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「やりたいことが見つからない」と言い続ける人【キンコン西野】

このnoteは2021年4月25日のvoicyの音源の内容をもとに作成したものです。
voicyの提供:次世代へ繋ぐ未来の為にオウイェーイ イトウセイイチ さん

どうも。キングコングの西野亮廣です。

お笑い芸人をしたり、絵本作家をしたり、国内最大のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の運営をしたりしております。


さて、イレギュラー配信でございます。

毎週日曜日は、オンラインサロン『西野昭仁エンタメ研究所』に届いたガチ相談に本気でお答えしていて、それが結構評判だったりもするのですが、今日は、その日曜日だということをすっかり私忘れておりまして。朝、通常回をお届けしてしまいました。

一瞬、相談会は明日やればいいかとも思ったのですが、なんか「セコイ」と思われるのもやだし、こうやって今、皆さんコロナで行く場所もないと思うので、イレギュラーではありますが、本日2回目の配信をさせていただきたいと思います。

短めになるかもしれませんが、3つほど相談に乗って行きたいと思います。

相談はランダムに選んでおりますので、選ばれなかったとしても恨みっこ無しでお願いします。


その前に、お知らせを一つだけさせてください。

月に2回、隔週で僕の友達を自宅に招いて、お酒を飲みながら今やっていることやこれから仕掛けることなどを話す月額590円のyoutube メンバーシップ『スナック西野』をやっております。

昨日、配信があったのですが、昨日は、雨上がり決死隊の宮迫さんと極楽とんぼの山本さんのコンビが、あれは宮迫さんのチャンネルかな、僕のおうちに突撃して来たんです。

撮影スタッフからは、「誰か来るよ」ということは聞いていたんですよ。ですが、何がどういう形で来るのかは聞いていなくて、「とりあえず家にいてください」と言われていました。

それでまあ、「そういうことか」と思い、結局その二人が来られて、散々家を荒らし、お帰りになられるところで、「ちょっと待ってください」と。

「撮りましょうよ」という形で、突撃の後に撮らせていただきました。

その突撃とは打って変わって、内容は、有料の方は特にそうなのですが、ちょっと込み入った話、「宮迫さんは今後どうされていくのか」とか「山本さんてどういうやり方で進めていかれるんですか」みたいな、ちょっと込み入った話をさせてもらっております。

非常に面白い回になっておりますので是非ご覧ください。

そして、この後決まっているゲストは、幻冬舎の箕輪さん、ダイノジの大谷さん、IT評論家の尾原和啓さん、ホリエモンさんとなっております。みんなすでに撮り終えているのですが、めちゃくちゃ面白かったので、おすすめでございます。

興味がある方は、僕の公式youtube チャンネル『西野亮廣エンタメ研究所』、動画の下に青文字で「メンバーになる」と書いてあるところをクリックしてみてください。


そんなこんなで、オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』に届いたご相談を3つほど、答えていきたいと思います。よろしくお願いします。

本当にランダムに選ばせていただくので、恨みっこ無しでお願いします。


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【Q】りほさん

やりたいこと(アイデア)はどんな時にどこで生まれましたか?

『これをしたい』と突き抜けて思えるものに出会えなくてもがいています。

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【A】

そうですね。これはよく言っていることなのですが、大切なことなので何度でも言います。

「本当にやりたいこと」って、結論から申し上げますと、始めてみないと見つからないんですよ。

とりあえず始めてみて、そこで結果が出て、例えばお客さんに喜ばれてそのとき初めて「もっと喜んでもらいたいな」という感情が生まれるんです。その延長がやりたいことに繋がるわけですね。

いわゆる「モチベーション」と呼ばれるものですね。

結果が出てから生まれるんです。ちょっとした結果が出てから「もっと結果を出したい」という。それがやりたいことに繋がると。

うちの新入社員のべぇくんは、今、渋谷にある『CHIMNEYCOFFEE』というカフェのプロジェクトを担当しているのですが、別にカフェがやりたくてうちの会社に来たわけじゃないんですね。

