キンコン西野はなぜ「数字」にこだわらないのか?
このnoteは2020年9月18日のvoicyの音源をもとに作成したものです。
voicyの提供:田舎IT社長 おおき さん
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
今日は、
「キンコン西野はなぜ「数字」にこだわらないのか?」
というテーマでお話しします。
何度もお話しているのでご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、僕は『毎週キングコング』っていうコンビのチャンネルの他に『西野亮廣エンタメ研究所』のYouTubeチャンネルも持ってるんですね。
こちらのチャンネル運営には基本的には時間をあまり使いたくなくて、西野亮廣エンタメ研究所のチャンネルはvoicyでしゃべった内容をうちのマネージャーさんがそのままコピペしてるだけなんです。ほんとに申し訳ないチャンネルなんですけど(笑)
でも、時々ね、夜になると仕事の合間にお客さんと息抜きがてらコミュニケーションとりたいなと思って、こちらのチャンネルでライブ配信させていただいています。
昨日もライブ配信をして、二時間くらい喋ったんですけど、配信中にふたつご質問をいただきました。
ひとつめは、「なぜいつもライブ配信をアーカイブに残さないのか?」という質問。言い分としては、「アーカイブに残したらあとから観てもらえるし、それによって広告収入も入るのになぜ?」というところですね。
確かに僕は、ライブ配信をしてもあまりアーカイブに残さないんですよ。
時々、残す時もありますが。
基本的には、その瞬間に立ち会った人しか観れないんですよ。
これに関しては、生配信に立ち会ってくださった視聴者さんとのコミュニケーションを大切にしたいからです。
要は、誰かに観せるために喋りたくないんです。
友達と喋る時って第三者に聞かれることを想定して喋らないじゃないですか。あくまで目の前の友達と喋ることに集中する。
第三者に観られることを想定しながらお客さんとコミュニケーションをとったら、恐らく、取り上げなくなる話題がでてきたり、僕自身の立ち居振る舞いが変わってきてしまう。
それを、僕は望んでないんですね。
それこそ昨日なんて、喋ってる途中に「西野さん、ちょっとギター弾いてくださいよ」みたいに言われてギター弾いたんですけど、キングコング西野がギター弾いてるなんて誰も興味ないじゃないですか。その場にいる人はさておき。後で観る人はね。それだったらもっと役に立つ話をしてくれよって思うじゃないですか。
ただ、その場に居合わせた人はそういう流れになっていたから、ぜひ!と思ってやりました。
僕は、その場に居合わせた人を優先したいんですね。
目の前のお客さんと一対一で喋りたい。
っていうのがあるから、アーカイブには残さない。
「広告収入も入るのになぜ?」については、広告費に興味がないっていうのが僕の本音です。
一応ね、西野亮廣エンタメ研究所のYouTubeチャンネルは吉本のマネージャーに毎日管理してもらっているので、吉本に広告収入が気持ちばかり入るようにしていますが、それはあくまで気持ちで。
広告費をとるために自分の形を変えたくないんですね。
ここが今日の本題になってくるんですけど、
YouTubeチャンネルみたいなものをもっていると、毎度、「再生回数は?」とか「チャンネル登録者数は?」とか聞かれるんですが、僕、本当にどうでもいいんです、ここ。
先に言っておきますが、そこにこだわっている人を否定しているわけではなくて、キングコング西野の場合はどうだっていいって話ですよ。くれぐれも。
たとえば、チャンネルのコラボみたいなものもラファエルさんに声をかけていただいて一度やらせていただきましたが、あとはやっていないんですね。
これは、やらないって決めているわけではなくて、お声がけいただいて時間が合えばやらせていただくんですけど、とはいえ、自分からやろうとは思わない。
やったら再生回数が稼げることも、チャンネル登録者数が増えることもわかっていますが、もう一度言います。
僕、そこの数字って本当にどうでもいいんです。
どうしてアプローチがみんなと違ってくるかって、恐らく、目的が違うからだと思うんですね。
僕の目的は、あくまで、エンタメで世界をとる、なんですね。
この一点のみです。
となると、おさえておかなくちゃいけないのは大きくわけて二つで。
ひとつめは、非言語。もしくは、翻訳のハードルが極めて低いコンテンツ。
ふたつめは、予算ですね。
このふたつを取っておかないと、エンタメで世界狙えないんですね。
非言語、もしくはハードルが極めて低いコンテンツは、今でいうと絵本だし、映画だし、ミュージカルだし。あと次はVRとか、移動遊園地とか作ろうとしてます。
僕の1日はみなさんと同じように24時間しかないので、そのうちなるべく多くの時間をこういったものの制作に割かなきゃいけないんです。
僕のやることは、再生回数の多い動画を出し続けることじゃないんですよ。
あと絶対に大事なのが予算ですね。
予算がないと作品が作れないんで。
で、この予算の出処を広告費にしてしまうと、広告主に見限られたり、プラットフォームの突然のルール変更があった時に予算が止まってしまって、すべての活動が止まってしまう。
たとえば、僕が子供向けの動画を配信していて、その広告費を作品の制作費にまわして作品を作っていたとして、ある時YouTubeサイドが「子供向けの動画に広告を貼るのはダメ」みたいなことを言い出したら、僕の活動って全部止まっちゃうんですね。
やっぱり広告費って自分でハンドルを握っていないから不安定なんです。
僕は一応、大勢のチームで動いているので、そこを収入の柱にしてしまうと危なすぎるってことですね。
なので、地味に見えるかもしれませんが、きちんとダイレクト課金をとる。
そして、その売り上げで作品を作って、世界に届ける。数億人に届ける。
(あえてここで数字という言い方をさせていただきますが、)そっちのほうが最終的に大きな数字を手に入れることができるっていうことですね。
なので、厳密に言うと数字にこだわっているわけではなくて、より大きな数字にこだわった結果、みんなと少し違うアプローチになっているということです。
山登りに行くっていう人でも、近所の山を登る人はトレッキングブーツを履いてリュックを背負って家を出ますが、エベレストに登る人は街中を歩くような靴でコロコロのカバンを持って成田空港向かうじゃないですか。
目的が違うなら、もちろん出で立ちは違ってくるっていう話です。
というわけで、今日は【キンコン西野はなぜ「数字」にこだわらないのか?】について、お話しさせていただきました。
それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。
※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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