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現代を生き抜く為に最も必要な力とは何か? by キンコン西野

このnoteは2020年3月9日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供:築舘 勇樹 さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。

今日は、
「現代を生き抜く為に最も必要な力とは何か?」
というテーマでお話したいと思います。

西野が仕事をするパートナー

毎日、僕は変な仕事をたくさんしていて、それを発信するとよく「西野さんと働くにはどうすればいいですか」と聞かれます。

一緒に仕事すると言っても、色んな形がありますが、タレントの「キングコング西野」に仕事を依頼するときは、吉本興業に連絡すればいいと思います。

そうではなくて、ビジネスでやる場合は、例えばプロジェクトの企画段階から入ったり、『えんとつ町プペル』のライセンス契約をして商品開発を進めたりなどは、オンラインサロン内のお問い合わせフォームで受け付けています。

あと、僕の会社の学生インターンや新入社員の募集も、オンラインサロン内で募集をかけています。

このように、「ビジネスパートナー」と呼ばれる人たちをオンラインサロンメンバーに絞っているのには理由があります。

毎朝オンラインサロンで僕は、2000文字〜3000文字の記事を投稿しています。
そこで語っているのは、この voicy とか youtube で話しているようなありきたりな内容ではなく、僕自身が現在進行形で取り組んでいるビジネスの組み立て方や、その際の広告戦略などです。

昨日は、ずいぶん踏み込んだ話で、「売上を最大化させるためには印税の配分をこう設計するといいよね」という話をしました。

そんな話を毎朝、約4万人のサロンメンバーと共有しています。

そして、ここの哲学が共有できている人とできていない人とでは、ビジネスの加速度が雲泥の差です。

哲学が共有できていない人と仕事をすると、「まだそんなこと言ってるの」ということが平気であります。その際に、「そうじゃなくてここで目先の利益を取ったらかくかくしかじかで最終的な利益が30%ダウンしちゃうじゃん」っていう説明をいちいちしなければいけなくなります。

ビジネスパートナーとしては、その時間が一番無駄なのです。

今、コロナショックを受けて、各出版社が「書籍の無料公開」を次々にやっています。あれはビジネスチャンスと捉えられていますが、ファンも作者も救われるので悪いことではないです。

しかし、あの無料公開も、3年ぐらい前は「無料後悔なんてしたらクリエイターが食いっぱぐれる」と日本中が否定していたわけです。

こんなことを言うと怒られるのですが、世間の速度はそれくらい遅いです。4〜5年ぐらい平気で遅れてきます。

世間が遅い分には別に構いません。言ってしまえば、僕のビジネス書は「あなたたちめちゃくちゃ遅れてるよ」ということで売れているので。

しかし本音を言うと、僕のビジネス書は売れなくてもいいから、もう少し勉強して、もう少しだけスピードを上げてくれよと、僕は思っています。

世間が遅い分にはギリ許容できますが、ビジネスパートナーがその遅さだと具合が悪いです。

なぜなら、僕のアプローチまで遅れてしまうからです。

なので、前提知識を共有して、最低でも僕と同じスピードで走ってもらうために、毎朝の記事を読んでくださっている方と、仕事をさせてもらうようにしています。

ちなみに、学生インターンはほぼ合格しません。

毎回サロンで募集をかけて、200人強の応募が来て合格する人は2人とかです。100人に1人しか受かりません。

ただ、ほぼ通らないこと前提で応募はした方がいいでしょう。
最終面接終わりで、最終面接に来た子たちと飲みに行くし、応募された僕たちは「こんな子がいるんや」と覚えています。

