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キンコン西野が語るゴッドタンの恐怖

このnoteは2019年12月5日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:さかいなおみさん

おはようございます。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

年に一度届く「赤紙」

さて今日はですね、「キンコン西野が語るゴッドタンの恐怖」というテーマでお話ししたいと思います。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、
年に1度ぐらいですかね、
ゴッドタンっていう、地獄番組に出させていただいているんですけれども、
「なんであんなメチャメチャな目にあってるのに毎回出てるの?」
みたいなことを結構言われるんですね。

このことについて、今日はちょっと深掘りしていきたいんですけども。

基本ですね、僕はテレビが好きなんですよ。
テレビが好きだしテレビをつくっている人が好きなんですね。

友達もたくさんテレビ局に勤めていたりだとか、
タレント、芸人をやっている人がいっぱいいるので
基本テレビは好きだと。

やっぱり現場に入ったらみんな優しいし
毎回げらげら笑って、毎回面白いんですね。

踏み込んだ話をすると・・
うすうすお気づきかもしれませんが、
僕なんかは軸足をこうテレビにおいてないので
「この番組で爪痕残さなきゃいけない」っていう気負いがない。
これがたぶんすごくプラスの方向に働いていてですね。

やっぱり基本テレビっていうのはもう、
現場にいたらめちゃくちゃ楽しいです。

ただ、いただいたオファーを全部受けちゃうと
やれなくなってしまう仕事がたくさんある。

例えば、ついこないだやったエッフェル塔での個展だって
あれをやるにはかなりまとまった時間がいるんですね。

準備期間も必要だし、
大人の話をすると
この資金を調達するための時間っていうのも必要だと。

オンラインサロンのプロジェクトの準備で
僕は今海外にいるんですが、
レギュラー番組っていうのを持ってしまうと
基本的にはこういった動きもできなくなってしまう。

それで、テレビはものすごく好きだし、楽しいんだけれども、
どうしても100%で参加できない事情があります。

まぁテレビタレントとしての才能が僕はないので、
参加できないっていう事情もありますよ。

そんなに器用に立ち振る舞えるタレントではないので、
参加できないっていう実力不足の面もありますが、
それとは別で物理的に参加できないことがあると。

この「物理的に」っていうのはスケジュールの都合で
参加できないということが結構あるということですね。

そういったこっち側の事情を、大胆に無視するのがゴッドタンという番組でですね。

年に1回ぐらいですかね。
番組プロデューサーからうちのマネージャーに
「そろそろだと思います。」って電話がかかってくるんですね。

「そろそろってなんだ?」って話なんですけど、
毎回、「そろそろじゃないですか?」っていう連絡があるんですよ。

フットボールアワーの後藤さんとか、ゴットタンのこの「そろそろじゃないですか」っていう電話のことを「赤紙が届いた」っていう表現されていましたが、本当に言い得て妙で、これ召集令状なんですね。

呼び出されるんですよ。

で気がついたら僕の意思などは関係なくスケジュールが抑えられている。

今はもう慣れてしまったんですが、
当時はこのオファーを断ろうものなら
「逃げんのかよ」
みたいな空気すらあった。

これはもう暴力ですよね。ほぼね。
もうヤンキーの先輩に呼び出されたみたいな感じですね。

仕方ないじゃないですか。

現場に行くとですね、
そこから先はもうオンエアされている通りで
もう本当にねもう無茶苦茶なんですよ。

「西野を嫌いになろう」っていうコーナーがあったりするんですけど・・
なにそれ。「西野を嫌いになろう」って。

「西野を嫌いになろう!!!」って矢作さんがどなって
「イエー!!!」っていうけど
僕がそこに参加する理由一つもないじゃないですか。

ぼく何でわざわざ嫌われるために行ってるかよくわかんないんですよね。

でその事をですね、
「僕が参加するモチベーションはどこなんですか?」
みたいなことを矢作さんに聞いたら
「モチベーション?」みたいな。

「西野ってほんと横文字が好きだなー」とかなんとか言われてはぐらかされると。
「すげー。モチベーションかー、かっこいいなそれ。」みたいなこと言われて、取り合ってもらえないですね。

仕方がないですよね。西野を嫌いになろうっていうコーナーに
前のめりに参加しなきゃいけなくなっちゃうんですよ。
そういうそんなことありまして
だいたい毎回僕と劇団ひとりさんとの対決であると。