「何か楽しいことをやりたいなあ」という感じで結構フラットにうちの会社にきて、なんとなくなりゆきでカフェ担当になったんです。

ですが、今では休日もずっとカフェのことを考えているそうです。

なので、やりたいこととは、先天的なものではなく、後天的なもの。つまり、とりあえず始めてみてからじわじわとあぶり出てくるものだと思っておいた方がいいと思います。

逆に、やりたいことに出会わない方法は、いつかやりたいことに出会えると「待ち続ける」ことですね。

これは絶対に死ぬまで出会わないと思います。

まあそれはやめておいた方がいいのかなという感じですね。
頑張ってください。応援しております。

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【Q】はぎわらさん

僕は今、本を執筆する前の段階にいます。22歳で飛び込み営業をして商業出版が決まりました。

そんななか、西野さんが書いた『革命のファンファーレ』、ホリエモンさんが書いた『ゼロ―なにもない自分に小さなイチを足していく』の発行部数、刊行部数を超えると北海道で意気込んでいます。冊数で言うと40万部が目標です。

そのために、まずは日本一の作品を書こうと思っています。ここでお聞きしたいことがあります。

西野さんが40万部以上の本を届けるとなった場合、ターゲットは誰でどんな内容の本を書きますか?内容と届け方の戦略も併せてお聞きしたいです。僕が書く本はビジネス書or自己啓発のどちらかになります。

僕が憧れる西野さんやホリエモンさんを越すために、西野さんの知恵をお借りしたいです。よろしくお願いします。

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【A】

なるほど。ご質問は、「西野が40万部以上の本を届ける場合どうするか」ということですね。

僕も何冊か本を出させてもらっているのですが、僕が書くビジネス書の売上って、毎回10万部から20万部の間をうろちょろしていて、やっぱり、40万部を超えるのって簡単じゃないんですね。

そのラインを超えた作品で言うと、僕の場合は『えんとつ町のプペル』で、こちらが間もなく70万部ですね。

この違いは何なんだというところを自分なりに分析すると、僕のビジネス書って、マーケティングがメインなんですね。例えば、学生時代の自分や、実家のお母さんにとっては、マーケティングなんて生きていく上で必要ないじゃないですか。

マーケティング本の売り上げ部数の限界値は絶対にあります。それはビジネス層のなかでもその分野に興味を持っている人たちの数です。肌感で言うと、日本だとMAX30万人ぐらいですね。

真正面からビジネス書を書いてしまったら、要するに30万部が限界だと思います。

では、『えんとつ町のプペル』はどうかというと、「挑戦すること」を選んで迫害を受けている人がターゲットなので、実は市場がすごく大きいんですね。

映画を観ていただけると分かりやすいと思うのですが、あれって挑戦した人あるあるなんです。浴びせかけられる言葉も何もかも。

挑戦者は、数が少ないから挑戦者なのですが、しかしながら、年齢も国籍も関係ないし、挑戦者だった人も含まれます。

繰り返しになりますが、市場が大きいんですね。

40万部って大ヒットの部類に入ると思うのですが、大ヒットを生むときの条件は、「確かな市場規模と自分のコアが重なっている」ことです。

ここ、むっちゃ重要です。

「自分のコアが重なっている」ということは無茶苦茶重要です。

挑戦者の市場が大きいからと言って、挑戦も何もしたことがない人がそこに向けたメッセージを書いたところで、説得力が無いので刺さらないんですよ。

『えんとつ町のプペル』には、「誰か見たのかよ?あの煙の向こう側を誰か見たのかよ?誰も見てないだろう。だったらまだ分からないじゃないか」というセリフがあるのですが、これはセリフ自体は目新しくもなんともないのですが、誰が言うかで刺さり具合がやっぱ変わってくるんですね。

キンコン西野が書いたから意味があったと思うし、芦田愛菜さんが叫んだから意味があったと思います。

なので、大ヒットを狙うには、「確かな市場規模と自分のコアが重なっている」ということがすごく大事です。

それを踏まえて言えば、僕ならば、お金の大切さを痛いほど経験しているので、そしてそれなりに説得力もあるので、「親子で学ぶとっても大切なお金の話」というタイトルで本を書くと思います。

