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キンコン西野が語るオンラインサロンの現実と、始める時の注意点

このnoteは2020年5月3日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供: 田村 陽子さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日はですね、
「キンコン西野が語るオンラインサロンの現実と、始める時の注意点」
というテーマでお話したいと思います。

僕、こういう台詞、あんまり言わないけど、「やめておいた方がいい」

先日の『シンソウ坂上』の放送を受けてだと思うのですが、オンラインサロンに関するご質問が、けっこう僕のところに届いています。

おそらく、「オンラインサロンに行ってみようと思うんだけど」というような問い合わせが、いろいろなサロンオーナーさんのところに今届いてるのではないかと思います。

ちょっとブームのようになっているのでしょうか。

コロナの影響も受けているとは思うのですが、やはり オンラインに今けっこう注目が集まっているので、この機会にオンラインサロン始めてみようかなと考えられている方もいらっしゃるのかもしれないですね。

それで、今日はそういった方に向けて、オンラインサロンの現実と始める時の注意点を、改めてお話ししたいと思います。

まず、今の現実からお話しします。

今、僕の手元のパソコンで開いてる、とあるオンラインサロンのプラットフォームのトップページに上がっているのは、8つのサロンです。

そのトップページにある8つのサロンの会員数をそれぞれ見ていくと、158人、12人、22人、96人、33人、130人、18人、55人となっています。

これは「おすすめ」というカテゴリーの中に入っている8つのサロンです。
その人数がそれぞれ上記のような感じになっています。

例えば、このうちの33人のサロンについて取り上げてみます。

この33人のサロンの月額は、これで見ると1,500円になっています。
ということは、33人×1,500円なので月の売り上げが、49,500円です。

ここから手数料10%が引かれて収益が円44,550円ですね。
計算間違っていたらごめんなさいですが、だいたいそのくらいです。

それで、みんなここだけ見ていて「月に45,000円近くもらえるならいいじゃん!サロンやりたい!」と言います。

だけど、まず押さえておかなくてはならないのは、これは全然不労所得ではないということです。

この44,550円を、このサロンオーナーさんが得るためには、毎日のようにサロンメンバーに情報か何か動画なのか分かりませんが、そういったものを発信しなくてはいけないのです。

そもそも、サロンの宣伝として、無料でブログやtwitterやFacebookやYouTube などの発信もしなくてはなりません。

そして当然、無料部分が魅力的じゃないと、そのサロンに興味を持ってもらえず、入ろうと思ってもらえないので、当然自分のリソースをこの無料部分に割かなくてはならないです。

そう考えると、この44,550円を得るために、サロンオーナーさんが費やしている時間はどれぐらいなのか、という話になってきます。

ネタを投下する時間、更に、ネタを投下するためには、ネタをインプットする時間が必要です。

そのインプットの時間に加えて、毎日の無料の発信と、サロンに投稿するネタを投下する時間、これが必要になってきます。

インプットの時間と2つのアウトプットで3つ。これらを、めちゃくちゃ少なく見積もって、各1時間ずつと考える。

つまり、サロンというものを回すのに、1日合計3時間かけていたとしたら月に90時間です。

そして、45,000円を90時間で割ると、 時給は500円です。
あくまで、これは目安ですが、33人集めているオーナーさんの時給が500円です。

ちなみに、退会者が出て人数が半分になっても、サロンメンバーひとりひとりには相変わらず月1,500円のものを提供する必要があります。

ですから、時給が半分になって250円になってもサロンは続けていかなくてはならない。相変わらず前までと同じ発信量で、1日3時間かけて時給250円を続けていかなくてはならないのです。

