社長が「売れない商品」を作る惨劇!【キンコン西野】
社長の愛着バイアスが商品をダメにしてしまう…
今日は「社長の愛着バイアスが商品をダメにしてしまう…」という、ちょっと耳の痛いお話をさせていただきます。
特に「パッケージデザイン」の話題です。
これ、実はよくある問題なんです。
皆さんの身の回りで、こんなことが起きてませんか?
『社長が新商品のパッケージデザインを「自分でやる!」と張り切って、デザインセンスに不安を感じる社員たちの心配をよそに、自信満々で進めてしまった…。でも、出来上がったパッケージはというと、派手すぎたり情報を詰め込みすぎたり、シンプルにダサかったり…で、お客さんが「手に取りにくい」デザインになってしまった(売れにくい商品になってしまった)』
これ、よくありますよね?
なぜ、こういった問題が起きるかというと、ここには「愛着バイアス」というものが発生しているからなんです。
愛着バイアスというのは、「自分が手を加えたものや、自分が関与したものに対して特別な価値を感じてしまう」という心理的な傾向のことです。
社長がその商品開発に時間も労力も注いでいると、「これが一番いいに決まっている」という気持ちになっちゃって、冷静に判断できなくなるんです。
そしてこの「自分が作ったものを高く評価しすぎる」バイアスが、特にパッケージデザインにおいて大きな問題を引き起こします。
例えば、ターゲット層がシニア世代なのに、若者向けのポップなデザインを採用してしまったり、情報を詰め込みすぎてパッケージ全体がゴチャゴチャしてしまう。
結果、商品が売れなくなってしまうんです。
さらに問題を深刻化させてしまう要因は…
さらに問題を深刻化させるのが、社員が「社長に意見できない」という会社の空気です。
立場上、社員は「このデザイン、どうなんですかね…」と言い出せないんですね。
社長が「本音で喋ってみろ」と言っても、社員は社長には一生本音は言えません。
それは、そういうものなんです。
なので、社員たちは「気づいているけど言えない」というジレンマを抱えています。
「このままじゃ売れないのでは?」と思っても、社長の情熱やこだわりを前に口をつぐんでしまう。
その結果、誰もブレーキをかけられないまま、売れない商品が市場に出てしまうという構図です。
「愛着バイアス」の罠から抜け出す3つのポイント
じゃあ、どうすればこの「愛着バイアス」の罠から抜け出せるんでしょうか?
ポイントは3つあります。
1つ目は、プロに任せる勇気を持つこと。
パッケージデザインは専門性が高い仕事ですから、デザイナーやマーケティングのプロに委ねるのがベストです。
「自分の意見は添えるけど、最終決定はプロに託す」というスタンスが理想ですね。
2つ目は、結果で判断すること。
「自分がいいと思うもの」ではなく、「お客さんがいいと思うもの」が何なのかを理解することが大事で、デザインを発表した瞬間にお客さんが良い反応をしていないことがわかった瞬間に、そのデザインは捨てるべきです。
そして3つ目は、「愛着バイアス」がかかることを自覚しておくこと。
自分のデザインが素晴らしいのではなくて、自分のデザインを素晴らしいと思おうとする自分の存在を常に意識しておくことが大事です。
愛着バイアスは誰にでも起こり得るものです。
でも、それを克服することで商品の魅力を最大限に引き出せる可能性が広がります。
「自己満足のデザイン」ではなく、「消費者が喜ぶデザイン」を目指していきましょう!
今日の話題はここまで。
皆さんのチームでも心当たりがある方がいるかもしれません。
ぜひ、この機会に社内のデザインプロセスを見直してみてはいかがでしょうか?
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