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数字の読み方・使い方byキンコン西野

このnoteは2020年8月15日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:サロン内に同じ苗字のメンバーさんがいたらうれしい やたがいけんいち さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「数字の読み方・使い方」
というテーマでお話しします。

なんとなく去年あたりまでは、オンラインサロンのような「有料の閉じたインテーネット」は批判対象であったのですが、ここにきて、たとえばカンニングの竹山さんやオードリーの若林さんといった認知度も影響力もある方々が続々と「有料の閉じたインターネット」に参戦を表明されて、一般化されてきましたよね。

「オンラインサロンはこういうものに違いない」と想像で批判している人の立場が危ぶまれてきた感があります。

僕自身オンラインサロンを運営していますし、7〜8個のオンラインサロンに入らせてもらっているから、よく分かるのですが、多くのサロンオーナーさんはサロン以外の活動にはほとんど興味を持っていません。

とにかく建設的な議論をして前に進みたいので、「ただ荒らしたいだけの人」との議論の場を徹底的に切り捨てているんです。

そりゃそうですよね。

「ただ荒らしたいだけの人」を理論で説き伏せても、説き伏せられたことで余計に逆上して、暴れまわるので、世のオンラインサロンオーナーさんや、YouTubeのメンバーシップをやられている方々は、「ただ荒らしたい人が混じっている会議室で議論したい人はコチラ」「話を前に進めたい人しかいない会議室で議論したい人はコチラ」という感じで棲み分けしています。

なので、いつまでたっても前に進まない俗世間との情報格差がどんどん拡がっていくわけですが、とはいえ、今、有料コミュニティーのオーナーさんが影響力を持っているのって不思議じゃありません?

だって、有料コミュニティーの会員数なんて、せいぜい数百人、多くても数千人程度です。

一方、SNSのフォロワー数や、無料コミュニティーの人数は、数万、数十万、数百万人というのがザラにある。

いくら、有料コミュニティーの人達が最先端の情報を抱えているとはいえ、太刀打ちできる数じゃない。

にも関わらず、有料コミュニティーのオーナーは、どうやら影響力を持っていますよね。

ここが今日のお話のポイントです。

今日は「数字の読み方・使い方」というテーマでお話ししたいと思います。

数字って、めっちゃ分かりやすいんです。

「1個」よりも「10個」の方が多いことは誰でも分かるし、「10人」よりも「100人」の方が多いことは誰でも分かる。

でもって、数字というのは「事実」じゃないですか。

なので、皆、数字をメチャクチャ信用しているんですね。

ただ、皆がメチャクチャ信用しているものであるから尚のこと、数字というのは【印象操作】に使われる。

たとえば、さっきの話でいうと、有料コミュニティーは毎月退会者がいるので、カウントされている人数というのは「現在の会員数」です。

サロンオーナーさんの情報をちゃんと受け取っている人数ですね。

一方で、SNSのフォロって、いちいち解除しないじゃないですか?

解除する方が面倒なので。でも、「じゃあ、全ての投稿を読んでいるか?」というと、もはや読んでもいない。

つまり、SNSのフォロワーって、「現在、情報をちゃんと受け取っている人数」ではなくて、「これまでに情報を受け取ったことがある人数」なんです。

つまり累計人数です。

累計人数なので、極端な話、「これまでに情報を受け取ったことがある人数」が100万人で、「現在、情報をちゃんと受け取っている人数」が6人ということが起きている。

だけど、「フォロワー数100万人」と表示することができるんです。

これで盛り上がっているように見せて、お客さんを呼んでいるわけですね。

なので、「国内最大のオンラインサロン」を作ろうと思ったら、その気になれば2~3週間でできると思います。

有料のオンラインサロンとは別で、累計人数でカウントされる「無料のオンラインサロン」を開設して、その二つのサロンの合計人数を出して、「ほら見ろ。俺が国内最大だ」と言える。

僕の場合だと無料のサロンコミュニティーも足せば、「僕のサロン会員は20万人です」と言うことができる。恥ずかしいので言いませんけども。

数字って【印象操作】にいかようにでも使えるんですね。

これを今、積極的にやっているのが、新型コロナウイルスのニュースを扱っているテレビです。

コロナも、一番数字が多く見える「感染者数」という数を一番前に出す。

そして、なんなら「累計感染者数」まで出しちゃう。

「累計感染者数」に何の意味があるの?って話じゃないですか(笑)?

