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話を聞いてもらえるようになったので、当時の話をしてみる【キンコン西野】

このnoteは2023年1月31日のvoicyの音源、『CHIMNEY TOWN 公式BLOG』の内容をもとに作成したものです。

 
 

『テイラーバートン ~奪われた秘宝~』予算会議オンライン配信の参加者が1500名を突破!

 
夏に宮迫さんと仕掛ける舞台『テイラーバートン ~奪われた秘宝~』の予算会議が2月17日にあるんですけども、こちらはオンライン配信させていただくこととなっておりまして、参加者はすでに1500名を突破しています。
 

 
この調子だと、たぶん、予算会議当日までには2000名を突破しそうです。
 
で、ご存知の方も多いかと思いますが、コチラの配信チケットは500円で販売していて、予算会議でも公演の予算を作る建て付けとなっております。  
 
いわゆる「プロセスエコノミー」といったところなのですが、先日の放送でもお話ししましたが、これ、数年前はまったく理解されなかったんです。
 
「そんなの良くない!」という謎の理由です。
 
公演でグッズを売るのはオッケーなのに、プロセスを売り始めた瞬間に「銭ゲバだー!」という世界線が、つい数年前まで本当にあったんですね。
 
で、皆さんはどうか知らないですけども、僕は、ロザン菅ちゃんに作られた「理屈人間」なので、計算式や、文脈…つまり、筋が通っていないことが超苦手で、計算式が間違っていた時には素直に取り下げるのですが、明らか計算式が合っているのに、知識を持たない多くの人が感情で潰しにかかってきた時は全力で立ち向かうんです。
 
このへんの我の強さは、ご存知だと思います。
 
絵本を無料公開した時に、クリエイターさんや、そのファンの方々が数万人がかりで総攻撃を仕掛けてきたんですけども、その当時も、「残念だけど、お前らが全員間違ってる。まもなく、お前らも何くわぬ顔して無料公開をすることになるから」と返して、余計に感情を逆撫でしたわけですが、でもまぁ、人数は関係なくて、「1+1=2」なので、たとえ10万人が、100万人が「3」と言っても、「2」なんですよね。
 
「それでも地球は回っている」というヤツです。
 
でも、人間ってのは、そう簡単にできていなくて、思うように感情をコントロールできないし、歴史を振り返っても、知識不足の間違った集団が正解を殺し、そして結果的に自分達の首を絞めてきた過去なんて山ほどあるんですね。
 
今回、宮迫さんのYouTubeチャンネルで「プロセスを売りませんか?」と提案した時に、すっごい受け入れてもらえて、本気で10年ぐらい遅れたけど、時代の針がようやく前に進んだことが確認できたんです。
 
 

「プロセスを売る」ということに関して、一つだけ共有させていただくと…

 
そんな今なら、「当時の人達が、どれだけ筋の通っていないことを大声で叫んで、可能性を潰そうとしていたか?」が冷静に聞けると思うので、「プロセスを売る」ということに関して、一つだけ共有させていただくと…
 
当時(今から10年前)、「プロセスを売って、そこでマネタイズしよう」という提案をした時に、「完成されたものを見せるのがプロだ!裏側を見せて、販売するなんて銭ゲバだー!」という批判がすっごい起きたんです。
 
でもね、映画のDVDの特典映像とかって、大体「メイキング映像」じゃないですか。
 
制作の苦悩や、時には衝突なんかを切り取って、特典映像として販売していた。
 
つまり、プロセスエコノミーなんて最近の概念じゃなくて、千年前から「制作過程」なんて販売していた。
 
それが、「本番前に販売するか、本番後に販売するか」のどっちか…という話でしょ?
 
これに対して「制作過程を販売するなんて良くない!」という言い分は筋が通っていない。
 
議論の余地はどこにあるかというと、「制作の販売の是非」ではなくて、「本番にサプライズ要素が入っているから、それを隠すか否か?」だと思うんです。
 
そこの話し合いなら、すごく分かるんです。
 
で、きっと僕は「そこは隠しましょう」と言う。
 
ただ「慣れてない」というだけの話で、条件反射的に「裏側を売るなんて悪だー!」というのは思考停止もいいところで、いや、それこそ、たとえば宮崎駿監督の映画とか、新海誠監督の映画とか、本番前にプロセスをガンガン売ってるじゃないですか?
 
「お客さん」じゃなくて、「テレビ局」に。
 
厳密に言うと、あれでお金を受け取っているというか、あれで広告費を浮かせているわけで、プロジェクト単位のお財布で考えるとマネタイズしている。
 
なので、プロセスにニーズがあるプロジェクトにおいては「プロセスを売る」というのは目新しい打ち手でも何でもない。
 
この話を今聞くと、「まぁ、そりゃそうだよね」という感想を持たれたと思うのですが、これが10年前だと「詐欺だー!」「炎上商法だー!」のオンパレードで、まったく取り合ってもらえなかったんです。
 
これは、もうずっと言い続けていることですけども、10年前のあの時に、皆が今みたいに話を聞いてくれていたら、「プロセスを売る」という選択肢が当たり前になっていたら、救われた芸人、アーティスト、絵描き、役者、劇団…いっぱいいたと思うんです。
 
なので、すぐには理解できないことが目の前に現れた時は、感情的にならずに、今みたいに「一旦、話を聞く」というのが、皆が幸せになる一番の道だと思います。
 
 

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