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あらためて注目される「クラウドファンディング」、その戦い方byキンコン西野

このnoteは2020年4月27日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:別所 英幸 さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「あらためて注目される『クラウドファンディング』、その戦い方」
というテーマでお話したいと思います。

アイデアなんて何の価値も無い

昨日、僕がやっていたクラウドファンディングが無事に終わりました。

「映画『えんとつ町のプペル』を子どもたちに贈りたい」というプロジェクトだったのですが、支援総額は32784,000円。支援者数は13,319名でした。

本当にたくさんの方にご支援いただきました。
もう本当にありがとうございます。

今回のプロジェクト「映画『えんとつ町のプペル』を子どもたちに贈りたい」は、第二弾、第三弾と続けていくつもりでいます。

これは、映画『えんとつ町のプペル』を観たい子供施設の子どもたちと、その施設に映画贈りたい方のマッチングをクラウドファンディング上で行うものですが、

最終的にマッチングが成立しなくても、僕が個人で働いた分で支援させて頂きますので、手を上げてくださった施設の子供たちには、全員必ず、映画をプレゼントさせていただきます。

これは、第二弾、第三弾も同じルールでやらせていただきますのでご安心ください。西野が馬車馬のように働きます。

それで、今日はそんな「クラウドファンディング」のお話をします。

僕がやっているクラウドファンディングは、今回のコロナとは全く関係ないのですが、今、コロナの救済処置として改めて「クラウドファンディング」が注目されています。

一昨日、『AbemaTV』で「クラウドファンディング特集」という番組があり、家入一真さんやひろゆきさんが出演されていました。

僕もお声がけいただき、めちゃくちゃ出たかったのですが、スケジュールの都合がどうしてもつかずアーカイブの方で拝見させていただきました。

そこで知ったのですが、僕、西野亮廣個人では、クラウドファンディングの支援総額が国内最大で3億円を突破しているらしいのです。

これはもう、本当にみなさまのおかげです。

とはいえ、クラウドファンディングにはいくつか戦い方があり、番組内でも僕のテクニック面が取り上げられたりしたのですが、これに関して家入さんが「それも大事ですけど、そもそも」という話をされており、僕はこの家入さんのご意見にめちゃくちゃ賛同しました。

というのもやはり、「こうすればこうなります」というノウハウはキャッチーなんですね。

これは西野調べですが、世の中の人の95%以上は地道な努力をしたくない人で、そういったノウハウは地道な努力をしたくない人のものなので、やはり番組でも取り上げやすいんです。

番組で取り上げられていたのは、僕が『革命のファンファーレ』の中で番外編として書いたクラウドファンディングの小技でした。

それはいわば「調味料」で、そういった調味料はやることをやってから効いてくるものですから、それ単体では何の意味もなさないものです。

極上の調味料をうんこにまぶしても食えないじゃないですか。
うんこじゃないですかそれ。やっぱり素材なんです。

みんな本当にやらないのですが、やっぱり1on1で向き合って信用をコツコツ獲得していくほかないんです。

無名の人ならなおのこと。

それで、自分の胸に手を当てて聞いてほしのですが、ここ絶対抑えた方がいいなと思うことがあります。

みなさん、SNSのタイムラインなんてほとんどちゃんと見てないですよね。

コロナがわっとなってからもう1か月か2か月経って、クラウドファンディングの 「うちの店助けてください」とか「うちのライブハウスがつぶれかけてます」とかいったSOS 、正直お腹いっぱいですよね。

それが悪いと言っているのではなく、実際問題、あなたのお腹はもう一杯になっていますよね。

クラウドファンディングで誰かを助けると言うことを否定しているわけでは決してないのです。

ではなく、そればかり流れてくるから、もうお腹いっぱいじゃないですか。

タイムラインにそういったものが流れてきたら正直、「またかよ」と思っていますよね。「また支援お願いしますかよ」と。

それで、あんまり内容も見ていないはずなんですよ。

ぱっとタイトルだけ見て、「助けてくださいシリーズね」みたいな感じで、もう流し見するようになっていると。

これが全てです。これが現実ですね。

当然、あなたがクラウドファンディングの立ち上げ側に回っても結果は同じです。

どんな面白い企画をしていようが、どんな良いリターンを用意してようが、「またかよ」と思われて終わり。

これが人類総発信者となり、発信過多になった時代の現実、コロナ時代の現実です。

そのような飽和状態の中で選ばれる、立ち止まってもらえるプロジェクトって、多くの場合、プロジェクトの内容関係ないんです。

内容ではないのです。関係性です。
大事なのは、関係性を持っている人の数です。

ちょっと厳しい話になりますが、企画内容で差別化できた時代は、もう5年以上前に終わっています。

昔は、クラウドファンディングサーフィンを僕はよくやっていました。
そこには面白いアイディアが出ていたので。

「こんな新商品出るんや」とか、「こういうサービスを考えている人いるんや」と思うようなことがクラウドファンディングにはあり、アイディアの読み物としては面白かったんです。

でも今はもう、アイデアは出倒しているので、読み物としての価値があんまりなくなっています。

ここで絶対に踏まえた方がいいのは、今はもう5年前ではなく2020年なので、アイデア突破に夢を抱かないほうが得策です。

あなたがどれだけ素晴らしい商品を作って、どれだけ素晴らしいサービスを作って、どれだけ素晴らしいアイディアがあったとしても、そのアイデア一点突破はもう無理です。

同じような商品、同じようなサービスが他にあるから。

じゃあどこで差別化を図るかというと、本当にもう、関係性です。
関係を持っている人の数です。

「もうお前がやるんだったらもう何でもいいから応援する。もうリターンいらないよ」

と言わせるだけの人を、どれだけクラウドファンディングまでに集めたか。もうここしかありません。

それで、これはもう僕は何回でも言いますが、一人一人を大事にするしかない。

SNSなんてオワコンなので、いつまでもSNSに夢を抱いているのではなく、今はとにかく一人一人を「刺し」に行くことです。

一人一人に「ありがとう」と伝え、会った人を絶対ファンにする。
これをやらなければ、明るい未来なんか絶対にやってきません。

むちゃくちゃ厳しいことを2つ言います。

一つ目は、いつまでもSNSに夢を見るな。もう2020年だぞ。

全員が発信している時代で、発信に価値が落ちているのだから、当たり前の話です。

みんなが同じ発信をしている。1人当たりの発信の価値が落ちてるのが当たり前の話で、 SNSドリームなんてもうありません。

二つ目。

お前のアイデアなんか一個も面白くねえ。

これは厳しいことを言ってるようですが、もしこれが5年前ならば面白いかもしれないですが、お前のアイデアはもう出尽くしてるということです。

世界中で見た時、お前のアイデアは多分2000番目ぐらいだという。

こういうことが結構起きているので、その現実を受け止めた上でクラウドファンディングと向き合った方が良いと思います。

結論は、「関係している人の数」で差別化を図るということ。

なので、一人一人を大事にするという、おじいちゃんみたいな結論でございました。

というわけで、
「あらためて注目される『クラウドファンディング』、その戦い方」
というテーマでお話させていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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