「今日、交通事故で亡くなった人の数」を出して、その後に、「これまで交通事故で亡くなった人の数」を出されても、「何を思えばいいの?」という話じゃありません?

だって、「今日、交通事故で亡くなる人の数」は年々減っているのに、「これまで交通事故で亡くなった人」の数は、ここは足し算だから、年々増えるわけじゃないですか?

交通事故を亡くそうと思ったら、本来、見なきゃいけないのは、「交通事故で亡くなられた方の累計人数」ではなくて、「どれだけ改善されているか?」という部分ですよね。

テレビのコロナ報道も同じです。

やたら、「感染者数」を出すけど、「実効再生産数」は、あまり表には出さない。

「実効再生産数」というのは、「一人の感染者が平均して何人に感染させているか?」という数字ですね。

実効再生産数が「2」だったら、一人の人が平均二人に感染させちゃっているので、感染は拡大している。

一方で、実効再生産数が「0.9」だったら、一人の人が平均0.9人にしか感染させていないので、感染は終息に向かっているわけですね。

つまり、検査の数をメチャクチャ増やして、「本日の感染者は100万人です。これは今年4月の1日平均の1万倍の数です。緊急事態です。皆様、不要不急の外出は控えてください!」と報道されても、実効再生産数が「0.1」だったら、コロナはほぼ終息しています。

ただ、テレビはそれをしません。

不安を煽って家にとどまってもらった方が視聴率を稼げるからです。

しかし、その視聴率の稼ぎ方はあんまり意味がないどころか、むしろマイナスです。

外出をとどまらせて、家にいさせてしまうと、たとえば吉野家からすると、今、吉野家のCMを出したところで意味が無いわけじゃ無いですか? 

人が外に出ていないので。

くわえて、CMを出す資金面での体力もあまり無い。

こうなると、テレビにCMを出したい企業が減るので、視聴率が上がっても、広告収益が減っちゃうから、最終的に首が締まるのは、テレビ局です。

ここは結構、地獄だなぁと思っていて、

「もう、不安を煽ったところで、経済が止まって、最終的に首が締まるのは広告費で生きている我々なのだから、イタズラに不安を煽るような報道はやめよう!」 

と、どこかの番組が言い出しても、「不安」というものは人の生活にリアルに直結しする最も人の興味をひくカテゴリーであることは間違いないので、同時間帯に流れている「不安を煽っている番組」に視聴率で負けてしまう。

テレビは今、「イタズラに不安を煽ることを辞めた番組」が損をする仕組みになっている。

こういう風に数字を読み取って、一方で「数字を使っている人」を見ていると、上手くやっている人と、策に溺れてある人が見えてきて、結構、面白いです。

基本的には、中身が伴っていない数字で、取り繕いすぎちゃうと、ロクなことがないなぁというのが、僕の結論です。

そんなこんなで僕は今日もオンラインサロンの投稿をコツコツと頑張ります。

今日は、新型コロナウイルスに泣かされている人を助ける策を思いついたので、サロン内で提案してみたいと思います。

日本中がザワつくと思いますが、誰一人傷つけない優しい革命のお話です。

興味があるかたはオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』を覗いてみてください。

というわけで、
「数字の読み方・使い方」
というテーマでお話しさせていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。

※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
んでもって、ビジネス書に掲載するレベルのコラムを毎朝投稿しています。
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