キミの挑戦の性格をキミは把握しているか?byキンコン西野
このnoteは2020年6月26日のvoicyの内容を文字起こししたものです。
voicyの提供: 世界で一番綺麗な印刷物をつくる矢田浩二 さん
どうも。キングコングの西野亮廣です。
お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。
本題に入る前に業務連絡というか、オンラインサロン内での有事の際の動きについて再度ご案内します。
この先も確実に日本は台風の被害に遭うし、震災(地震)にも遭うので、オンラインサロンを運営している身としてこれは全然他人ごとではありません。
サロンメンバーさんは全国にいてメンバーの誰かは100%被災するので、その日の備えをしておきたいと思って『県人会』というものを作りました。
サロンメンバーさんの身に何かあった時、すぐに他のサロンメンバーさん、うちの会社の人間、もしくは僕が駆けつけられるようにです。
各都道府県ごとにグループをつくって、例えば一昨日だと、長崎では記録的な大雨が降ったり、千葉では震度5の地震がありましたが、そのようなことが起きたらすぐに安否確認のスレッドがグループ内で立ち上がるようになっています。
地震の場合だと発生からだいたい3分以内、本当に早かったら多分30秒以内にスレッドが立ち上がって安否確認を行って、困っていることがあればすぐに駆けつけられるようにしています。
家が倒壊したというようなことになると、その全額を負担することは難しかったりするのですが、とはいえ、お金がかかってしまうような被害が出れば、すぐに支援のクラウドファンディングを立ち上げて、その方を支援するクラウドファンディングを立ち上げて、6万人のサロンメンバーで共有するようにしています。
一口500円で支援できるようにしておけば、6万人だと300人中1人が支援してくれるだけで10万円は集まるので、気持ちばかりですが支えになるのかなと思います。
オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』ではこういう活動もしていますということと、サロンメンバーさんに向けては『県人会』という無料のグループに入っておいてもらえるといろいろ手助けができますので、気が向いたらぜひという業務連絡でございました。
時期も時期なので水害もあるでしょうし、台風も間もなくですし、地震も絶対にあるので、その備えをしておきたいと思ってお話しをさせていただきました。
さて、そんなこんなで、今日の本題です。
「キミの挑戦の生活をキミは把握しているか?」
というテーマでお話しします。
僕は週に3回ほど、サロンメンバーさんの会社、および個人さんのコンサルをさせていただいています。基本的には広告戦略がメインです。
話が盛り上がってそのまま業務提携のような形を取らせていただくこともあって、それは意外と珍しくないかもしれません。「もう、一緒にやっちゃいましょうよ!」というような感じで。
その中で、昨日「こんな新しいサービスを始めようと思うんですけど、調べたら数日前に競合が出てきて今どうしようか迷ってます」というようなご相談を受けたんです。
それが相談内容のメインというわけではなかったのですが、サブの相談として「こんなことでちょっと悩んでるんですよ」というようなご相談を受けたのです。
「始めてみたものの、競合がいた」という問題って結構あると思うし、これに関しては整理して考えた方がいいと思っています。
お客さんを取り合うということはネガティブに捉えられがちですが、競合がいるのはそこに需要がある証拠なのです。
よく『レッドオーシャン』と『ブルーオーシャン』といって、「競合がいる海」と「競合が少ない海」が比べられたりします。
「競合はいないが、魚もいない海」というのもあって、人と違うことをやろうとしてこねくり回したサービスは大体ここに陥ってしまいます。
確かにそんなサービスは見たことないけど、誰がそのサービスを買うの?というようなものって結構あったりします。
一方で、これは難易度が高いですが「需要はないけれど、需要を創造する」というやり方もあります。
その海には魚はいないけれど、あの手この手でその海に「魚を呼ぶ」という結構強引なやり方。僕の絵本などはそうかもしれないです。
僕のことを面白がってくださる方の層が一番厚いのは20代30代の男子なのですが、元々20代男子が絵本を買うということがなかったので、これはもう半ば強引に「需要を作った」という形です。
『ブルーオーシャン』はうまくいけば『レッドオーシャン化』していくのですが、『レッドオーシャン化』しないところに需要をゼロから創造できたら強いですよね。
僕はこういったパワープレイが好きだったりするので、そこに張ってしまうのですが、このやり方はほぼ100%死ぬので他人にはお勧めしないです。
いずれにせよ、「競合がいる海」と「競合がいない海」と「競合はいないけれど魚もいない海」という3つの海がある。
今回の相談者のサービスは「競合がいる海」で、一般的にはネガティブに捉えられがちですが、そこに魚は確実にいる。
『レッドオーシャン』や『ブルーオーシャン』の議論とは、つまるところポジション取りの話だと思うのです。
『レッドオーシャン』だからダメ、『ブルーオーシャン』だからいい、というように短絡的に判断するのではなくて、もう少し解像度を上げて、その業種はナンバーワンじゃないと生き残れない業種なのかどうかというところも判断基準に入れた方がいいと思います。
例えば、検索サイトはもうグーグルでいいですよね。2番目に使い勝手のいい検索サイトとかっていらない。これはナンバーワンしか生き残れない業種ですね。
基本的に、ウェブサービスって呼ばれるものは基本的なナンバーワンしか生き残れない。
一方で、クリーニング屋さんなんて『レッドオーシャン』中の『レッドオーシャン』の仕事ですが、全国売上ナンバー1000のクリーニング屋さんは今日も元気に営業しています。
これはナンバーワンじゃなくても生き残れる業種ですよね。
どうやらウェブサービスではなくて、地域に根ざした実店舗っていうのはナンバーツーでも生き残れるのかもしれない。
と思いきや、違う。
同じ地域にクリーニング屋さんが2軒あったら、その地域のナンバーワンに持ってかれる。同じ地域のナンバーツーは生き残れない。っていうような意見もあるかもしれない。
それもそうかもしれないです。クリーニング屋さんが2軒並んでいたら、サービスが良い方か安い方を選ぶので、ナンバーツーのクリーニング屋さんは生き残るのが難しいかもしれないですね。
では、実店舗も結局はナンバーワンしか生き残れない業種なのかというと、そうでもなくて。
例えば、スナック街というものが成立しているじゃないですか。
あそこには人気ランキングナンバーワンからナンバー20くらいまでの店があって、どの店も何十年も営業している。売上の差こそあれ、同じ地域のナンバー20であろうと、きちんと家賃を払い続けて飯が食えているのです。
何が言いたいかというと、今、もしくはこれから自分が挑戦することは、どこに属しているかということを把握しておくことが大事だという話です。
『レッドオーシャン』なのか『ブルーオーシャン』なのか、はたまた「『レッドオーシャン』でナンバーワンしか生き残れない業種」なのか、はたまた「『レッドオーシャン』だけれど、ナンバー7でも生き残れる業種」なのか。
Google、Amazon、 Facebook、 AppleをGAFAと言ったりしますが、僕はよくGAFAが再現できてしまうことに手を出しちゃダメだよというようなことを言います。
あらかじめ自分が取りに行くポジションの性格を把握しておかないと、全てが無駄になってしまうという話です。
これは結構大事な話なので、今日の話は頑張って覚えておいてください。
というわけで、
「キミの挑戦の性格をキミは把握しているか?」
というテーマでお話しさせていただきました。
それでは、素敵な1日をお過ごしください。西野亮廣でした。
※オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』では、毎日、議論&実験&作品制作&Webサービスの開発&美術館建設を進めています。
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