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一人で声を上げた人を、一人にさせない一人 byキンコン西野

このnoteは2020年12月26日のvoicyの音源の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:梅田の隣 中津のまつけん さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。


本題に入る前にお知らせをさせてください。

本来であれば「西野亮廣エンタメ研究所」の公式YouTubeチャンネルで本日配信するはずのスナック西野(僕の友達を自宅によんでお酒を飲みながらうだうだと喋るどうしようもない動画)ですが、映画公開の翌日ということもあって、それにあった別の動画を用意させていただいているので、スナック西野の配信は日を改めさせてください。

くれぐれも今週の配信がないということではなくて、別の曜日に移動させていただくだけです。

ちなみに今週のゲストは、うちのスタッフの田村Pです。

どういう人物かというと、「明日のスナック西野の配信はずらしてひとまず映画に集中した方がええんちゃう?」という注文をするような人です。

マネジメントやプロデュースに興味がある方は必見の回となっておりますので、こちらもお楽しみに。

今日は配信しませんが、2、3日後ぐらいに配信すると思います。


そして、もう一件。

昨日の深夜に東宝さんの公式YouTubeチャンネルで【徹底解説『映画えんとつ町のプペル』に迫る】という23分の動画がアップされました。

これ実はですね、ただの動画ではなく、業界の方だと23分っていう尺で気づかれる方もいらっしゃるかもしれませんが、ここにはとんでもない実験が含まれていて、その話については今日のオンラインサロンの記事で書かせていただきます。

で、【徹底解説『映画えんとつ町のプペル』に迫る】ですが、これは映画を観に行こうかな?と悩んでいる方や、すでに一度見られた方が対象で、もうすでに映画を観に行くことを決めている方は観ないでください。

観ないでねっていうのも変な話なんですけど、もう行くことを決めちゃっていたらまずは映画の大画面、大音量を浴びてください。そして、この動画を観るのはそのあとで十分なので。

あくまでこの動画は、観に行くかどうか迷っている人と、すでに観た人向けです。

【徹底解説『映画えんとつ町のプペル』に迫る】は、東宝の公式YouTubeチャンネルにアップされております。


どちらも必要

というわけで本題です。

昨日、無事に『映画えんとつ町のプペル』の幕が上がりました。

今から15年前に0.03ミリのボールペンを握りしめて、誰からも求められていない中でスタートした挑戦でしたが、紆余曲折、七転八倒ありながらもこういった日を迎えることができたのは、ひとえに応援してくださったみなさまと、スタッフのみなさまのおかげです。

本当にありがとうございました。

メディアにでるときは、一応僕はフロントマンなので、「キンコン西野の作品」という紹介のされ方を黙って背負いますが、そんなことは一ミリも思っていなくて、『えんとつ町のプペル』はみんなで作ったみんなの作品だと思っています。

映画館で売られているパンフレットを見ていただいたらわかると思うんですけど、僕のページが少ないのはそういった想いからです。

みんながいなかったら完成していないので、本当に感謝しています。
ありがとうございます。

無事に初日を迎えた『映画えんとつ町のプペル』ですが、みなさんツイッターとかに流れてきているかもしれませんが、評判が本当にめちゃくちゃいいんです。

こんな評判がいい映画ってみなさんあんまり聞いたことないかもしれないです。「#えんとつ町のプペル」で検索したら、いま大変なことになってます。

昨日は丸一日ツイッターのトレンドに上がっていたんですけど、みるとですね、昨日一日で三回観たってツワモノもいましたね。三回ですよ(笑)しかも「まだ行く!」とか言うてて。すごいなと思う。

「泣きすぎるからバスタオルが必要」「バスタオル映画」とか言われていますが、これ本当に大げさじゃなくてマスクとかぐしょぐしょになるし、メガネは曇る。「マスクがぐしょぐしょになりました」っていう報告がいろんなところから上がってます。

映画業界に長くいるスタッフも「こんな反応ははじめてだ!」と驚いていて、これが今後どういった展開を産むのか。

もちろん恐怖もありますよ。ですが、やっぱり楽しみが大きいです。

そして、その反応の中でも目立っているのは「拍手」ですね。

雨上がり決死隊の宮迫さんが普通に観に来てくださったみたいで感想をツイートしてくださっていたので読ませていただきますね。

宮迫さん、本当にありがとうございます。そうなんですよ。

昨日ですね、全国の各劇場で『映画えんとつ町のプペル』の上映終了後に拍手が起こったんです。一箇所とかじゃなくて全国の劇場で拍手が起こったんです。

普通ね、エンドロールが流れたらみんな席を立つじゃないですか。

昨日、映画館に行かれた方はその光景を観られたかと思いますが、『映画えんとつ町のプペル』は誰も席を立たずにエンドロールを最後までみてくださるんですね。

その理由のひとつにですね、エンディング曲の『えんとつ町のプペル』っていう曲自体が主人公ルビッチが語るエピローグになっていて、そこまでが作品なんですね。ルビッチ目線の歌詞なんで。全部。

お客さんがみんなその意図を汲み取ってくださっているんだと思います。

で、拍手ですよ。

エンドロールが流れ終わって最後に「おしまい」ってバンッてでるんですけど、それと同時に各劇場で拍手が起こったんですね。映画館で拍手が起きることってあんまりないと思うんですけど、これに関していうと、まずは拍手をする一人目になった人がそこに存在するわけじゃないですか。

