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キミの人生が好転しない理由は○○だbyキンコン西野

このnoteは2020年3月18日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:青木 雄平 さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日はですね、
「キミの人生が好転しない理由は○○だ」
というテーマでお話したいと思います。

○○を安く見積もるな

上から偉そうにすみません。

僕は毎日、7件とか10件ぐらいのお食事のお誘いをいただきます。「いろいろ話を聞きたいので、今度飲みに行かない?」っていうお誘いです。

女性からのお誘いより、どっちかというとお仕事に関するお誘いが多いです。

ご存知の方もいらっしゃるかとは思いますが、たいしてメディアに出ていないくせに意外とめちゃくちゃ忙しいんですよ。

手や体を動かさなきゃいけない仕事と、脳みそを動かさないといけない仕事があって、手や体を動かさなきゃいけない仕事は「何時から何時まで」と労働時間が決められていたりするんです。

例えば、「新作絵本の構想を練る」といった手を動かす仕事は、起きている時間のすべてがそれに充てられるんですね。

僕の場合は、ここがすごく大きくて、思いつかないと終わってしまうんです。

僕らはいま、オンラインサロンのメンバーのみんなと一緒にニューヨークのブロードウェイのミュージカルの準備を進めています。

ニューヨークのブロードウェイに仕掛けるには、まず、そこに耐えうるだけの脚本がないと進まないですよね。全てのプロジェクトには脚本がないと。

それで、脚本は、脳みそを動かす作業の最たるもので、手や体を動かしていればいつか完成する、というものではないんです。

そういう仕事が僕にはいくつかあって、結論、休日や空き時間なんて1秒もないんです。

「月金まで働いて土日休み」ということは基本的になく、24時間365日、起きている時間全てそういったものに充てられるわけです。

当然、飲みに行こうと思うと何かの作業を犠牲にしなきゃいけないんです。

絵本のことを考える時間、ミュージカルの脚本を考える時間、次のビジネスの構想を練る時間。

何かしらの時間を犠牲にしないといけないんですね。

そして、僕がその作業を犠牲にしてしまうと、明日以降の僕がより追い込まれて、場合によってはスタッフやそのご家族の方にご迷惑がかかってしまいます。

こんな話をすると自分を上にあげているようですごく嫌なのですが、僕と似たような状況で働いてる人って他にも結構いて、

特にチームで動いている経営者の方や、クリエイターチームを養っていたりするクリエイターの方は、だいたいそうだと思います。

ここからが、今日の本題です。

なんか悩んでいる時とか、うまくいかないときって、うまくいっている人の話を聞きたいですよね。

「飲みに行きましょう、ご飯行きましょう」と声をかけて、マンツーマンで直接話を聞いて、アドバイスを聞いて学びたくなる気持ち。

すっごい理解できるんです。
前向きでいいことだと思うんですよ。

でも、そこで白羽の矢が立つ人の時間ってめちゃくちゃ高いんです。

「うまくいってる側」として喋るのはすごく気持ちが悪いのですが、

ただ現実問題、僕なんかは、本当に多くのスタッフやその家族、そしてファンの方の人生を背負っていて、それらを守るために自分の時間を捧げているんですね。

そしてもう一つ。

僕はまだ成功していないので、一旦僕のことは横に置いてお話ししたいのですが、成功者が持っている資産で最も高いものは「時間」なんです。

土地でも車でもダイヤモンドなんかでもなくて。

お金とか土地、あらゆるものは頑張り次第で増やすことが出来ますが、世の中で一つだけ、時間だけは減っていくんですね。

ザッカバーグだろうが、イーロン・マスクだろうが、孫さんだろうが、時間だけは増やすことができない。減っていくんですよ。

この世に生を受けた瞬間から、タイムリミットが表示されているんです。

成功者は、時間を少しでもごまかすために、お金を払っているんですね。

移動時間を短くするためにお金を払って乗り物に乗って、作業に充てる時間を短くするためにお金を払ってスタッフを雇ってる。

とにかく時間を買っています。
自分のものすごい高い時間を、ものすごい高いお金で買っているんですね。

僕、この前、機種変したのですが、説明や何やらで2時間近く奪われました。

もし機種変を代行でやってくれる仕事があれば、僕、10万円払います。
だって2時間あれば、講演会を1回やれるので。

僕ですらこの調子です。ここが世の理ですね。

うまくいっている人ほど、つまり、あなたが「話聞いてみたい」と思っているような人ほど、時間はめちゃくちゃ高いんですね。

自分の1時間を10万円とが100万円とかで買っているような人たちなので。

で、「話を聞かせて欲しい」と言って飲みに行くということは、つまるところ、あなたはその人の時間を3~4時間奪うということになるわけですが、その分の何かしらを返せますか、という話です。

数字で例えた方がわかりやすいと思うので、いやらしく数字で例えると、

あなたが誘っている人は、場合によっては100万円とか300万円とかを捨てて、あなたと飲みに行くことになりますが、きっと多くの場合、その分は返せないし、払えないと思うんですね。

その瞬間に返せないとか、払えないのは別にいいんですけども、大切なのは、そのことを自覚した上で誘っているか否か、というところです。

これを自覚できていない限り、その人があなたに時間を使うことはない。

僕もよくお誘いを頂きますが、9割近くお断りさせて頂いています。
「すみません、その日はちょっと」と、毎日言っています。

そのときに、「じゃあいつなら空いてますか」みたいなことを聞かれますが、厳密に言うと、スケジュールで断っているわけではなくて、「スケジュールNG」っていうのは僕なりの優しさです。

ほんとのことを言うと、「あなたは僕が僕の時間と引き換えに守っているものの大きさに気がついてないだろう」っていうところですね。そこでお断りしています。

自分の取り分のことだけを考える人のことを「テイカー」と言ったりしますが、うまくいっている人ほど、テイカーとは付き合わないんですね。

蜷川実花さんとか、ホリエモンとか、幻冬舎の皆さんとか、ショールームの前田さんとか、けんすうさんとか、尾原さんとか、彼らに誘われたら僕はホイホイついていきますよ。

それは、彼らが時間の重さを知っている人たちだからです。

そこでお断りする場合は、シンプルにスケジュールNGが理由ですね。

僕は去年、立川志の輔師匠に自分から「飲みに行って下さい」とお願いして、飲みに連れて行ってもらいました。

その時はもう、メチャクチャ大っきなものを返すことを決めて、何ならすでに準備していきました。

立川志の輔師匠の3時間を独占するって、基本的には、お金では買えないとんでもなく価値の高いことだからです。

今日は、「キミの人生が好転しない理由は○○だ」でお話しさせてもらいましたが、

結論、君の人生が好転しない理由は、君が「時間を安く見積もりすぎだ」っていうところです。

立川志の輔師匠の3時間を独占するというのは、そのへんの外車を買うのとはワケが違う。あなたが話を聞いてみたい人の時間というのはそんな安いもんじゃないです。

そのことを踏まえた上で声をかけてくる人と、それを踏まえずに声をかけてくる人の違いというのは、一発でわかります。

踏まえた上で声をかけてくる人の誘いには、僕は乗ります。

なぜなら、僕の時間よりも、その人の未来の方が価値が高いので。

このへんに気をつけてみてください。

というわけで、
「キミの人生が好転しない理由は○○だ」
というテーマでお話させていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。



※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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