今回、学生インターンで受かった「ベぇくん」という子がいるのですが、前回のインターンも応募してくれていて、前回は早々に落ちていました。

その「ベーくん」という子は、もう明らかにバカなんですよ。

「リベンジだ」と言って、今回も応募してきたのですが、面接ってリベンジするものではないじゃないですか。

「お前不合格ね」って言ったのに来るんですよ、そいつが。
その馬鹿っぷりは見事だし。めちゃくちゃ良い意味でね。

「こいつ馬鹿だなあ」と思えたのは、やっぱり前回があったからです。「また来やがったこいつ」というので覚えてしまいました。

『楽観力』を身に付けろ

そして、この辺の話が今日の本題になってきます。

何年か前から、経済界では『VUCA』の時代といわれるようになっているのですが、『VUCA』とはつまり、「変動性」「不確実性」「複雑性」「曖昧性」を合わせた言葉です。このそれぞれの英単語の頭文字を取ってがっちゃんこさせたものです。

元は、軍事用語か何かでカッコつけた言い方ですが、要するに、『先が読めない時代』ということです。今はもう先がどうなるかわかりません。

当時は、「これぐらいのペースでこれをつくったらこれぐらい売れるよね」というように先が読めていました。その先が読めた時代に重宝されたのは、「これぐらいのペースでこれを作れる人」です。

つまり、極めてロボットに近い人です。なので、学校もロボットに近い大人を作ろうとしていますが、今ロボットに近い人は求められていないじゃないですか。

何故なら、ロボットがいるからです。
いくら計算が速い人でも、AIには負けてしまいます。

つまるところ、「先が読める時代」と「先が読めない時代」とでは、
「重宝される人材」というのはそれぞれ違ってくるのです。

インターン生だろうが、新入社員であろうが、僕は結構大きな仕事をいきなり任せます。有名なところで言うと、去年のエッフェル塔での個展の責任者は、インターン生でした。

制作費でいうとおそらく3000万円ほどかかりました。それを渡されて、「成功させてね」とか言われてしまう。

それで昨日も、新入社員やインターン生と会っていて、僕も知らなかったのですが、近々、本人から発表があると思うのでここでは言えませんが、どうやら大きなことを仕掛けるらしいです。

おそらくめちゃくちゃハードだと思います。それでも、「まあやっちゃえよ」と僕は言うわけですが、ただ、誰でも彼でも「やっちゃえよ」と任せるわけではありません。

やっぱりどうなるか分からないので。この先が読めない『VUCA』の時代に一つ確かなことは、「計画通りに物事は進まない」ということです。

その、計画通りに進まなかった時に、いちいち落ち込んでいる場合ではないんです。時代はどんどん進むので、落ち込んで止まっていたらどんどん取り残されてしまいます。

そこで大切なのは、失敗しても「仕方ない、次!」で秒で切り替えられる能力だったり、ピンチが目の前に立ちはだかった時にテンパらず「ピンチ!」という言える力だったり、なんならそれをネタにしてファンを増やしにいくぐらいの、「深刻に捉えすぎない力」、換言すれば、「楽観する力」です。
この「楽観力」というものが、『VUCA』の時代にはめちゃくちゃ必要です。

「楽観力」です。
僕自身、この「楽観力」を持っていない人には、プロジェクトリーダーは任せられないです。逆に言うと、「楽観力」がある人であれば、経験値があろうがなかろうが、どんどん仕事を任せます。

「こいつピンチが来ても乗り切ってくれる、しかも深刻に捉えすぎず、笑いながらのりきってくれるなあ」という人にはどんどん任せます。

その人はどんどん経験を積んで、どんどん伸びていくでしょう。
うちの会社は少し極端ですが、うちに限らず、今後『VUCA』の時代において重宝される人材は、そういう人になってきます。

「楽観力」は、もともとの性格もありますが、訓練で養える部分も多分にあります。普段からなるべくピンチのそばにいて、笑い飛ばす訓練はしておいた方がいいでしょう。

今日のタイトルに戻りますが、
「現代を生き抜く為に最も必要な力とは何か?」

答えは、「楽観力」です。

これを持ってるか持ってないかがすごく明暗を分けると思うので、一度意識して、ピンチのそばにいて、笑い飛ばす訓練をしてみてください。

というわけで、
「現代を生き抜く為に最も必要な力とは何か?」
というテーマでお話させていただきました。

それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。

※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
んでもって、ビジネス書に掲載するレベルのコラムを毎朝投稿しています。
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