参加者は、このスナックの入場料を支払う形になります。

この入場料というのは、芸人によって違います。ちなみに、『スナック西野』はべらぼうに高いので、あまりおすすめしないです。他の芸人さんのスナックをおすすめします。

取り分を明確にしておいた方が、お客さんも気持ちよく応援できると思うので、勝手に発表させていただきますが、スナック吉本の取り分はサイトの手数料です。
言ってしまうと、このサイトはカード決済の手数料やサイトを運営するためのコストがかかったりするんです。

サイトの手数料を引いた残りを、芸人と吉本で7対3で分けます。芸人が7で吉本が3です。

一方、『純喫茶よしもと』というのは、『スナックよしもと』のお昼バージョン&ノンアルコールバージョンです。

同じくお客さんは7人か6人程度に絞って、zoomを使ったお茶会をします。参加者オンライン喫茶の入場料を支払います。

こちらで『純喫茶西野』もやるんですけども、『純喫茶西野』の料金もスナック同様ぼったくっておりますので、これはあまりおすすめしません。他の芸人さんの喫茶店を探してみてください。

こちらの取り分は少し違っていて、サイトの手数料を引いた残りを芸人と吉本で8対2で分けます。芸人が8で、吉本は2いうことになっております。

この仕組みさえ作れば、「明日の夜ちょっと時間が空いてるから、スナックのママやろうかな」とか、「明日の仕事の合間に、純喫茶のパパマスターをやろうかな」みたいな感じで、サクッと小遣い稼ぎができます。

しかも、かなり人数を絞ったファンの方との、このプレミアムな交流を深めることができる。そして、ここで繋がった太い関係は、コロナ後も必ず芸人さんの活動のプラスになると思うので、これは結構いいと思います。

やれるところから始めよう

この企画を4日前に思いついて、その直後にサロンの方で発表し、そこから秒速で社内調整をして、今回企画がスタートしました。

褒めて欲しいのは何かというと、このお小遣い稼ぎ装置を個人で作ったわけではなくて、日本最大の芸能事務所を巻き込んで作ったという点です。

ここをもう絶対に褒めてください。
街で西野を見かけたら、「お前頑張ったな」と言ってください。

ぶっちゃけ個人で作ろうと思えば、こんなの15分か20分もあれば作れるんです。ただ、100年以上の歴史がある『吉本興業』という大事務所に、「有料のzoom飲み会プラットフォームを作りましょうよ」と提案しても、絶対に話は前に進まない。

これは大企業と仕事をしたことがある人なら、分かってくれるはずです。『名前がある企業』というのは、守らなければいけないものも多いので、やっぱりコンプラチェックなどで、実現までには平気で半年、1年かかるんです。

でも今回、多くの芸人がそんな時間はないわけじゃないですか。「明日どうやって食っていくの」という状態で、今すぐにお金がいるんです。

でも、『スナック吉本』などで、ややこしいお客さんが混じっていたらまずいじゃないですか。例えば、トロサーモンの久保田やスーパーマラドーナの武智が酔っ払って変なことを言い出すので、週刊誌の人などがいるとまずいんです。

そういったものをチェックする仕組みを大急ぎで組み立て、4日でサービスをスタートさせました。

最後の最後は、「今日中にリリースしないと僕の機嫌がすこぶる悪くなるぞ」という脅しを会社にかけて、強引にシュートをねじ込んでみた、というところです。

この新型コロナウイルスで、今、本当に皆さんが大変な思いをされていると思います。乗り越え方の正解というのは、きっと他にもあるでしょう。

当然、芸人の場合であれば『スナック吉本』や『純喫茶よしもと』だけではないはずです。

おそらく、この『スナック吉本』『純喫茶よしもと』というのを走らせてみた結果、「ちょっとここまずいよね」とか「ここを改善しなきゃいけないよね」というのも、いっぱい出てくると思われます。

ただ、思いついたところ、やれるところから始めて、少しずつ問題にぶち当たって改善を繰り返していかないと、いつまでたっても始まらないなと思いました。

今回の『スナック吉本』、『純喫茶よしもと』に限らず、今後もどんどん仕掛けていきたいです。

この『スナック吉本』と『純喫茶よしもと』に関しては、吉本興業初のクラウドファンディング『シルクハット』中でオープンしております。興味がある方は覗いてみてください。

そして、こういった企画立ち上げから実現までの裏側は、オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の方で覗けます。

僕が今手掛けている最新ビジネスに関する記事を、毎日2000文字3000文字投稿しておりますので、興味がある方はこちらもぜひご覧ください。

たぶん、僕の仕事量と僕のお仕事のスピードに1回は絶望すると思いますので、学生さんとかは早いうちに見てた方が良いと思います。「これがプロのお仕事ですよ」と言うのが知れるはずです。

というわけで、
「お笑い芸人の新しい収入源を作る」
というテーマでお話させていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
んでもって、ビジネス書に掲載するレベルのコラムを毎朝投稿しています。
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