ニューヨークでの時間の使い方【キンコン西野】
とにもかくにも、キーマンと一人一人会っています
ここ最近は1年のうち2ヶ月はニューヨークにいます。
もちろん、ミュージカル『えんとつ町のプペル』の制作なのですが、Voicyでも何度もお話しさせていただいているとおり、ブロードウェイは『ものすごーく閉ざされた小さな村』でして、ブロードウェイ村の村人にならない限り、手が出せないので、僕は「入村の儀」と呼んでいるのですが、とにもかくにも(去年の11月から)ブロードウェイ村のキーマンと一人一人会っています。
こんな話をすると、「人に会うのに、そんなに時間がかかるもの?」という疑問を持たれる方もいらっしゃると思うんです。
「ニューヨーク滞在中は空き時間もそこそこあって、ショッピングでもしてんじゃないの?」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
というわけで、今日はニューヨーク滞在中の時間の使い方について、「実は、こんなことに時間をかけてるんだよー」という話をさせていただきます。
日本とニューヨークを行ったり来たりの生活をしているので、どうしても日本とニューヨークの仕事環境を比較してしまって、日本の良いところと悪いところ、ニューヨークの良いところと悪いところが目につくようになります。
そして僕としては「できるだけ『良いところ』をシェアしたい」という気持ちがありまして、その結果、「ブロードウェイでは、こういう素敵な仕組みがあるんだよ」というアメリカかぶれした内容(アメリカマウント)をお届けする結果になってしまい、日本の皆様を若干イラつかせてしまっているかもしれないのですが、良いところは真似した方がイイと思うので怒らないでください。
「日本には無い素敵な文化だな」と思ったこと
僕がブロードウェイ村のキーマンと一人一人会う生活を始めてから、「あぁ、これは日本には無い素敵な文化だな」と思ったことがあります。
それは、ブロードウェイのトップクリエイターさんは皆さん「顔合わせする相手」のことをキチンと調べてくるんです。
「いやいや、それは日本でもあるでしょ?」という疑問を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、日本とは「相手のことを知ろうとする熱量」が違っていて、たとえば、今、このラジオをお聴きの貴方がヒョンなキッカケで、ものすごく目上の方と対面で会うことになった時、おそらく、ものすごく目上の方は貴方のことをあまり調べないと思うんです。
なんとなく、「私に何か用かね?」みたいなスタンスをとられると思うんです。
くれぐれも「それがダメだ」と言っているわけではなくて、「日本は基本そうだよね」という話です。
もしかすると、向こう三軒両隣が何となく知り合いである「島国」というのが影響して、相手のことを知ろうとするモチベーションが湧きにくいのかもしれません。
一方、ブロードウェイはどうかというと、世界中から生まれも育ちも道徳観も宗教感もノリも何もかも違うクリエイターが集まっているので、まず「そこは、なんとなく察してくださいよ」は絶対に通用しない。
しっかりとコミュニケーションをとって、互いのアウトラインを確認しないと、何も始まらないんです。
そんなことを、限られた時間でやりきるのは不可能なので、こちらの皆さんは、会う前に相手の出自をしっかりと調べて来るんです。
たとえばニューヨーク版のミュージカル『えんとつ町のプペル』の美術デザイナーの候補であるデリックは、ミュージカル『ムーラン・ルージュ』や、他にも世界的に有名な作品をたくさん手掛けている美術デザイナーのトップオブトップみたいなイケオジなんですけども、そんな人でも僕と会う時は、『映画 えんとつ町のプペル』や絵本『えんとつ町のプペル』を自分で取り寄せて、なんなら僕のインタビュー記事を読んで、キチンと頭に入れてから「顔合わせ」に来るんです。
世界のトップクリエイター達は皆さん、この調子なんです。
「キミは一体何者だね?」みたいなことは絶対にしない。
僕すら忘れていたような僕の過去の発言とかをキャッチアップしていたりするんです。
そんな世界ですから、当然、コチラも「顔合わせ」の時は相手のことを事前に調べていかなきゃいけないのですが…これがニューヨークは「今日の夕方、会えますか?」みたいなボールが急に飛んできたりするんです。
そうすると、ホテルでやろうと思っていた日本の仕事は夜中にまわして、夕方までの時間は全て相手のことを調べる時間に充てることになる。
お相手の方が手掛けられたミュージカルがお昼間にやっていたら、ソッコーで観に行く。
…みたいな感じで、相手のことをリサーチすることに結構な時間を割かれるんです。
一見、ブロードウェイならではの時間の使い方ですが…
最後に。
今日お話ししたのは、一見、ブロードウェイならではの時間の使い方ですが、僕がテレビに出ていた時(番組MCをやっていた時)、これ、毎回やっていたんです。
ゲストに来られる方がどれだけ新人さんであろうと、その方と会うまでに、その方のブログを読んで、その方のSNSを見て、ラジオをやられていたらラジオを聴いて、とにかく徹底的に相手を知ろうとしたんです。
そうすると、初対面の相手であろうと、新人さんであろうと、収録でやっぱりノッてくるんですね。
「西野さんは私に興味を持ってくれている」という安心感があるから。
なので、これは日本でもやった方がイイと思います。
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