そして、今ここに挙げた8つのサロンというのは「おすすめ」枠に入っている選りすぐりの人たちなので、基本月額会員というのは、そうそう簡単に33人は集まらないです。

一般の方がサロンをやって33人も集まるというのは、けっこうなことなのです。

参考程度に、毎日テレビで見る『カズレーザー』さんのオンラインサロンが、今237人で『アンジャッシュ』の渡部さんのサロンが262人です。だいたいこれぐらいです。

目安なので、みんな結構バカになっている。バカにしているという事ではなく、数字がマヒしていると思います。

フォロワー数などは、万とか平気で行くので、そういうイメージあるのですが、サロンはこういう規模なんです。200人とかいったら「すげーっ!」という規模です。

僕のサロンは月額1,000円なので1,000円で回そうと思ったら、最低でも500人くらいは会員を集めないと、ちょっと厳しい。いろいろ準備時間かかったりするからです。

地味に時間がかかるのが、お客さんには見えないサロンに投下するネタをインプットする部分です。

僕は毎朝、同じサロンに2000文字〜3000文字の記事を投下しているのですが、5万人のサロンメンバーを納得させるだけの記事を書こうと思ったら、それのインプットには、めちゃくちゃ時間がかかります。

当然1時間とかでは済まないです。ほぼ丸々1日くらいかかってしまいます。これに結構時間を持っていかれます。

それで、収益が発生したから収益ができたというわけではなくて、そこには投下した時間がトレードオフであるわけです。

確かな数字でありませんが、僕の見立てだと、世の中の95%以上のサロンオーナーさんはマクドナルドより時給が安いです。

そのような修羅の国がオンラインサンです。

ですから、何かが極端に秀でている人でない限りオーナーになるのは全然おすすめしません。

収益を目的とするのであれば、絶対アルバイトの方がいい。

東京のアルバイトの最低賃金は、確か時給1,013円なので、収益のことだけを考えたらアルバイトの方がよっぽどコスパがいいです。

その上で、それでも始めるんだという人に向けて、オンラインサロンの始め方をお話します。

始めるのはけっこう簡単なんです。

『DMM』さんや『CAMPFIRE』さんなどの既存のプラットフォームを使うか、自分でDIYで作ってしまうかです。

結局、多くのオンラインサロンはFacebook の非公開グループを使用しています。

プラットフォーム側が負担してくれる部分というのは、主に決済回りなので、それが自分個人でやれるのであれば、わざわざプラットフォームを利用する必要はないと思います。

プラットフォームの手数料は、『CAMPFIRE』さんで10%『DMM』 さんで20%ぐらいだと思います。

僕は自分で作ったので、手数料はカード決済量とプラスちょっとくらいです。

一応僕も『Salon . jp』という、サロン会員の合計人数だとおそらく国内最大のプラットフォームを運営しています。

『Salon . jp』は誰でも立ち上げられるわけではなくて、現在もサロンオーナーは、僕を含めて5人程度です。条件は西野が本気でお勧めできるサロンであることです。

サロンを始める方に向けて一つアドバイスするのであれば、まず半年限定などで終わりの時期を決めておいた方がいいかもしれません。

基本始めるよりも終わらせることの方が難易度は高いので、よっぽど強い気持ちを持っておかないと、サロンメンバーも減って増える兆しもないのにズルズル時間だけが削られるという状態に陥ります。

なので、あらかじめ終わり時期を決めておいた方がいいと思います。それでうまくいきそうなら、再スタートすればいいのです。

ただ何度も言うように、収益目的でオンラインサロンを開設することは1ミリもお勧めしません。

収益を目的とするのであれば、流行っているものに手を出すよりも、向いているものに手を出した方がいいです。

一方で、オンラインサロンというのは面白いと思います。今、特に面白いです。コロナへの向き合い方が各サロンそれぞれ個性があるので。

僕もいくつかのサロンに入っていますが、やはり長く人気があるサロンは安定して面白いです。

最新の情報を得たいのであれば、僕のサロン限らず、一戦でバキバキにやっている方のサロンというのは、けっこういいと思います。いくつか覗いてみるといいかもしれません。

というわけで、
「キンコン西野が語るオンラインサロンの現実と、始める時の注意点」
というテーマでお話させていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。


※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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