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「DAO運営」の難しいところを正直に話します【キンコン西野】

このnoteは2022年9月20日のvoicyの音源、『CHIMNEY TOWN 公式BLOG』の内容をもとに作成したものです。


「難しい問題」は大好物。どう解くか考える時間が好き


少しネガティブなタイトルではありますが、基本的に僕は(ポーズでも何でもなくて)知らないことを知りたいし、できないことをできるようになりたいし、逆に、知っていることや、できるようになったことは他人(後輩)に譲るヤツなので、「難しい問題」はそこそこ大好物で、「どう解いてやろうかなぁ」と考えている時間が好きなので、今日は別にネガティブな話じゃありません。

「僕が仕掛けているプロジェクトは現時点で、こんな問題を抱えていますよ〜」というご報告です。

何かの参考になれば嬉しいです。


僕はよく「あれもこれも上手くいってるヤツ」みたいに思われるのですが、打席に立っている回数が多いだけの話で、打率はあまり高くないと思います。

ググってもノウハウが出てこないことばかりしているので、基本的には「最初はあまり上手くいかなくて、そこから猛スピードで改善を繰り返して、合格ラインにのせる」みたいなことをやっています。

ちなみに絵本作家に関しては10年間売れなかったです(笑)


NFT売上金の使い方、DAOで決めることになっているが…


今も色んな挑戦をしているのですが、その中でも皆さんが最近よく耳にされているのは「NFT」だと思います。

これに関しては、「一気に100個出しまーす」とか「一気に1000個出しまーす」みたいな派手なことはしていなくて、一日1個ずつ(細々と)出しているので、上手くいっているのかどうかの判断は難しいところではありますが、まぁ、「ぼちぼち」やらせていただいています。


その裏で「DAO」というコミュニティーも運営しておりまして、こちらはゴミモンスターのNFTか、心臓のNFTを買われた方が参加しているコミュニティーになっておりまして、現在、メンバーは4300名ほどになります。

NFTの売り上げは、このDAOにプールする形になっていまして、「売り上げをどう使うか?」はDAOで話し合って決める…みたいな感じになっています。


予算を正しく使うには、知識や専門技術がメチャクチャ必要


で、ここからがセンシティブな話…というか、言葉を選ばないと怒られちゃう話なのですが…

まず、僕はDAOに参加していないんですね。

僕はオンラインサロンのオーナーであって、DAOに関しては「ファウンダー」という謎のカタカタのポジションにありますが、実際は「ハチ公」みたいな感じで、ただの待ち合わせ場所です。運営にタッチはしていません。

その上でね…これ、経営者さんなら、もうマキシマム・ザ・ホルモンさんぐらい首を縦に激しく振られると思うのですが、「予算の使い方を皆に決めてもらう」と言いましたが、予算を正しく使うのって、知識とか専門技術がメチャクチャ必要なんです。

で、そんなことできる人って、ほとんどいないんです。

これが厳しい現実なんですが、世の中にいる、ほとんどの人は予算を溶かすんです。


そして、もう一つ。

「皆で作ろう」とか言ってますが、世の中のほとんどの人は、物語も書けなければ、デザインもできないんです。

そして、厄介なのは、予算を溶かす人って「自分には予算を正しく使う才能がない」という自覚が無いんです。

そして、「皆で作ろう!」と言った時に、「俺、ストーリーを作る!」と手を上げちゃう人って、「自分にはストーリーを作る才能がない」という自覚が無いんです。


でも「皆で作ろう」と言われたら、予算の使い方を自分で決めたいのが人で、自分で考えたストーリーを作りたいのが人なんです。

皆、そんなところに普段の生活でタッチできないから、そこをやりたがるんです。


でもね…無理なものは無理なんです。

僕が今から「巨人戦に出てホームランを打ちたい」と言っても、無理なものは無理なように、100万円を正しく使うのはほとんどの人が無理で、ストーリーやデザインを描くのも、ほとんどの人が無理なんです。

逆立ちしたって無理なんです。

今は、ここをどう理解していただくか?


「皆でつくる」に必要な「キミのポジション」への理解


で、DAOに関しては「自律分散型組織」を「リーダーがいない組織」みたいな感じで誤った解釈をしている方がいて、「だったら、一回、リーダー無しでやってみな」と渡して、その結果、2週間何も進まなくて、「やっぱ、リーダーは要るよね」と納得していただいて今があります。

これと同じこと(一度失敗して覚える)を「予算」や「クリエイティブ」でもやらなきゃいけないのかなぁ?というのが今です。


ただ確実に言えることは、4300人が多数決で予算の使い方を決めたところで、10億円使っても、何も生み出せないのは明らかです。

クリエイティブにしてもそう。

もうね、予算の使い方に関しては、皆で決めるのではなくて、「予算の使い方が上手い人に任せる」が正解なんです。

クリエイティブもそうです。


だけど、皆、自分で予算の使い方を決めたいし、自分でゼロからモノを作りたい。

でも、チームの皆の未来を考えた時に、「あなたが頑張るのはそこじゃ無いんだ」というところなんですけども、これが受け入れられない人が「そんなのDAOっぽくないっ!」という言い分を持ち出しちゃう。

すごく都合よく「DAO」を持ち出されるのですが、違うんです。

「皆で作ろう」と言っているんです。そこは、そうなんです。

ただ、「キミのそのポジションはそこじゃ無いんだ」という話です。

「キミは、そこに関して無能で、そこでキミが張り切ってしまうと、皆がツライ思いをしちゃうんだ」という話なんです。

「キミはキミが輝けるポジションに就いて、それで皆で頑張りませんか?」という話なんです。


今は、ここをどう理解していただくか?

近況報告をすると、そんな感じです。


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