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NFTオークションで価格操作があったんだけど…【キンコン西野】

このnoteは2022年10月29日のvoicyの音源、『CHIMNEY TOWN 公式BLOG』の内容をもとに作成したものです。

 
 

ブロックチェーンの仕組みは「誰の仕業なのか」を特定できる
 

結論を先に言うと、「だからブロックチェーンって面白い」というところなんですけども…
 
僕たち、今、毎日ゴミのキャラクターのNFT『Poubelle』のオークションをしているんです。
 
10月30日で一旦終わるので、残すところ「あと2体」みたいな感じで、今、盛りに盛り上がっているのですが、昨日、オークションの「価格操作」がありました。
 
具体的にどういう手口だったかというと、ある人(名前は伏せておきますね)がウォレット(購入したNFTを入れるお財布)を二つ用意して、Aのウォレットで「0.01ETHで買います!」という手を上げて、その直後にBのウォレットで「7ETHで買います!」と手を上げられたんです。
 
「7ETH」って日本円だと、140〜150万円ぐらいなので、その後は、当然、その値段を超える手が上がらないんですね。
 
で、そのままオークション終了時刻まで引っ張って、オークション終了10秒前に、7ETHの方をキャンセルして、で、0.01ETH(2000円チョイ)で買い抜けようとされたんです。
 
「これはおかしい」となって、opensea(プラットフォーム)側がオークション自体を強制終了して、結局、その方はそのNFTを手に入れることができなかったのですが…ご本人的には「いやいや、オークションのシステムに乗ってやってるだけだから、いいでしょ?」という言い分も少しはあったと思うのですが(無かったらやってない)、これ、残念なことに(そして最高なことに)、全ての動きはブロックチェーンで管理しているので、誰の仕業かは誰でも調べることができるんですね。
 
なので、ご本人が「良いでしょ」と言っても、犯人が特定されてしまうので、「いやいや、あの人、気持ち悪いんだけど」となって、「あの人が持ってるNFTは買わないでおこうね(無価値なものにしようね)」という流れに全然持っていけちゃうんです。
 
つまり、運営が罰を下さなくても、ブロックチェーンという仕組みが「皆が不快感を示すようなアクションをした人」を生きづらく(活動しづらく)させる。
 
今回、価格操作をされた方は他にもNFTをお持ちなのですが、おそらく、そのNFTのコミュニティーにも(運営から直接何もしなくても)今回の話は確実に回ってしまうんですね。
「あの人、ああいうことをする人だよ」という。
 
ブロックチェーンの仕組み上、一旦、何かに接続しちゃうと逃げきれないので(必ず特定されちゃうので)、結局、自分から名乗り出て「すみませんでした!」というしかなくて、まぁ今回のようなことをしてもご本人には一個も得が無いんです。
 
今回の事件(笑)を受けて、運営スタッフから、「明らかにブランド棄損だと思うのですが、どう対処しましょうか?」と言われたのですが、僕からは「ブロックチェーンが全てを明らかにしてくれて、DAOが判断してくれるので、何も対処しなくていいと思います」とお伝えしました。
 
このへんが面白いですよね。
 
ブロックチェーンやDAOというものが無ければ、皆は「誰の仕業なのか?」を特定できなかったわけで、運営が何かしらの対応をしなくちゃいけなくなるのですが、「そんなことは別にしなくていい」というのが今回。
 
本人の言い分がどうであろうが、皆が嫌な気持ちになるようなことをしたら、シンプルに生きづらくなる。
 
これはWeb2の世界では生まれなかった展開で、個人的には結構興奮しました。
 
 

少なくとも僕のまわりでは不正行為はしない方がいい
 

あと、これは「ブロックチェーンって面白いよね」という話とは少しズレて、僕からのお願いなのですが、基本的に僕は「弱い人の味方」で、DAOにしても「初心者の方にとにかく優しく」がモットーで、そういう優しい世界を本気で作ろうとしている人間なので、たとえば頭の悪い投機筋が遊び心で何かを傷つけるようなことを仕掛けてきたら、その人が最も損をする形に持っていけちゃうし、持っていくようなヤツなんです(笑)。
 
なので、頭の悪い投機筋は頭の悪い投機筋が生きられる場所で生きた方がよくて、少なくとも僕のまわりではあまり変なことはしない方がいいと思います。
 
身内はよくよく知っていますが、「詰将棋」が物凄く得意な人なので、そのスイッチは絶対に押さない方がイイ。
 
今回は「そのスイッチを押させないでね」というお願いです。
 
ちょっと怖いですよね(笑)
 
 

DAOを絡めておくことでNFTの価値を守ることができる
 

話を戻しますが、今回の件を受けて、「やっぱりブロックチェーンって面白いなぁ」と思ったし、NFTとDAOを絡めておく重要性に改めて気づかされました。
 
繰り返しになりますが、「不正落札されたあのNFTは買わないでおこうね」や「不正落札するあの人が持っているNFTは買うのはやめようね」ということをDAOで共有することで、不正落札のメリットを潰せるし、それによってそのNFTプロジェクトの価値を守ることができる。
 
今回、Opensea側の強制終了により、誰のものにもならなかった「MIDO-KEZURICCHI」は、いつかまたどこかで登場させます。
そんなこんなで、盛りに盛り上がってきたゴミNFT『Poubelle』は、まもなくファーストシーズンが終わります。
 
最後まで宜しくね。
 

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