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生き延びたければ「25歳」までに一度上京しろby キンコン西野

このnoteは2020年6月10日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「生き延びたければ「25歳」までに一度上京しろ」
というテーマでお話しします。

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一昨日、新入社員やインターン生の子達と、2~3ヶ月ぶりに呑みました。

彼らはYouTubeやnoteなどで個々で発信しているので、普段何をしているかは大体は知っていたのですが、一歩踏み込んだところまでは知らない。
そんなこんなで、「最近、どんな感じ?」と訊いてみました。


一人の若手社員は今、ラオスという後発開発途上国で雇用を作る活動をしています。
「後発開発途上国」というのは、開発途上国の中でも特に開発が遅れている国のことです。

去年、『チックタック ~約束の時計台~』という絵本を出させてもらったのですが、その絵本の売り上げを寄付して、ラオスに小学校を建設させていただいたんてす。

今年の頭に小学校の開校式があって、僕は仕事の都合で行けなかったので、代わりにその子に行ってもらったのですが、その時に「貧困を終わらせるには、教育と雇用だ」と強く思ったそうです。

あるインターン生は先日、3000人超えのオンライン講演会を主催(&登壇)し、今はVRの開発をしていたり、ドイツの文化が好きなので、コロナ明けに備えて、ドイツ展開の準備をしていたりしています。

もう一人のインターン生は、四六時中ヘラヘラしているバカ野郎なんですけれども、先に挙げた二人とは違うポジションを模索していて、この子もまた、先日、3000人規模のオンライン講演会をひらいていました。

そんな彼らの話を色々聞かせてもらったんですが、彼らの言い分は(要約すると)大きく二つです。

一つ目は、「今、メチャクチャ楽しい!」。
そして二つ目は、「思ったようにいかなくて、悩んでいる」

これは、とても大切なことだと思っています。

たとえば一人目に挙げた社員さん(まだ現役の大学生)は、去年11月頃にエッフェル塔の個展の責任者をやり、ラオスの雇用を作るために動いていて、同時に、ブロードウェイミュージカル『Poupelle of Chimney Town』の制作も担当しています。

「自分がその年齢の頃、何してたかなぁ?」と考えてみたのですが、彼と比べると僕なんかボロ負けで…おそらく世界中を見渡しても、あの規模感で働いてる大学生ってあんまりいませんし、それこそ、同世代の連中からすると憧れの対象になりうると思うのですが、彼には彼なりの悩みがある。

3000人超えの講演会をやったインターンの子にしても、VRの開発をしたり、端から見ると順風満帆なのですが、「上手くいかないっす」と言って、頭を抱えていたりします。

そんな彼らを興奮させたり、悩ませたりしている犯人は「環境」です。

普通に生きていたら、あれほど興奮するようなことはないでしょうし、あの悩みを持つこともない。
その人生が幸せかどうかは分かりませんが、一つ確かなことは、猛烈なスピードで学んでいるということ。
それも机の上じゃなく、現場で、手触り感を持って。

その「環境」というのは、対プロジェクトだけではなく、「凄いことをやっている同世代が自分の目の前に座っている」というのもあります。

一緒に呑んでいる同世代のスタッフが、「コロナで公演が延期になってしまったブロードウェイチームに、どうやって別口の収益源を作ろうかしら?」と相談してきたりするわけで、そんな話を聞くと、自分も負けてられないじゃないですか。

人は、自分一人で自分を成長させられるほど優秀な生き物ではありません。
その時やっぱり、「今、自分は成長せざるをえない環境にいるか否か?」というのが大きく人生に影響してくる。

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今、「地方」にいることを選んでいるキミへ

四の五の言わず、一回東京に来た方がいいと思います。

くれぐれも言っておきますが、僕は東京大好き人間ではありませんし、自分自身が兵庫の田舎者なので、地方の魅力もたくさん知っています。
さらには地方に美術館を作ろうともしています。

地方には、土地の魅力もあるし、温かい人もたくさんいます。
そこことは、よくよく承知しています。

ただ残念ながら、切磋琢磨できる環境としては弱くて、「これぐらいやれば十分だろう」の合格点ラインを低く見積もってしまう。
合格ラインの設定は相対的なものなので、そこを引き上げる作業は自分一人ではできません。

ひとつ気をつけた方がいいのは「東京」もピンキリで、成長を加速させるコミュニティーもあれば、愚痴で終始するコミュニティーもあるから、そこはキチンと選んだ方がいいと思います。

成長を目的とするのであれば、まずは、キチンと数字で結果を出している現場を選ばれることをオススメします。
「あなたなあなたのままでいい」という慰めベースのコミュニティーだと、傷を舐めてくれますが、成長はさせてくれません。
「あなたのままで…」を謳うのならば、No.1になれる戦闘力を手にいれた上で、オンリーワンを狙った方がいいと思っています。

とりあえず、一旦東京に出てきた方がいい。

そして、一線で打ち合う為のパンチのスピード感とスタミナ量を学んで、その後、海外でやるなり、東京でやるなり、地方でやるなり…活動の拠点を選ばれた方がいいと思います。

地方には地方の良いところがたくさんあります。

しかし、今のキミの知識量と努力量では、その良さを殺してしまいます。
今、キミは地元の現状を憂いているかもしれません。
ただ、その地元を作ったのは、10年前、20年前のキミのような人です。

口では「地元を盛り上げたい」と言うものの、しかるべき知識を吸収する努力から逃げた人達です。

彼らはキミが新しいことを仕掛けようとすると、よく知りもしないのに否定してくるでしょう?
それに対してキミはある種の怒りを覚えるかもしれない。
ところが、そのままそこに10年~20年もいれば、キミも彼ら側の人間になります。

しかるべき場所で学ぶことを放棄したキミは、自分よりも10~20歳下の若い子のアクションを潰しにかかり、地元衰退の片棒を担ぐことになります。

その未来を迎えたくないのであれば、今は、そこにいちゃダメだ。
一旦、東京の…数字で結果を出さなければいけない環境に身を投じてみることをオススメします。

怖いかもしれないけど、大丈夫。
挑戦している人は挑戦者に優しいから。

僕でよければ、スナックCANDYで呑んでおりますので、その時にいつでも話を聞きます。

頑張ってね。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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