ボードに書かれているですね、様々な対決が9個ぐらいあるんですけど、
まぁこのたくさんある対決の中でまたひとりさんがですね、
一番最初に一番ひどい対決を選んだりするんですよ。

もうカミキリ対決みたいなカミキリ対決って言うのは
自分の髪をどれだけたくさん切れるかっていう、もうカオスです。
相手よりもどれだけ自分の髪をたくさん切れるかという。

自分の髪を持って自分でもう片方の手でハサミをもって切るんです。
俺はこれだけ切れるぞっていう

よくわかんないんですけど、
これでもって「西野嫌いになろう」っていう、もう文脈とかもう無茶苦茶なんですよ。
どうだっていいんですよ文脈ってあれ。

その自分の髪をバーって切って、
僕は結果ですね、前髪がもう禿げ散らかすわけですけども。

その後にですね、
アイドルに罵られてどこまで耐えられるか
対決とかを選んじゃうんですけど、

この出てきたアイドルに
「てめえはいつも横顔でカッコつけてるなー。」とか罵られてもさー
そんなことよりもさっきの対決で頭がはげちゃってることの方が
ダメージがでかいからそのアイドルのパンチが全然はいんないんですね。

横顔でカッコつけてるなっていわれても、もう今もう禿げちゃってるし
僕落ち武者みたいになっちゃってるし全然、言ってることぐちゃぐちゃなんですよ。

アイドルの言葉ぜんぜんはいらなくて
結果、もうめっちゃ滑るんですよ。
そらそうじゃないですか、なんかどうだっていいんだ
もう今から今更罵られても、もう今とかはげちゃってて。

明日の仕事どうするかなーとか、ああこれまだいろんなスタッフさん
に伝えてないぞとか、

僕はその時は自分が出版する本の表紙撮影が
1週間後に控えていたんですけど、
これなくなっちゃったなぁみたいな

そういうことを考えるんですね
そんなことを考えている中、お前は好感度が低いなあとか
いじられてももはやどうだっていいんですよね。

そんな僕がどうだっていいって思っていることは
当然スタジオのスタッフさんもそらそうだよなって
思ってらっしゃるので地獄的にすべると

こんな事故って素人でも予想できるじゃないですか。
そのもっと1発目に髪切っちゃダメだよ。
その後の対決が弱く見えちゃうからみたいな

素人でも予測できるんですがそれが
ゴッドタンチームでですね。
おぎやはぎさんで劇団ひとりさんなんですけども

大体この辺に行けばオチがつくなって見えてる未来にはね
全然はらないんですよね。

だから死ぬほどと滑るんですけど時々、時々ね
何もないところにみんなでつっこんでいって、もうみたこともないカタチな
宝が掘り起こされると。

この瞬間これまで受けた様々な仕打ちがチャラになって
心の中ではおぎやはぎさんやひとりさんとかスタッフの皆様に
ありがとうございます。とか言っちゃってんの。

プラマイいうと完全にマイナスなはずなんですけれども
どういうわけか毎回の計算式が狂って「ありがとうございます。」という答えが出てくる

今もこうやってしゃべってて、思い返してみて、
なんか感謝しちゃってるんですよねー。
もう DV 男と別れられない女ってこんな感じかもしれないなぁ。

最近じゃね、何かするときに
何か新しい仕事を始めるときに
来年のゴッドタンで処刑されることを考えたら

ここをおどけずに手前になんか笑いは取らずにカッコつけ切った方がいいやろ。
みたいな、なんかゴッドタンの素材として生きることを考えるになってきた。

どう立ち振る舞えば来年いい感じに処刑してもらえるだろうみたいな。

処刑しがいのある自分になろうとするって言うよくわかんない、
自分の活動の軸がですね結構ゴッドタンにかなり侵食されていると

このまま行くとも番組制作費を貢ぎだすんじゃないかという勢いですね。
なんでこうなったんだろうなんでこうなったんだろうな(笑

まあ本当にどういうことがあってこうなったとか
よくわかんないけどたぶんあれ、みんなで協力して宝が掘り起こせた
瞬間がたぶんムチャクチャ気持ち良いんでしょうね。

グチグチ言いながらもですねまた赤紙が届けばまいったなぁと言いつつ馳せ参じますんで
次回の出演を楽しみにしておいてください。


それではまた明日。


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