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いときんサン(ET―KIMG)と『えんとつ町のプペル』 byキンコン西野

このnoteは2020年10月13日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:やる気 元気 せいりき さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「いときんサン(ET―KIMG)と『えんとつ町のプペル』」
というテーマでお話しします。


一昨日、YouTubeの生配信で喋ったのですが、1時間半ほどタラタラと喋った中の一つのテーマで、その箇所を探していただくのも大変ですし、、「あらためてお話してください」というリクエストもいただいたので、今日は、こんな話をしたいと思います。


 
23〜4歳の頃から6年ほど、『音楽戦士 MUSIC FIGHTER』(日本テレビ)という音楽番組のMCをやらせてもらいました。

まだまだ生意気盛りだし、自分の手柄が欲しくてたまらない時期です。
そんな中でも、ゲストに出てくださったアーティストさんがいちいち優しくて、そこからの繋がりで、番組でご一緒させていただいたアーティストの皆様には色々と可愛がっていただきました。

強く印象に残っている人が何人かいて、そのうちの一人がET-KINGのいときんサンです。

「帰り道の橋の上から、いつも見かける真っ黒な鯉に『ベンツ』という名前を付けたんですが、僕は、いつか、あのベンツを釣り上げてみせますよ!」という本当にどうでもいい話を熱っぽくされたので(笑)、
「真っ直ぐな目で何を言うてるんですか?」と突っ込んだら、顔をクシャクシャにして、なんか泣いている赤ちゃんみたいな顔で笑われて、その顔が何故かメチャクチャ印象に残ったんです。


黙ってたら、大阪の怖い兄ちゃんなんですが(まぁ、それを言ったらET-KINGの皆さん、そうですが)笑うと、とびっきりキュート。
そして、とにかくよく笑っていらっしゃって、笑い方も文字にすると「ガハハハ」で、漫画に出てくるキャラクターみたいな人だったんです。
 


ここで『えんとつ町のプペル』の話になりますが、『えんとつ町のプペル』という物語の軸になっている人物は、いわゆる主人公とされているゴミ人間の「プペル」でも、煙突掃除屋の「ルビッチ君」でもなくて、「ルビッチ」の父親の「ブルーノさん」です。


彼が、黒い煙に覆われて、星空を知らない、見上げることを知らない『えんとつ町』の中で一番最初に「あの煙の上に星はある」と言ったんです。

 
今度(12月25日公開)の映画で全てが明らかになりますが、『えんとつ町のプペル』はブルーノが残したその言葉を笑う町と、その言葉を信じて走るゴミ人間と煙突掃除屋の物語なんです。

でね。

ブルーノの台詞を書く時や、ブルーノのビジュアルを決める時に、やっぱり、「星を知らない町で『星がある』と大声で言う人って、どんな人だろう?」って考えるんです。

その時に、頭に出てきたのが「立川志の輔師匠」と「いときんサン」でした。

 
今日は「いときんサン」の話です。

彼なら、皆には震える膝を隠して、「星がある」「見上げよう」という、ともすれば恥ずかしい台詞を、大声で言ってくれそうな気がしました。
なので、いときんサンを勝手にブルーノのモデルにさせていただいたんです。

キャラクターのビジュアルのモデルが誰かなんて、誰かに聞かれるまで話す機会もないので、これまで誰にも話してこなかったのですが……

3日ほど前です。


映画『えんとつ町のプペル』のプロモーションの件で、とある商店街とコラボをする話になりまして、打ち合わせを進めていたら、「西野さん、お久しぶりです」と言われたんです。

ZOOM会議で画面も暗かったものですから、すぐに分からなかったのですが、正体は、ET-KINGのマネージャーさんでした。。


僕、あまりにもビックリして、10秒ぐらい黙っちゃいました。

マネージャーさんが、「ET-KINGチームで応援できることがあれば、メンバーを口説いて、なんでもやりますよ!」と言ってくださって、「ああ、これはキチンと話す機会だな」と思い、
今回の物語の主人公であるブルーノのモデルが「いときん」サンであるということ、
脚本執筆中に、ET-KINGさんの「さよならまたな」を何度も何度も聴いていたことを、
お伝えさせていただきました。

ET-KINGさんの「さよならまたな」を今あらためて聴いていただきたいのですが、あの歌詞、そのまま『えんとつ町のプペル』なんです。

ブルーノのモデルが「いときんサン」なんて誰にも言ってなかったんですよ。
神様がくれた魔法なのか、いときんサンのしぶとさなのか、「このタイミングで繋がるかぁ」と思いましてね。
 

「余命半年」と宣告されてから半年後のライブで、いときんサンがお客さんに向けて「生きろよ」と声をかけられていて、僕、それに本当に励まされたんです。

あんまり喋ると泣きそうになっちゃうから、このへんにしときますが、「人は2度死ぬ」とよく言われるじゃないですか?

一度目は肉体の死。
二度目は皆の記憶の中から忘れられた時に迎える死。


マネージャーさんとお話しさせていただいた夜、ET-KINGのメンバーのセンコウさんから御連絡いただいて、「西野君。ホンマありがとう。ホンマにありがとう」と何度も何度も何度も言われて、その言葉を聴いた時に、
なんとしてでも、映画『えんとつ町のプペル』を一人でも多くの人に届けて、いときんサンの二度目の死は絶対に迎えさせないと決めました。

10月20日に、映画『えんとつ町のプペル』の本予告と呼ばれる1分30秒のCMが公開されます。
そのCMにはブルーノも出てくるんですね。

そこでブルーノを見てください。
見る人が見たら、ブルーノが誰をモデルにして生まれたキャラクターなのかが、すぐに分かると思います。
あきらかに、いときんサンなので(笑)

センコウさんにはコッソリお見せしたのですが、「いときんがおるやん!」と笑われました。

ブルーノは、法被を着て、カンカン帽を被っています(笑)

10月20日の公開をお楽しみに。

あたらめて、いときんサンは「忘れて欲しくない人」なので、映画『えんとつ町のプペル』はメチャクチャ頑張って届けますので、宜しくお願いいたします。

今日は【いときんサン(ET―KIMG)と『えんとつ町のプペル』】について、お話しさせていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。



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