ここは、「確かな市場」と「僕のコア」が重なっているので、大ヒットする可能性があるとすれば、そのあたりですね。

届け方に関しては、その時に考えます。

その時の時代の空気と合わせることが一番大事だと思うので、様子を見てですね。まあそんなところです。

頑張ってください。応援しております。

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【Q】りょうすけさん

今年大学生になった者です。僕は昔からお世話になっている祖母を旅行に連れて行きたいと思っており、その費用を集めたいと考えています。

しかし、バイトをしようとすると、『学校生活に慣れるまでは(7月ごろまで)やめておけ』と親や学校に言われ、家で作品を作ろうと思っても実家はアパート暮らしで個室もないため集中して何かをすることもできません。家に個室と呼べるのはトイレと風呂場しかないです。

『クラウドファンディングをしよう』と言うと、人が働いて稼いだお金で自分が楽しむことはしたくないと言われ、祖母の老いは日に日に進行していくので焦っています。

西野さんならこの場合どうするか教えていただきたいです。

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【A】

なるほど。もう無茶苦茶わかります。僕は結構ばあちゃん子だったので、『ジップ&キャンディ―ロボットたちのクリスマス』という絵本でも、それこそ、ばあちゃんとの思い出を書きました。

僕は、ばあちゃんをいろんなところに連れて行ったので、東京でばあちゃんのコンパしたこともあるんですよ。

ばあちゃんの老いが進んでいくことは僕もよく分かっていたので、今の間にいろんなところに連れていってあげたいなーというそのお孫さんの気持ちは超共感できます。

それで、僕なりにこのご相談に答えていくとすると、「人が働いて稼いだお金で自分が楽しむことはしたくない」というのは、「孫が稼いだお金で旅行なんて行きたくない」ということなのか、「りょうすけさんがクラウドファンディングで呼びかけた人が働いて稼いだお金は受け取りたくない」ということなのか、どっちでしょうか?

後者だとしたら、そもそも経済が成り立たないはずです。

例えば、おばあちゃんがお店でおむすびを売ってそこで頂いたお金は、元はおむすびを買ってくださった方が働いて稼いだお金じゃないですか。

お金というものはそもそも人が働いて稼いだものなので、それを受け取りたくないというのであれば、基本的には今の世界にはいられないはずなんですね。

多分、おばあさまが言っておられるのは、「『クラウドファンディング』という、横文字の寄付サイトで集めた寄付なんかで旅行なんて行けん」ということだと思うのですが、これは大丈夫です。

今年大学生になったばかりのりょうすけさんがクラウドファンディングで「おばあちゃんを旅行に連れて行きたい」という企画を立ち上げても、お金は絶対に集まらないので、無名でまだ何の信用も獲得していない人間がクラウドファンディングでお金を集めようと思ったら、リターンで稼働しなくてはいけなくなるんですよ。

つまり働かなければならなくなるんですよ。

3000円支援してくださったら、「これをします」の「これ」が結局、仕事になるんですよ。つまり、予約販売サイトです。

りょうすけさんが働いて稼いだお金で旅行に行くのはOKという線引きなのであれば、クラウドファンディングにしたらいいと思います。

ただ、分かろうとしない人にクラウドファンディングの説明をどれだけしても無駄なので、「クラウドファンディング」という時点でもう耳を塞いでしまっているので、あれだったら『BASE』、つまり、オンラインショップで自分ができる仕事を出せばいいと思います。

「1時間1000円で大学生があなたの話を聞きます」とか。

これ売れなくてもマイナスはないし、売れたらラッキーですよね。

これは実質クラウドファンディングと同じなのですが、おばあ様に説明するときにはクラウドファンディングで集めたお金じゃないと説明ができる。

クラウドファンディングで集めたお金って言ってしまうと、「寄付」だと捉える人がいるんですよ。

クラウドファンディングって当然、寄付の要素もあるし、予約販売の要素もあるので、ちょっとややこしいところではあるのですが、「クラウドファンディング」というワードを使った時点で「それ人のお金だろう」となってしまうので、これを回避することは非常に重要だなと思います。

『BASE』で出すとクラウドファンディングで集めたお金ではなくて、「ネットショップで自分で稼いだお金」という説明ができるので、このラインから攻めて行けばいいんじゃないかなと思います。

頑張ってください。応援しています。




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