結構勇気がいったと思うんですよ。自分が拍手をして誰も後に続かなかったら恥ずかしいじゃないですか。それでも勇気を振り絞って制作スタッフの労いを表明してくださって。

それはまるで映画のラストシーンの主人公ルビッチと町の人たちの関係みたいで最高なんです。

一人目になってくださった方はもちろんですが、一人目になった人をひとりにさせなかったみなさんにも感謝申し上げます。

作品がきちんと届いていることが確認できて『映画えんとつ町のプペル』のスタッフが全員喜んでます。本当にありがとうございました。


で、ここからが本題なんですけど、

『映画えんとつ町のプペル』の上映後の拍手って本当に大きな意味があると思っていて。

映画を観終わって、勇気を振り絞って起こした主人公たちの背中を観終わってですね、行動する自分になるか否かの最初の問いになっているような気がしています。

そこには自分の気持ちやスタッフへの労いを表明するために「拍手」をする一人目になろうと覚悟を決めてくれた人もいれば、「拍手をしたいな」と思っていても、だけど自分一人になるかもしれないからどこからか拍手が起こったタイミングで遅れて拍手をする人もいると。

くれぐれもそこには間違っている人なんて一人もいなくて。
それがリアルだと思うんですね。

「自分ってこういうポジションを取るやつなんだ」ってわかる。それを知れることに意味があるから。

そうしてはじめて「じゃあ、次からはどうする?」って議論がうまれる。
それがすごく大切だと思います。

僕の場合で言うと、最初ひとりだったんですよ。

0.03ミリのボールペンでちまちまと書くわけですが、ようやく完成させた絵本が売れるわけでもなく、そこからせっせと手売り。

その姿は見る人から見れば惨めにうつったかもしれません。

テレビという華やかな世界から軸足を抜いて、それを始めたクチなので。実際に「落ちぶれた」という言葉なんて何万回も浴びたんですね。

ただそんなことを続けているうちに「西野をひとりにさせない」って人が一人増え、二人増え。

冒頭でも申し上げましたが、そういった方々のおかげで映画の初日を迎えることができました。

ひとりにさせない人の力が本当に大きかったんです。

『映画えんとつ町のプペル』はまさにそういう物語で。一人目になった人と一人にさせなかった人の冒険劇です。

どちらも必要で、どちらかが欠けていたらハッピーエンドは迎えられなかった。

そういったものが「映画上映後の拍手」に現れていて、めちゃくちゃおもしろいなぁと思っています。

今日はちょっと喋りたいことがまだあるので、次のチャプターに移動します。

なんとしてでも届ける

ゴールテープを切ったような感じで喋っておりますが、『映画えんとつ町のプペル』はまだまだ始まったばかりでハッピーエンドは遥か彼方なんですね。

勘違いしちゃいけないのは、僕らはテレビアニメの映画化でもなければ、テレビドラマの映画化でもない。世間的にはまだまだ知られていない「絵本の映画化」っていう、いわゆる弱小ベンチャーで。

そいつがいきなりモンスター作品がひしめく超激戦期に挑んでいるので、少しでも気を抜けば一秒で消えちゃうんですよ。僕らなんか吹けば飛ぶくらいの弱小ベンチャーなんです。

とはいえですね、これだけ多くの想いを背負ってる作品を死なせるわけにはいかないので、今日からも気を引き締めて一人でも多くの方に届くように走り回りたいと思います。

ちなみに、完成披露試写会や初日舞台挨拶のような華やかなステージではありませんが、やっぱり映画館に来てくださった方には自分の口できちんとお礼をお伝えしたくて、僕は各劇場をまわって上映前か上映後に2、3分ほどお礼のご挨拶をさせていただこうと思ってます。

ひとまず今日明日の予定を言うと、

今日は東宝シネマズ上野の9時5分の回の上映終了後。
そして、東宝シネマズ日本橋の10時20分の回の上映終了後。
13時25分の上映開始前。

計3回登壇させていただきます。

そして明日は、

東宝シネマズ流山大方の森8時35分の 上映終了後。
11時40分の上映開始前。

そして東宝シネマズららぽーと船橋の12時15分の回上映終了後。
15時20分の回上映開始前。

にそれぞれ登壇させていただきます。

本当は一緒に写真を撮ったり、握手したり、感想を話し合ったりしたいんですが、いまは時期が時期ですから、めちゃくちゃ心苦しいですが距離を取らせてください。

挨拶後、さっさと立ち去る姿はすごくそっけなく見えちゃうかもしれませんが、結構、意外と胸が痛かったりします、というか、むちゃくちゃ胸が痛いです。

でもここはね、きちんとソーシャルディスタンスは守って、いつかコロナが落ち着いたらみんなと一緒に酒を酌み交わしながら感想を言い合うことができればうれしいです。

とりあえず今はですね、『映画えんとつ町のプペル』という作品を、希望を、死なせないために。そして映画館を応援するために。そして今もギリギリで踏ん張っているあなたを応援するために。各劇場を回り続けますので、お近くの劇場に西野が来た際は一目会いにきていただけるとうれしいです。

今日は、東宝シネマズ上野と、東宝シネマズ日本橋にお邪魔します。

最後にですね、「#えんとつ町のプペル」で映画の感想をつぶやいていただけるとうれしいです。

移動中、僕はずっと最近はそればっかり見ていて、その感想に本当に救われるんです。

みんなが見てくれたとか、みんなが喜んでくれたとか確認できることで、本当に救われるし、まだまだ頑張るぞって思わせてもらってるんですね。

なので、感想をいただけるとうれしいです。

まだまだ頑張ります。引き続きよろしくお願いします。

『映画えんとつ町のプペル』、映画館でお待ちしております。


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