広告費で運営されている「情報」の価値って?byキンコン西野
このnoteは2020年6月4日のvoicyの音源、『西野亮廣ブログ』の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:工藤 健 さん
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
今日は、
「広告費で運営されている「情報」の価値って?」
というテーマでお話しします。
どれだけ素晴らしいエンターテイメントを作ろうが、お客さんが「エンターテイメントを受け取れる状態」じゃないと、受け取ってもらえません。
「健康」だったり、「安全」だったり、経済的な問題もクリアしておかなくちゃいけない。
お腹を空かせている人に先に渡さなきゃいけないのは、絵本ではなくて、食料なので。
今回のコロナでは世界中の人が痛んだわけですが、一方で、オンラインを軸に仕事をしている人にとっては、あまり影響がなかったどころか、コロナバブルを迎えた人もいました。
ただ、経済活動は全て根っこで繋がっています。
オンラインサービスを利用するお客さんの生活が困窮すると、オンラインサービスを利用する余裕もなくなるわけですから、時間差はありますが、多くのオンラインサービスにもコロナの影響は出る。
つまり、お客さんは他人じゃないんですね。
使われ続けるサービスを作るには、お客さんの生活を守り続けなければなりません。
冒頭で申し上げましたが、これはエンターテイメントを提供する人間も然り。
僕はオンラインサロンを運営していますが、オンラインサロンのコンテンツをを受け取るのはサロンメンバーさんです。
となってくるとサロンメンバーがコンテンツを受け取れる状態を作る必要があって…つまるところ、サロンメンバーさんの生活を守る必要があります
ということで3月頃から、サロンメンバーさん向けのコロナ対策をやらせてもらっていて、今も「お仕事のマッチング」や、サロンメンバーさんのお店の集客の後押しをさせてもらっています。
昨日、一昨日は、コロナ期間中(具体的にいうと4月、5月)に売り上げを伸ばした実店舗の「数字」を、経営戦略をサロンメンバーの皆様に共有させていただきました。
自分で言うのも何ですが、昨日、一昨日の記事というのは、全サービス提供者が、絶対に必要な情報だと思います。
この情報を知っていると知らないのとでは、この先、天と地ほどの差が出る。
「情報」と「情報のようなもの」
ここからが本題です。
今、僕のサロンには6万3000人の会員さんがいらっしゃるのですが、たとえば会員が50人であっても、僕は、昨日、一昨日の記事を投稿しているんですね。
逆に、会員が10万人になっても、やはり同じ記事を投稿しています。
人数が増えることによって、提供できる特典は厚みを増すのですが、提供する情報に関しては、あまり人数は関係ない。
会員さんが少なかろうが、多かろうが、その時一番重要な情報を出すだけで、人数によって情報の濃度が変わることはありません。
これを可能にしている理由が「サブスク」です。
月学課金なので、一記事あたりの反応に売り上げが引っ張られることがないんです。
「いいね」がたくさんついたからといって、「ああ、『いいね』がたくさんついたな」ぐらいで、別に、売り上げが上がるわけでもない。
これが、一記事ごとに販売するスタイルなら、ちょっと「ウケ」を意識しちゃうと思うんですよ。
ウケるようなタイトルを付けて、ウケるような内容を選ぶ。
だって、売り上げに直結するから。
こうなってくると、優先順位が若干変わってきます。
重要な情報よりも、「売れる情報」の方が優先度が上に来てしまう。
…とは、いえ、ここまでは分かるんですよ。
そこには、その情報を買ってまで求めている人がいて、その人にとっては必要な情報なので。
僕自身も、noteで気になる記事は購入するので。
ここまでは分かるんです。「情報」として機能している感じはするんです。
世の中には「広告費で運営されている情報」があるじゃないですか?
その情報を発信するのに必要な予算の出所が、スポンサーさんになっているものです。
当然、その情報の合間には、スポンサーさんの商品のCMが入ってきます。
このCMは、たくさんの人に見られないといけないわけですから、なるべくたくさんの人に見られるような情報を発信しなくちゃいけなくなる。
「なるべくたくさんの人に見られるような情報」とは何でしょうか?
…答えは、たくさんの人がすでに興味を持っている情報です。
「すでに興味を持っている情報」とは何でしょうか?
…答えは、「知っている情報」です。
知らないことには興味を持てないので。
「不倫」は知っているじゃないですか?
不倫したらマズイことになることは、皆、知ってますよね?
だから、多くの人が興味を持っている。
だから、ワイドショーは、芸能人の不倫問題に30分とか時間を割く。
当然、観られるからですよ。
広告費で運営されている「情報」の現場では、お客さんが知っているものを投げて、お客さんは自分たちが知っているものを受け取って、「ああだ、こうだ」と意見する。
ここでやりとりされているモノって『情報』っ言いますっけ?
どっちかというと、『トークテーマ』じゃないですか?
『トークテーマ』にも役割はあると思います。
不祥事を起こした芸能人に石を投げてストレスを発散する、とか。
ただ、少なくとも、そこで知識は得ていません。
だって、そこで取り扱われている代物は『トークテーマ』だもの。
僕たちは整理しておいた方がいいと思うんです。
「ビジネスモデルごとに、情報の濃度が変わる」
ということを。
これは、「僕のサロンがイイ」とか、そういう話をしてるわけではありません。
ただ、お客さんの「ウケ」を無視できる媒体の方が、情報の濃度が濃くなるのは当然の話です。
んでもって、話をグイ〜と戻しますが、今回のコロナは本当に大変だったと思うし、これは、まだまだ続きます。
コロナが日本を襲って3ヵ月。
現時点で一つ確かなことは、「持ち合わせている情報の量が、かなり明暗を分けた」ということですね。
コロナが来ました。
移動が制限されました。
オフラインの営業の自粛要請が出ました。
売り上げが落ちました。
家賃払わなきゃいけない、
従業員の給料払わなきゃいけない。
「さあ、どうする?」
となった時に、情報を持っていない人は、戦いようがないんです。
トークテーマに時間を割き続けて来た人は、武器を持ってないんです。
「政府、もっと金をよこせ!」しか言えないんです。
見よう見まねでクラウドファンディングをしても、ほとんどの場合が手遅れです。
クラウドファンディングにはクラウドファンディングの戦い方があります。
あそこに企画を投げたら自然とお金が集まるわけじゃない。
あれは「金の成る木」じゃない。
あれを扱うには「知識」が必要です。
https://silkhat.yoshimoto.co.jp/projects/1547#project_info
もっと具体的な話をすると、クラウドファンディングで支援のブレーキを踏ませている一番の原因は「ログイン」なので、クラウドファンディングを学ぶことをしてこなかった(もしくはクラウドファンディングを否定しづづけた)人が所属しているコミュニティーには、クラウドファンディングのプラットフォームにログインをしている人が、あんまりいません。
その分、支援が集まりません。
……という情報も、今、初めて知った人が多いのではないでしょうか?
これからの時代を生きて行くには「情報」が必要不可欠です。
なので、「情報」と「トークテーマ」は分けて考え
、広告費で運営されている情報の多くは「トークテーマ」だということを知っておいた方がイイと思います。
※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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