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「原作・脚本・制作総指揮」が一番シックリくるという話【キンコン西野】

このnoteは2022年11月30日のvoicyの音源、『CHIMNEY TOWN 公式BLOG』の内容をもとに作成したものです。

 
 

大阪公演の仕込みを見学。ずっと「すげー!」と言ってました

 
昨日、ミュージカル『えんとつ町のプペル』大阪公演の仕込みの見学に行ってまいりました。
 
佐藤さんがデザインされた舞台セットが建て込まれていて、そこにイジツさんの照明が入って、もうね…とんでもないことになってました。
 
ここから、演出の高橋イクマさんがバランスを整えてくださって、もっともっと凄くなると思うのですが、ルビッチ役の末谷さんと、スコップ役の阿部さんも、来られていて、僕ら三人並んでずっと「すげー!」「やばーい!」と言ってました。
 
たぶん、真面目に働いている人達からすると、うるさかったと思います。
 
ほんと、すみません。でも、もう、メチャクチャすごかったです。
 
ミュージカル『えんとつ町のプペル』大阪公演の仕込みの様子は阿部さんのツイッターとかにも上がっているので、チェックしてみてください。
 
大袈裟でも何でもなくて、この劇場のサイズで、こんなのはブロードウェイでも見れないです。
 
いやあ、本当に凄い。。
 
なんか斜に構えちゃって、「俺はいいわ」とか言って、見逃しちゃダメだよ。
 
絶対に後悔するから。
 
 
《こりっち》

《チケットぴあ》
https://t.pia.jp/pia/ticketInformation.do?eventCd=2224382&rlsCd=002
 
 

今回の大阪公演、「お任せする」という挑戦をして...

 
さて。
 
今回の大阪公演は僕らの中では「お任せする」という挑戦がありました。
 
舞台作品を別のカンパニーにお願いする時、「クリエイティブ」と「運営」の二つを任せることになるのですが、これが一筋縄ではいかないんです。
 
とくに今回は「運営」の方で、「聞いてた話と違う!」「『やっておく』と言われていたことが、やってもらえてなかった」ということがたくさんたくさん起きて、もう本当に大変でしたし、今も大変です。
 
そして、クリエイティブの方も、「どうやって渡すか?」というのが大きな問題になりました。
 
「東京公演でやったものを、一言一句変えずにやってください」とお渡しするのか、
それとも、「思うようにやってください」とお渡しするのか?
 
どちらにも、メリットデメリットがありますよね。
 
そのままやってもらうとクオリティーは一定のところで守られるかもしれませんが、任せられた側からすると、自分達でクリエイトした部分がないので、熱がのらない。
 
じゃあ、「好きにやっちゃってください」という感じで渡してしまうと、熱がのるかもしれませんが、場合によっちゃ、とんでもない地獄作品が出来上がってしまう可能性がある。
 
「この塩梅をどうするか?」ということに凄く悩んでいたのですが、最近、ちょっと答えが見えてきて…「カンパニーに渡す」というよりも、「人に渡す」というのがいいなぁと思っています。
 
それこそ、佐藤さんとか、イジツさんとかだったら、もう何回も仕事でご一緒させていただいていて、もう何回も朝まで飲み明かしていますから、「こんな感じで、お願いします」でお渡ししても、シチュエーションごとの正解を出してくださるんですね。
 
それこそ團十郎さんとの歌舞伎の時なんかは僕がずっと海外にいたもんですから、イジツさん佐藤さんコンビにほぼ丸投げだったんですが、とても難しい案件なのに、期待をピョーンと飛び越えてきてくださった。
 
一緒に飲んで、一緒に喋って、「こういう時は、こうだよね」と延々議論している時間が重要で、そういう時間を過ごした(価値観を共有できた)人にお渡しするのが一番良くて、そう考えると、ミュージカル『えんとつ町のプペル』を外にお任せする時は「このスタッフさんを入れてください」と指定するか、そういう人がいるカンパニーにお任せするのが正解なんじゃないかなぁと思います。
 
今回の大阪公演だと、東京公演の演出助手を務めてくださった「MOEKO」さんが『監修』という形で入ってくださったのですが、MOEKOさんは僕のことをよくよくご存知なので、「西野さんは、こんな西野さんのコピペを求めないと思う」みたいなことをお相手の方にズバズバ言ってくださるんですね。
 
それが分かっていたから大阪公演の話をいただいた時に、「監修でMOEKOさんを入れてください」とお願いしました。
 
今回、演出のイクマさんをはじめ、大阪チームの皆さんと一緒にクリエイティブについて、ゆっくりお話しする機会をいただけて、何百枚にわたる利用規約なんかよりも遥かに深いところで、「こういう時は、こうだよね」を共有できました。
 
そういった「コア」の部分が共有できていると、たとえば「劇場の形が違う」となっても、その時々の正解を探ってくださって…そして、そこで出た答えは、きっと僕の好きな答えだと思うんです。
 
 

お飾りかと思っていた「製作総指揮」。やってみると全然違った

 
そういった感じで、「人に渡す」という形をとった時に、僕の仕事はどこにあるのかなぁ、みたいな話を、先日、俳優の吉原光夫さんと喋っていたのですが…僕、たぶん、「原作・脚本・製作総指揮」という映画の時にとっているポジションが一番シックリくるんです。
 
 
自分でやってみるまで、ぶっちゃけ「製作総指揮」って、ちょっと「お飾り」的な感じだと思っていたんです。
 
「ただの象徴であって、実際に手は動かさない人」みたいな。
 
 
ですが、やってみると全然違って、結局、予算の管理なんかもするんですね。
 
なんならビジネスモデルから作って、たとえば、今回のように普段の舞台じゃ見れないようなセットや照明を可能にする。
 
一方で、監督(演出家)の表現が、つまらないオナニーになっていたら、「そういうの、やめません?」と言う。
 
僕の場合は絵を描きます。
 
製作総指揮って、監督(演出家)とプロデューサーの「まとめ役」みたいなところで、作り方と届け方の両方を考える役目だったんですね。
 
たぶん、僕は原作と脚本を仕上げて、そこから先のクリエイティブは現場チームに託して、あとは、裏で仕掛け人として立ち回るのが一番いいパフォーマンスができるような気が今はしています。
 
 
その為にも僕は「任せられる人」を増やす必要があります。
 
そういった意味でも、今回の大阪公演は本当にたくさん素敵な出会いがありました。
 
本当に素晴らしい才能が揃っていて、とにかくもう、メチャクチャいい感じになっているので、思う存分、期待してきてください。
 
確実に期待を上回ります。
 
ミュージカル『えんとつ町のプペル』の大阪公演開幕まで、あと「3日」でございます。
 
 

 
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