動画の為に動画を撮るか、日常を動画にするか?byキンコン西野
このnoteは2020年9月3日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:寝ても覚めてもマイルのことばかり たびがえる さん
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
今日は、
「動画の為に動画を撮るか、日常を動画にするか?」
というテーマでお話しします。
僕はYouTubeで『スナック西野』という有料チャンネルを持っています。
これは月に二度、僕の呑み友達を僕の自宅にお招きして、お酒を酌み交わしながら、仕事のことをアレやコレやと喋る番組です。
番組とは名ばかりで、それこそ初回ゲストの箕輪厚介さんなんて、途中でほぼ寝ちゃってるんです。
そして、それを咎める人が一人もいない。
つまり、ほぼプライベートの呑み会なんですww
そのプライベート呑みを「月額590円」で有料配信させてもらっているのですが、その有料会員が、第二回ゲストの蜷川実花さんを終えた時点で「9000名」を突破しました。
僕らは普段、「フォロワー数」とか、「チャンネル登録者数」とか、「オンラインサロンメンバーの人数」とかを耳にしているから、「9000人」と聞いてもピンとこないかもしれませんが、言ってしまったら、これは「友達との普段の呑み会を垂れ流しているだけのチャンネル」なんです。
その有料会員が9000名を超えるというのは、コレは何が起きているのか、キチンと掘り下げて考えた方がいい事例だと思っています。
まず僕がYouTubeをやる時に最初に決めたルールは、「YouTubeに自分の時間を1秒も割かない」ということです。
「西野亮廣エンタメ研究所」というYouTubeチャンネルを持っているのですが、そこにアップされているのは、音声メディアVoicyのコピペをしたもので、つまるところ、YouTubeの為にYouTubeをやっていません。
僕の普段の活動を勝手に撮って動画資産化しているだけです。
そうしている理由はシンプルで「YouTubeに割く時間がないから」です。
映画を作らなきゃいけないし、新作絵本もバンバン作っていかなきゃいけない。
後輩やサロンメンバーと一緒に進めている国内外のプロジェクトもたくさんあって、それをやっていたら、1日が終わってしまって、動画制作に割く時間がない。
なので、「動画の為に動画を作るのではなく、普段の活動を横から撮って、動画にする」というのは苦肉の策です。
『スナック西野』も同じで、僕はよく友達から呑みに誘われて、そこで、お互いが今、取り掛かっている仕事をメインに、相談をしたり、アドバイスをしたりしているんですね。
そこで話した内容が形になって世に出るのは一年後だったりして、くわえて、誰かに観られることを前提としていない内容だから、とびっきり濃い。
今、時代を牽引しているクリエイターさん達が、とびっきり忙しい合間に、その会話にわざわざ時間を割いているわけじゃないですか?
それって、メチャクチャ価値があるなぁと思って、『スナック西野』という形で配信させていただくことにしました。
コレもまた、有料配信動画の為に時間を割いて動画を作っているわけではなく、普段の活動を横から撮って、それを有料動画にしています。
『スナック西野』があろうがなかろうが、僕らは夜な夜な集まって、同じことをしているんです。
『スナック西野』の場合は、それが「有料で成立している」というところがポイントだと思っていて、「何にお金が支払われているのか?」ということを掘り下げて考えた場合、おそらく今回の場合は「濃い内容」というよりも、「距離」にお金が発生しているんだろうなぁと思います。
僕は常々「完成品・メインコンテンツは無料化する」と言っていて、この読みはあながち間違いじゃないと思っています。収益化できるのは「メイキング」や、メインコンテンツのサブになるものであると。
このへんは、僕のオンラインサロンで深掘りしているので、是非、覗いてみてください。
この「完成品・メインコンテンツは無料化する」というポイントは押さえた上で、これからYouTubeで動画を発信される方に対しは、まずは「動画の為に動画を作るのか、否か?」ということは自問自答した方がいいと思っています。
僕、一番近くにいる相方がそれに当たるのでよく知っているのですが、「動画の為に動画を作り続ける生活」って、もうメチャクチャハードで、よっぽどの天才じゃない限り、まぁまぁ難しい。
時間的にも、いろんなものを犠牲にしなくちゃいけない。
それでも「そこで勝負をするんだ」と決めたら、あとはやるしかないと思うのですが、今、多くの人は、「動画の為に動画を作り続ける人生おくるか否か?」という判断をする前に、そこで勝負をしちゃってるじゃないですか?
つまり、
「動画の為に動画を作る」の他に「動画制作に1秒も時間を割かずに、普段の活動を動画にする」という選択肢を用意せずに、一目散に「動画の為に動画を作る人生」に突き進んでしまっている。
これって、火力発電と風力発電ぐらい違うものだと思っていて、電気を作る為に火を起こし続けるのと、そもそも風が吹き続けているとことに風車を置くのとでは全然違うと思うんですね。
もしかしたら、『スナック西野』のように、資産化できるポイントが普段の自分の活動の中に眠っているかもしれないので、「動画制作に1秒も時間を割かずに、普段の活動を動画にする」というのは選択肢の一つとして持っておいた方がいいと思います。
というわけで、
「動画の為に動画を撮るか、日常を動画にするか?」
というテーマでお話しさせていただきました。
それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。
※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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